3/8 C大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.3.08

3/8 C大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
3シーズンぶりの優勝を目指すルヴァンカップの初戦は、リーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ。

東京での公式戦デビューとなる野澤大志ブランドン選手がゴールマウスを守り、左サイドバックは加入後初出場の徳元悠平選手が入った。そして中盤はベテランの東慶悟選手に加え、大卒ルーキーの寺山翼選手と2種登録で16歳の佐藤龍之介選手で形成。前線はすでにリーグデビューしている俵積田晃太選手が初スタメンを飾り、右サイドにはレアンドロ選手が陣取った。

フレッシュなメンバーで大阪に乗り込んだ青赤が、重要な大会初戦に臨んだ。

1st HALF-若い選手が躍動してチャンスメイク

キックオフと同時に若き二人がピッチを駆け回る。インサイドハーフに入った寺山選手と佐藤選手がスイッチを入れ、流れをつかむと、前半9分にファーストチャンス。ゴール前で得たフリーキックをレアンドロ選手が直接狙うも壁に直撃した。

 さらに前半15分にもレアンドロ選手がシュート。敵陣でのパスカットからフィニッシュまでつなげた。

 その後は流れが両チームを行ったり来たりする。前半17分に決定的ピンチを迎えるが、加藤選手のヘディングシュートが枠を外れて難を逃れる。前半22分には俵積田選手が左サイドをえぐりマイナスのクロス。しかし、フリーのペロッチ選手が左足で合わせたボールは、ゴールを捉えきれなかった。

 前半25分には、俵積田選手が今度は際どいシュートを放つ。エリア手前でルーズボールを拾うとワントラップから右足で狙うも、ここはキム選手のスーパーセーブに阻まれた。

 終盤に入ってからもお互いに攻撃の姿勢は見せたが、決め切るには至らず。予定されていた2分のアディショナルタイムを回った中で迎えたセットプレーをしのいだところで前半終了のホイッスルを聞いた。

2nd HALF-多くのチャンスを作りながらも決め切れず

後半の最初に決定機を作ったのは東京だった。後半7分に木村誠二選手のダイレクトパスを起点にペロッチ選手、寺山選手とつなぎ、最後はエリア内でレアンドロ選手が巧みな切り返しを見せる。ただ、肝心のシュートがミートせず、ゴールから大きく外れてしまった。

それ以降はピッチ幅を広く使って攻撃を仕掛けてくるC大阪に主導権を握られてしまう。後半15分には、木本恭生選手、アダイウトン選手、荒井悠汰選手の3人を入れ、システムも変えたが、ゲームの流れをなかなか変えることはできなかった。

それでも、失点は許さぬまま後半も終盤に突入。後半35分には最後のカードとして野澤零温選手を最前線に投入した。その野澤選手が後半39分に魅せる。ボックス内で前を向くと、シュートまで持ち込んだ。続く後半40分には荒井選手が入れたクロスをレアンドロ選手がヘディングシュート。惜しくもゴールキーパーにキャッチされたが、ゴールに迫るシーンを立て続けに作った。

ところが、その直後に一瞬の隙を突かれてしまう。ロングボールを弾き返せずに二次攻撃を受けると、エリア内での反応も後手を踏み、後半41分に失点。難しい時間に先制点を許した。

アディショナルタイムにはコーナーキックからアダイウトン選手とエンリケ トレヴィザン選手に連続してビッグチャンスが訪れたが決めれず、0-1のまま試合は終了。チャンスの数では相手を上回りながらも決め切れず、逆に相手のワンチャンスに沈む悔しい敗戦となった。

これでチームは公式戦3戦勝ちなしで2連敗という状況。4日後に、味の素スタジアムで戦うリーグ第4節の横浜FC戦で勝利を期す。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF中村帆高/木村誠二/エンリケ トレヴィザン/徳元悠平
MF東慶悟(後半0分:小泉慶)/寺山翼(後半35分:野澤零温)/佐藤龍之介(後半15分:木本恭生)
FWレアンドロ/ペロッチ(後半15分:アダイウトン)/俵積田晃太(後半15分:荒井悠汰)

SUBS
GK児玉剛
DF鈴木準弥

GOAL

<セレッソ大阪>
STARTING Ⅺ 
GKキム ジンヒョン
DF松田陸/進藤亮佑/舩木翔/西尾隆矢
MF原川力/喜田陽/香川真司(後半18分:奥埜博亮)/中原輝(後半23分:毎熊晟矢)
FW上門知樹(後半35分:カピシャーバ)/加藤陸次樹(後半18分:レオ セアラ)

SUBS
GK清水圭介
DFマテイ ヨニッチ
MF阪田澪哉

GOAL
後半41分:カピシャーバ


[アルベル監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、試合に負けた後、特に終了間際に失点をして負けた後はもちろん辛い気持ちを持つのが当然です。選手たちにも伝えましたが、我々は今日、ルヴァンカップの勝点3を失いました。けれども、勝点を失いましたが、他に多くのモノを勝ち獲ったと私は思います。いま、なかなかリーグ戦でプレーチャンスに恵まれない選手たちが、しっかりとレベルの高い力を持っていることを証明してくれたことは大きかったです。そして、若手選手たちも信用に値する選手だとピッチで証明してくれました。だからこそ、試合に負けた後なので辛い気持ちはありますが、逆にポジティブな感情も沸き上がってきています。私は今日のように戦うチームを求めています。特にさらなる成長を目指し、ピッチで証明したいと思っている若い選手たちを求めていますし、特に後半は試合を支配する形で証明してくれたと思います。別の日には幸運に恵まれ、ボールがゴールネットを揺らして勝点3を得ることができると思います。

前半は拮抗した展開だったと思います。我々に複数チャンスがありましたし、相手にもありました。相手がうまく前進し、守備ブロックを下げてしまった時にはいくつか苦しむ状況もありました。けれども、後半は上回ったプレーをできていたと思います。複数のチャンスを作れていましたが、残念ながらボールがゴールネットを揺らすことはありませんでした。サッカーはそういうモノです。チャンスの数では上回っていたかもしれませんが、少ないチャンスで決めたセレッソが勝利し、勝点3を収めました。

私は、今日プレーした選手たちを誇りに思っています。このような難しい試合で素晴らしい選手がそろっているセレッソとの試合の中で、16歳の青年が素晴らしいパフォーマンスを見せたことを誇らしく思っています。若い選手が、素晴らしいスタジアムで、難しいプレッシャーの中で、素晴らしいパフォーマンスを見せたことを心から誇りに思います。18歳の俵積田選手も前半にサイドをえぐり、ペロッチ選手の決定的なチャンスにつながるラストパスを出していたことも誇りに感じます。後半に途中出場した18歳の荒井選手もサイドから良い形でチャンスを作っていて、彼のプレーも誇りに思います。そして寺山選手もスタメンでしっかりと活躍し、リーグ戦でも十分に戦えるレベルの選手だと証明してくれました。

リーグ戦で出場機会に恵まれていない徳元選手、木村選手、レアンドロ選手をはじめ、他の選手たちも良いパフォーマンスを発揮できると証明してくれたことも良いニュースだと思います。最後に出場した野澤零温も決定的なチャンスに絡むよいプレーをしてくれたと思います。勝ちに相応しい試合だったと思っていますが、負けました。その意味でも悔しい思いはあります。ただ、勝点3を失いましたけど、それ以外に多くのモノを勝ち獲ったとも実感しています。

Q、デビューを果たした佐藤龍之介選手について詳しい評価をお願いします。
A、佐藤選手は、FCバルセロナにいる選手を思い出させる特徴を多く持っていると思います。具体的に言うと、ボールが常に足に吸い付いたようにプレーする才能です。狭いスペースでもクオリティの高いテクニックを発揮できる選手だと思います。プレシーズンから練習に参加していますが、守備のアグレッシブさの改善を求めて来ました。今、その点の明確な改善が見られます。人工芝でのプレーに慣れているU-18に所属する選手が、このようなプロのプレッシャーがある試合において素晴らしいプレーをしたことを心から誇りに思います。東京のサポーターのみなさんは若手の活躍、成長を誇りに思ってくれていると思います。松木、熊田、俵積田、そして今日デビューした佐藤の活躍を誇りに思ってくれていることでしょう。


[選手インタビュー]
<野澤大志ブランドン選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、チームとして悔しい結果が続いています。チームとしてやろうとしていることに挑戦しているので、良い結果にしたかったです。

Q、これまでチャンスがあまりない選手が多く出場していましたが、試合前にはどのような話がありましたか。
A、自信と勇気をもって戦おうと話していました。今日はこれまで出場機会が少ない選手が多く出たので、なんとしても勝ってチームに勢いをつけたいと思っていました。

Q、試合としては一進一退の攻防が続き、無失点で抑えていたなかで、最後に失点しました。
A、ボールを持って攻撃するスタイルのチームでゴールキーパーに求められることは、90分の中で迎える数少ないピンチを集中して守り切ることだと考えています。今日はその役割が果たせなかったので、チームにすごく申し訳ない気持ちです。

Q、試合を通して、特徴である高さなど持ち味が出ていました。
A、その部分は継続してやっていきます。

Q、失点シーンを振り返ってください。
A、止められれば良かったです。出たからには僕が身体にボールを当ててボールを外に出すと東京の選手たちは思っていたので、ゴールカバーが遅れたと思います。あのシーンは、止まって冷静に処理できる場面だったので、その判断ができていれば状況が違ったと思います。

Q、個人的な技術面をみれば、リーグ戦でも出場できると思います。
A、自分の持っているものを信じています。求められているものは、高い質で一つひとつの判断することだと思っています。これからは、どれだけ自分が持っているものを出せるかが重要だと思っています。試合に出場する準備は常にし続けます。


<徳元悠平選手>


Q、移籍後初出場となりました。
A、楽しかったです。ポジショニングを内にとってプレーすることも楽しかったですし、こうやってプレーしていけばいいんだなということも改めて実戦を通してわかったので、リーグ戦に繋がるようなアピールを今後も続けていきたいです。

Q、一本ロングスローを投げてもいい場面もありました。
A、俵積田選手も止まってしまったので。あそこで走ることで相手センターバックが外に逃げてCKになったり、次のチャンスに繋がるという話はできました。俵積田選手も次は信じて走ってくれるだろうし、良かったと思います。

Q、キャンプで苦しんでいた立ち位置などの部分が今日は問題なくできていたと感じました。そこへの手応えはどうでしょうか?
A、前半よりは後半の方が相手の強度も落ちていたので、今だというタイミングで2、3本走ってその内1本はパスが出てきました。そこから野澤零温選手のシュートに繋がったので良かったと思います。
アダイウトン選手にも自分はスペースに走っているということは伝えたので、今後に活きると思いますし、たとえパスが出てこなくてもやり続けることが自分の良さだと思うので、続けていきたいです。

 Q、チームは最後に悔しい失点で敗戦しました。今後に向けての意気込みを聞かせてください。
A、しっかり守れなかった部分もありますが、やはり得点を取らないと試合には勝てません。それは前線の選手の責任だけではなく、全員がもっと緊張感を高くプレーしなければいけないと思いますし、この試合に勝って定位置を掴む、東京のためにやるという意識を一人ひとりが強く持ってプレーできれば得点は入ると思います。自分ももっと得点を取るためのプレーができたと思うので、自分にベクトルを向けてやっていきたいです。

Q、リーグ戦での出場に向けて一歩踏み出せたと思いますか?
A,思いますが、通過点だと思っています。自分のなかでは、焦らずルヴァンカップからという気持ちでやっていましたし、焦らず練習し続けた結果、リーグ戦の京都戦のメンバーにも入ることができました。 そういった姿勢がすべて繋がってくるので、若い選手たちに良い背中が見せられればいいと思いますし、出ている時だけ良い選手ではダメだと思います。良い年齢なのでチームのプラスになることだけを考えてやっていきたいと思います。


<佐藤龍之介選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、デビューできたことはとても嬉しいですが、勝ちを求めているなかで結果を残せなかったので「悔しいの」一言です。

Q、緊張しているように見えましたが、試合の入りはいかがでしたか。
A、緊張はそこまでしていませんでした。緊張していないわけではありませんでしたが、ファン・サポーターの方も多く来ていたので、ワクワクの方が大きかったです。このような環境で自分が試合に出られていることが、自分の自信にもつながりました。

Q、キャンプから徐々に自分のプレーを出して今日スタメンでの出場に繋がりました。
A、キャンプの時からルヴァンカップの初戦には出場したいと思っていたので、ケガ人などの影響もありますが、めざしていた試合に出られて素直に嬉しいです。

Q、これまで関わった指導者や両親には連絡しましたか。
A、お母さんと弟が試合を観に来ていました。コーチの方々からも「思い切ってやってこい」など励ましの言葉を多くいただいたので、思いきりプレーすることができました。

Q、今日の試合出場を今後どのように繋げていきたいですか。
A、出場した60分はこれまでのサッカー人生で一番濃い時間でした。この経験を次に繋げないといけないと思うので、FC東京U-18で活動するにしても、トップチームで活動するにしても、できなかったことをできるように取り組んでいきたいと思います。

Q、シュートやラストパスなどで特長を見せていたと思います。
A、レアンドロ選手にパスを出したシーンは自分でも打てたと思いました。決定的なパスやシュートができなかったのですごく悔しいです。

Q、同じピッチに香川真司選手もいました。佐藤選手とプレースタイルが似ていると感じますが、どのような存在ですか。
A、ずっとテレビで観ていて憧れの存在だったので、同じピッチに立ててこれ以上ない幸せでした。マッチアップするシーンもあり、すごく楽しかったです。

Q、公式戦デビューでしたが、中央など狭いスペースでプレーしていました。
A、僕の得意なプレーなので、落ち着いて前を向いて前進するドリブルを意識していました。いつも通りのプレーが、この試合でもできて良かったです。

Q、監督はFCバルセロナにいるタイプの選手だと言っていました。
A、監督も僕のボールコントロールを評価してくれていたので、その部分の信頼は失わないようにしたいです。監督が自分に求めていることを、ピッチで表現することはもっとできたと思います。

Q、まだ高校生ですが、フィジカル面の強化などは行っていますか。
A、キャンプで、今のフィジカルでは全然戦うことができないと感じました。そこから本格的にフィジカル面の強化を始め、今も継続しています。一度トップレベルの選手とプレーをした時に、自分もそこに行かなければいけないという気持ちが芽生えました。技術だけでは足りないので、フィジカル面や強度は今すぐ変えようと意識して取り組んでいます。

Q、これまでとは違うと感じることはありましたか。
A、今までより早いパスが来たり、パスを出したいところに走ってくれるなど、やりやすさは感じています。

Q、アカデミーの試合よりも周りに頼りながらプレーできるところもあるのではないですか。。
A、多少はあります。きついパスを出しても納めてくれるだろうと思う部分はあります。

Q、昨シーズンやFC東京U-15むさしに所属していた時は、無観客の試合が続いていました。今日は多くの観客に囲まれていましたがいかがでしたか。
A、最高に気持ちよかったです。これまでは多くても4千人ぐらいの観客での試合しか経験していなかったので、今日は1万人を越えていたと聞きました。これ以上にない会場で試合ができたと思っています。

Q、龍之介コールが響いていましたね。
A、すごくよく聞こえました。味の素スタジアムでの試合にも出場できるように、帰ってからも練習を頑張ります。


<野澤零温選手>



Q、惜しいシーンもありましたね。
A、決まったと思いましたが、感覚もすごく良かったので悔しいです。

Q、ボールを持った瞬間にゴールを狙おうと思いましたか。
A、少し迷いましたが、目の前のディフェンダーが左に寄っていたので、シュートを打とうと思いました。打った瞬間は入ったと思いましたが、甘かったです。

Q、期限付き移籍からの復帰後、公式戦初出場でしたが、どうでしたか。
A、復帰後はキャンプからもあまり練習試合に出られていなかったので、今回のメンバーに選ばれたことに驚きはありました。ただ、自分のなかでは、毎日の練習や練習後の自主練で日々の積み重ねができていたので、結果に繋がらなかったのは残念で悔しいです。まだまだ、積み重ねが足りていないからだと思います。

Q、ベンチにいて、交代で早く出場させてくれという想いはありましたか。
A、そうですね。交代の時間帯としては残り時間が少なかったかもしれませんが、自分のなかでは公式戦の出場機会が0分ではなく、15分ももらえたというのが大きいと感じていて、ワクワクしていたし、試合もとても楽しかったです。ただ、フォワードとして出場したからにはゴールを決めたかったです。

Q、守備の部分では特長を出すことができましたか。
A、守備に関しては、あまり良い手応えは感じていません。もっと前から守備にいけた部分もありましたし凡ミスもあったので、自分がチームに必要とされている理由を考えると、特長をもっと出さなければ、生き残っていけないと思っています。