6/7 福島戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.6.07

6/7 福島戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
天皇杯の初戦を迎えた。J1リーグのチームは2回戦から登場する。東京は福島県代表の福島ユナイテッドFCと公式戦での初対戦を迎えた。

連戦ということもありメンバー編成はリーグ戦から大きく変更した。

リーグ前節の横浜F・マリノス戦に出場したメンバーのうち、スターティングメンバ―に名を連ねたのは、東慶悟選手、徳元悠平選手、塚川孝輝選手、松木玖生選手、アダイウトン選手、ペロッチ選手の6選手。ゴールキーパーには今シーズン初出場となる児玉剛選手が起用され、センターバックの東廉太選手はプロ選手としては初の公式戦出場となった。

1stHALF—先制されるも冷静な試合運びで逆転

試合開始から前に出てきたのは福島だった。陣形を高い位置で保ち、東京がディフェンスラインでボールを回す際にもボールサイドに連動してプレスをかけてくる。東京も冷静にいなしてボールを前進させていくが、球際の強さにより相手ゴール前まで運ぶことができない。

すると前半12分、左サイドで数的優位を作られて深い位置まで侵入されると、ゴール正面にクロスボールを入れられてダイレクトで合わされて先制点を許す。

天皇杯特有のアップセットもちらつくなか、東京は冷静に試合の主導権を握り返し、徐々に反撃を強めていった。

前半19分には高い位置でプレッシャーをかけて相手ペナルティエリアの手前で塚川選手がボールを奪うと、そのままペナルティエリア内に運んでディフェンダーを一人かわし、冷静にゴールに流し込んで同点に追い付く。前半29分にはアダイウトン選手がファウルを受けてペナルティキックを得ると、自ら決めて逆転。前半のうちにリードを奪い試合を折り返した。

2ndHALF—松木の味スタ初ゴールでリードを広げ3回戦進出

後半に入ってもボールを保持しながら冷静に試合を進めていくが、福島の勢いに押されて自陣深くまで運ばれる場面も作られる。

リードしながらも気を抜けない展開のなか、東京はチャンスを確実にモノにした。

後半13分、カウンターを仕掛けると、俵積田晃太選手がスピードに乗ってボールを運ぶと、左からスペースへ飛び込んできた松木選手にボールを預ける。ペナルティエリアに侵入した松木選手は冷静にゴールに流し込み、味の素スタジアムでの初ゴールでリードを広げた。

膠着した状態で試合を進めていくと、後半35分にはドリブルでペナルティエリアに入ってきた相手選手の切り替えしの際にファウルをとられてペナルティキックを与える。しかし、このペナルティキックのピンチは、相手のキックがゴール上へと逸れて事なきを得た。

その後は、サイドを崩されてボールがゴール前を横切るシーンもあったが、身体を張った守備で得点を許さず、試合終了のホイッスルを迎えた。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK児玉剛
DF鈴木準弥/東廉太/エンリケ トレヴィザン/徳元悠平
MF塚川孝輝(後半30分:寺山翼)/東慶悟/松木玖生
FW俵積田晃太(後半22分:西堂久俊)/ペロッチ(後半30分:熊田直紀)/アダイウトン(後半44分:土肥幹太)

SUBS
GK野澤大志ブランドン
FW野澤零温/荒井悠汰

GOAL
前半19分:塚川孝輝/前半30分:アダイウトン/後半13分:松木玖生

<福島ユナイテッドFC>
STARTING Ⅺ
GK山本海人
DF田中康介/野末学(後半36分:堂鼻起暉)/鈴直樹/大武峻
MF大森博/宮崎智彦(後半15分:吉永大志)/上畑佑平士
FW長野星輝(後半15分:城定幹大)/塩浜遼(後半36分:森晃太)/樋口寛規(後半28分:延祐太)

SUBS
GK大杉啓
MF清田奈央弥

GOAL
前半12分:塩浜遼


[アルベル監督記者会見コメント]


Q、本日の試合を振り返ってください。
A、チームは集中して試合に入りました。早い段階で失点をしてしまいましたが、すぐにリアクションして逆転することができて、試合をコントロールして多くのチャンスを作りました。ただ、試合終了までの15分間に関しては、良いプレーができていませんでした。ボール、試合のコントロールを失ってしまった時間帯でした。福島ユナイテッドFCはボールを大切にするプレーをしてきましたし、クオリティが高いことを証明しました。彼らがカテゴリーの違うチームと対戦するにあたって、守備的ではなく攻撃的なゲームプランで試合に臨んでくれたことを、この場を借りて称えたいと思います。

改善点としては、我々が多くのチャンスを作っていた時間帯に追加点を決められなかったことです。そのため、終盤に試合のコントロールを失ってしまいました。そこに関しては満足していません。最後に、スタメンで起用した東廉太選手が良いプレーをしたこと、途中出場した土肥幹太選手がプロとして、東京の選手として初めて公式戦に出場したことを称えたいと思います。松木玖生選手が良い形で中心選手としてチームを引っ張ってくれたことにも満足しています。彼が成長した姿を証明してくれましたし、引き続き彼の成長を期待していますし、リーグ戦での活躍も期待しています。

Q、終盤に試合のコントロールを失った原因は何でしょうか。
A、私の考えでは、より良い守備というのは、ボールを持って守備をすることだと解釈しています。実際に守備を固めて試合を終わらせるよりも、ボールを保持して試合を終わらせる方がより良い守備ですが、チームにその点を理解させられていないからです。3-1で勝っている場面で、守備を固めてボールを奪ってからカウンターアタックで追加点を決めるという考え方もあるかと思いますが、私はそのような試合の終わらせ方は好みません。今回、守備を固めるような形になってしまったがゆえに、相手にチャンスを作られてしまいました。改めてチームには、ボールを保持しながら試合を終わらせる、ボールを保持しながら守備をすることを学んで欲しいと思います。終盤の15分以外はテンポよくボールも動かせていましたし、ウイングを生かした攻撃ができていました。その部分に関しては満足しています。


[選手インタビュー]
<松木玖生選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、内容が悪かったとしても、天皇杯というトーナメント方式の試合で、まずは勝利できたことは良かったと思います。前半はハイプレスを上手くかけることができましたが、後半に入って体力の消耗もあり、苦しい時間はありましたが、リーグ戦に出場していない選手たちも含め、90分ハイプレスをかけられるような戦いを作らなければいけません。勝利を導くための方法として、アグレッシブな守備は重要です。それをベースに、また明日の練習から1つ1つ積み上げていきたいと思います。

Q、チームとしてハイプレスを守備のベースとして考えている、ということですか。
A、そうですね。今日のような試合展開でボールを回すことに長けているチームを相手にした時に、前で上手くボールを奪いショートカウンターは狙いの1つです。今日の塚川孝輝選手のゴールは、狙いが形になったプレーです。そのようなプレーを90分継続することができればさらに良いチームになっていくと思います。

Q、松木玖生選手自身、味スタ初ゴールも生まれました。
A、初ゴールまで長かったです。俵積田晃太選手が良いボールを供給してくれたので、上手く決めきることができて良かったと思います。試合後に俵積田選手から「決めてくれてありがとうございます」と、直接声もかけられました。トーナメント戦で勝ち切らなければならない状況で得点を取ることを僕自身も意識していました。良い形でゴールが生まれて良かったです。得点を後押ししてくれたファン・サポーターのみなさんに感謝しています。

Q、天皇杯3回戦はヴェルディとの対戦になりました。
A、“東京”こそが東京の代表として勝たなければならない試合です。リーグ戦もありますが、天皇杯でもしっかりと結果を残せるように頑張ります。 


<東廉太選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、チームとしてやりにくい相手ということはありましたが、個人としては今の自分がどこまでやれるのかという気持ちで挑みました。前半はうまく試合に入ることができませんでしたが、周りの人のサポートで後半は守備で良いところを見せることができたと思います。

Q、今日一番大切な、勝利という結果を得られたことは大きかったのではないか。
A、それはありますが、ディフェンダーとしては無失点で終わらせたかったです。ペナルティキックもあったので2失点してもおかしくなかったので、そこは課題かなと思っています。

Q、今日、出場して改めて得ることも大きかったのではないですか。
A、プロは試合に出場して勝っていかなければいけません。なので、継続していくことが大切になると思います。今日は母が来ていてくれていたので、家族や地元の応援してくれる人たちにプレーしている姿を見せられたことは、良かったと思います。

Q、次の試合に出場するためにこれから何をしていきますか。
A、これからの練習や練習試合に、今日出た課題を活かしていきたいです。そこで成長を見せられれば、またチャンスをもらえるのではないかなと思います。 


<土肥幹太選手>


Q、初めての出場となりました。
A、出場することはできましたが、良いプレーはできていないので、ここから頑張っていきたいと思います。

Q、今日の試合に向けて、どのような準備をしてきましたか。
A、練習でどのようにアピールするかが大事だと思っていました。練習から日々頑張ってきたので、ここからさらに積み上げていきたいと思います。

Q、ピッチに入った時の気持ちを教えてください。
A、3-1で勝っている場面だったので、失点しないことを意識して試合に入りました。スタジアムの雰囲気など、初めてのことが多くありましたが、落ち着いてプレーできたと思います。

Q、3回戦はヴェルディとの試合になりました。生粋の東京育ちとしてどのような気持ちがありますか。
A、絶対に負けられない相手なので、良い準備をして試合に出場できるように頑張っていきたいと思います。

Q、ずっと、味スタのピッチに立つことは夢だったと思います。実際に立ってみていかがでしたか。
A、自分が小さいころから、ずっと憧れを抱きながら見ていたピッチなので、夢が現実になり嬉しいです。

Q、東京で長らくゴールキーパーとして活躍したお父さん(土肥洋一氏)のプレーもずっと見ていたと思います。同じピッチに立った感想をお願いします。
A、お父さんには負けたくないので、お父さんの記録を越せるようにここから積み上げていきたいと思います。

Q、やはり意識するものですか。
A、周りから言われるほど意識はしていませんが、お父さんから言われたら意識してしまいます。

Q、お父さんから言われるのですか。
A、結構、煽られます(笑)。

Q、ピッチに入る際にアルベル監督から何を言われましたか。
A、失点をしないようにすることを伝えられました。

Q、怪我もあり、ここまで長かったと思います。振り返っていかがですか。
A、2022年の11月に怪我をしてしまい、4月まではリハビリでしたが、奥原崇監督をはじめとしてFC東京U-18のスタッフも常に気にかけてサポートしてくれていたので、感謝を伝えたいです。