4/1 鳥栖戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.4.01

4/1 鳥栖戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
開幕から5試合を終え2勝2分1敗で7位につける東京が、2週間のインターバルを挟んで迎えたリーグ再開初戦に臨んだのは鳥栖の地。リーグ戦の成績では現在7連敗中とめっぽう相性が悪く、まさに鬼門と呼ばれる場所だ。

開幕からアンカーで出場し続けていた東慶悟選手と中盤の要である松木玖生選手が不在で日本代表に選ばれたバングーナガンデ佳史扶選手も欠場。ベンチには長期離脱から戻ってきた青木拓矢選手と先週のルヴァンカップ第2節の京都サンガF.C.戦でプロ初ゴールを決めた18歳の熊田直紀選手が名を連ねた。

1stHALF—攻め込む場面を作るも決定打を欠く

お互いにボールを持ちながらサイドを起点に攻め込む時間と我慢して守備に回る時間のある前半だった。

東京は、3バックシステムを採用した2週間前のリーグ前節名古屋グランパス戦からシステムを従来の4-3-3に戻しスタート。中盤は小泉慶選手をアンカーに置き、インサイドハーフは塚川孝輝選手と寺山翼選手が務めた。

鳥栖とかみ合うような形となるなか、アダイウトン選手と仲川輝人選手の両サイドに入るとチャンスの予感はしたが、なかなか決定機を作り出すまでには至らない。

前半11分にはJ1リーグデビューとなった徳元悠平選手のフリーキックにアダイウトン選手が頭で合わせたが、シュートはミートせず、前半21分には中盤で寺山選手が粘り、仲川選手がシュートまで持ち込むも左足で蹴ったボールは枠を捉えられなかった。

反対に前半の半ばを過ぎたあたりからは鳥栖にボールを持たれる時間が増えてくる。それでも、前半23分にはコーナーキックから迎えたピンチを木本恭生選手がクリアし、前半30分に岩さき選手に打たれたシュートをヤクブ スウォビィク選手が懐に収めた。

前半終了間際には立て続けにゴールへと迫る。しかし、アダイウトン選手のカットインからのシュートはゴール上へと外れ、アディショナルタイムのカウンターはシュートで終わることができなかった。

2ndHALF—オープンな展開は予想外の結末に

先制点が欲しい東京は後半開始から寺山選手に変わって俵積田選手を投入し、システムも変更。右に俵積田選手、左にアダイウトン選手が入り、前線は仲川選手とディエゴ オリヴェイラ選手が並んだ。

ただ、それも効果的な攻撃にはつながらない。俵積田選手が二度ほど縦に仕掛け、右サイドを破るもゴールにはならず、後半も一進一退の展開になっていった。

均衡した状況を動かしたい東京は後半27分にディエゴ選手と塚川選手を下げ、ペロッチ選手と今シーズン初出場となる青木拓矢選手が登場。さらに後半37分には熊田選手がピッチに立ち、ペロッチ選手と最前線でツインタワーを組んだ。

しかし、その効果もあまり見られずに、終盤はオープンな展開に突入。両チームともに広大なスペースを生かしカウンターを打ち合ったが、ゴールは生まれることなく、スコアレスドローでの決着が見えてきた。

その矢先、後半45+5分にまさかの決着が待っていた。スウォビィク選手がリスタートを試みるも短くなったパスを移籍してきたばかりの河田選手にカットされ、そのまま蹴り込まれると、それが決勝点となりタイムアップ。対鳥栖の連敗ストップが見えていたが、勝点を持ち帰ることができなかった。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF長友佑都/木本恭生/エンリケ トレヴィザン/徳元悠平
MF小泉慶/寺山翼(後半0分:俵積田晃太)/塚川孝輝(後半27分:青木拓矢)
FW仲川輝人(後半37分:熊田直紀)/ディエゴ オリヴェイラ(後半27分:ペロッチ)/アダイウトン(後半37分:鈴木準弥)

SUBS
GK野澤大志ブランドン
DF森重真人

GOAL

<サガン鳥栖>
STARTING Ⅺ
GK朴一圭
DF山﨑浩介/田代雅也/坂本稀吏也(後半39分:樺山諒乃介)
MF福田晃斗/河原創/楢原慶輝(後半22分: 西川潤)/堀米勇輝(後半13分:菊地泰智)
FW長沼洋一/小野裕二(後半13分: 河田篤秀)/岩崎悠人(後半13分: 横山歩夢)

SUBS
GK内山圭
MF島川俊郎

GOAL
後半45+5分: 河田篤秀


[アルベル監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、戦線離脱している選手が多くいるなか、現有戦力とともに90分を通じて配置を色々と変えて、勝利をめざしてプレーしました。まず前半は4-3-3という形でプレーしましたけど、まだ寺山翼選手が若いということもあり、上手く機能しない部分もありました。後半は、4-2-3-1に変更し、それ以降、何度か決定的なチャンスを複数回は作れていたと思います。しかし、 そのチャンスをゴールにつなげられずとても残念に思います。そして最後は4-4-2という配置でプレーしました。

いま、戦線離脱している選手が多いなか、現有戦力とともにさまざまな形で、勝利をめざして90分間戦い続けました。そして試合終了間際、生身の人間ですからミスを犯すものです。そして、そのようなミスから失点して敗れたことは残念に思います。ただ、チームの総責任者である監督として、私はそのミスの責任を感じています。当然、ファン・サポーターのみなさんはチームが勝利しなかったことを残念に思われているかもしれません。私はその敗退の責任を監督としてしっかりと取りたいと感じています。我々にできることは、この敗戦からしっかり立ち上がり、次に向けてしっかり準備を進めるだけです。


[選手インタビュー]
<徳元悠平選手>


Q、J1リーグデビュー戦ですが、非常に落ち着いてプレーしているように見えました。
A、緊張することもなく、ルヴァンカップの時のようなプレーができれば大丈夫だと分かっていたので、すんなりと試合に入ることができて、90分間プレーできたことは良かったと思います。 

Q、アダイウトン選手と上手く、中と外を入れ替えながらプレーしている印象がありました。
A、アダイウトン選手の良さを知っているので、しっかりと話をして、たまに抜け出すようなことがあれば相手が崩れることは分かっていましたし、練習から通訳の飯野さんを通して分からないことは聞いていました。自分からも「俺はこうしたい」ということを伝えていたので、負けてしまったのですが、コンビネーションができたのは良かったです。 

Q、大卒プロ6年目でJ1リーグのピッチを踏めたことに感慨深さなどはありますか。
A、やってきたことは嘘をつかないということはプレーでも示せましたし、見ている方にも感じてもらえたと思います。引き続き、試合に出ている時も出ていない時も、根性強く続けていきたいと思います。

Q、だからこそ、勝ちたかった試合でしたね。
A、J1デビュー戦は一生残ると思うので、勝ちたいという気持ちはありましたが、連戦に突入するので東京が勝つためにいい準備をしたいと思います。

Q、怪我人も出てきており、メンバーがなかなか揃わないなかで、この現状をどう打破していきたいですか。
A、チャンスが巡ってきた人は、この試合が最後という気持ちでやらないと勝てる試合も勝てないと思います。常に出られる選手がいるわけではないと思うので、自分ももう次はチャンスがないという気持ちで試合に臨みました。そういう選手が増えれば、怪我人が帰ってきた時にスタメンの確約がないことで、緊張感も与えられると思います。もっと強い気持ちで、プレーで、背中で見せていきたいと思います。

Q、4月は連戦が多くなります。どのように調整していきますか。
A、試合を多くできることは幸せなことだと思います。試合で良くしていくことがベストですので、連戦を楽しんでいきたいです。

Q、後半に決定的な場面もありますが、シュートを打てるとよかったですね。
A、少しアイディアがなかったのか、もっと自分でいくシーンだったと思うので、たまには「自分で!」という姿勢を見せても良かったなと思います。


<小泉慶選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、勝点3を取りたかったです。自分たちがやりたいと思っている、ボールを保持して主導権を握るということを、逆に相手に保持され主導権を握られる時間が長くなってしまっていました。自分も含め、セカンドボールを拾うことができていなかったので、その部分でも負けてしまっていたと思います。ボールを受けた後に相手をかわすことができなければいけないと思います。最後の失点のシーンも、自分が顔を出せれば状況が変わっていたと思います。連戦で試合が続くので切り替えてやっていきたいです。

Q、試合前の選手紹介のタイミングでは拍手が響いていました。
A、1シーズン半という短い期間の在籍でしたが、ブーイングではなく拍手で迎えてくれたことは感謝しています。これからも対戦する時には、しっかりと挨拶できるように頑張りたいと思います。

Q、怪我人も多くメンバーが揃わない状況が続いています。
A、多くのことが重なっていますが、そのなかでも戦わなければいけないと思っています。自分も含め、このチャンスを掴むかどうかは自分次第だと思います。今日は結果が出なかったので、さらに危機感や責任感を持ってピッチに立たなければいけないと思っています。

Q、最低限、勝点1を取らなければいけない試合だったと思います。
A、勝点1を取らなければいけない状況でしたが、4月は試合が続くので、下を向く時間もないと思います。こういった試合の次の試合がより重要になると思います。落ち込みすぎても良いことはないので、改善する部分はしっかりと改善し、切り替えてやっていくしかないと思っているので、しっかりやるところはやっていきたいと思っています。


<青木拓矢選手>


Q、久しぶりにピッチに立っていかがでしょうか。
A、久しぶりに試合に出場することができて良かったです。これからもっと上げていきたいと思います。

Q、体力的にも厳しいところがあったと思います。
A、試合勘はまったくありませんでした。ただ、試合に出場しない限りは、試合勘が戻ることはないと思います。徐々に良くなっていくと思っています。

Q、試合は悔しい結果となりました。
A、東京がしばらく勝てていない相手なので、やはり勝ちたかったです。

Q、怪我などで選手が揃わない状況が続いています。
A、ピッチに立った選手が責任持ってプレーをしないといけないと思います。今の状況でも結果を残していかなければいけないと思っています。出場した選手が結果を残せるように、日々努力していきたいと思います。

Q、連戦でルヴァンカップもありますが、出場したいですか。
A、試合に出場しなければ、試合勘も戻らないと思うので出場したいですね。

Q、試合を楽しみたいと先日のインタビューでも言っていました。楽しめましたか。
A、今日ピッチに立てたということは、僕としてはとてもありがたいことだと思いました。次のルヴァンカップで出場することができれば、チームの力になりたいと思います。

Q、ファン・サポーターに一言お願いします。
A、結果を出すことが出来なかったことが、悔やまれます。ですが、ここからまたやっていけば良いことだと思っているので、チームとしても、個人としても上げて行くことが出来れば良いと思います。