9/18 京都戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.9.18

9/18 京都戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
新国立競技場で2度目となるホームゲームは、京都サンガF.C.を相手に迎えて、約1500発の花火と炎、ムービングライトやレーザーによる壮大な演出の中、両チームの選手が聖地・国立のピッチに姿を現した。

東京は前節から中盤と前線の選手を入れ替えた。アンカーには東慶悟選手が入り、インサイドハーフは塚川孝輝選手と松木玖生選手がコンビを組んだ。前線は紺野和也選手に代えてレアンドロ選手をスタメン起用。紺野選手が試合メンバーから外れ、三田啓貴選手がサブメンバーに入った。

1st HALF-レアンドロのゴラッソで先制する
序盤からボールを保持する東京は、長短のパスを織り交ぜて京都を自陣に押し込む。前半13分には、レアンドロ選手のパスを受けたバングーナガンデ佳史扶選手がドリブルで持ち出した後にスルーパスをペナルティエリア内に通すとレアンドロ選手が抜け出してシュートを放つが、ポストにはじかれた。

ボールを保持する時間が続くものの、フィニッシュ手前のプレーがずれてなかなか決定的なチャンスに持ち込めない。相手をどう崩していくか、試行錯誤が続くかに見えたが、前半28分に試合を動かす。

森重真人選手が左サイドのスペースにループパスを通すと、相手陣内深い位置で佳史扶選手がボールを受ける。内側のスペースに飛び込んできたレアンドロ選手に横パスを通すと、ペナルティエリアの左角からレアンドロ選手が右足を振り抜く。カーブがかかったシュートは、クロスバーと左ポストに当たってゴールに吸い込まれた。


その後は、サイドを起点にする京都に押し込まれ、セットプレーも含めてゴール前にきわどいボールを入れられるシーンが続く。ボールを保持し直すことも押し返すこともできずにいたが、ペナルティエリア内をしっかりと固めて耐え、リードを守って前半を終えた。

2nd HALF-三田選手のミドルをきっかけに追加点
前半終盤に押し込まれた流れを変え、今一度ボールを保持して主導権を握りたい東京は、前線からの連動したプレスも効いて京都陣内に入っていく。後半9分にはペナルティエリアに入ってすぐの位置で松木選手がポストプレーで起点になると、回り込んできたディエゴ オリヴェイラ選手にヒールパスを通す。ゴール左斜め45度の位置から放ったレアンドロ選手の左足のシュートは相手ゴールキーパーが手を伸ばしてはじき出した。

立ち上がりのチャンスをモノにできないでいると、徐々に京都に押し込まれる場面が目立ち始める。相手が縦に速いボールを入れて速攻で押し込んでくるが、東京はボールを奪って落ち着いてつないで試合の流れを変えようとする。相手が前がかりになっている場面ではカウンターを狙い、状況に合わせて攻撃に変化をつける。

後半31分にはゴール前に押し込まれると、グラウンダーのクロスボールを通されるも、ゴール目前で合わなかったボールがファーサイドに流れ、そこに相手選手がフリーで飛び込んできたが、バウンドが変わったボールをミートできずにことなきを得た。

ピンチの後にチャンスあり。その直後の後半33分、カウンターから右サイドで三田選手が仕掛けてミドルシュートを打つと、相手ゴールキーパーがはじいたボールをゴール前に詰めてきたアダイウトン選手が詰めて大きな追加点を手にする。


後半37分には相手ゴールキーパーのクリアミスをアダイウトン選手が拾うと、無人のゴールを狙ってループシュートを打ったが、必死に戻った相手ディフェンダーにゴールライン手前でクリアされた。

終盤に入ると、京都が勢いを持って前に出てくる展開。東京は2点のリードを持ち、アディショナルタイムも含めて攻め急がずにボールをコントロールし、無失点で試合を締めくくった。

2020シーズンのルヴァンカップ決勝、そして4月29日に国立競技場でゴールを決めた2選手が三度国立競技場で試合を決めるゴールを挙げ、東京に4試合ぶりの勝点3をもたらした。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF長友佑都/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶(後半31分:中村帆高)
MF塚川孝輝(後半31分:三田啓貴)/東慶悟/松木玖生
FW渡邊凌磨(後半45+2分:山下敬大)/ディエゴ オリヴェイラ(後半24分:ルイス フェリッピ)/レアンドロ(後半24分:アダイウトン)

SUBS
GK波多野豪
DF木村誠二

GOAL
前半28分:レアンドロ/後半33分:アダイウトン

<京都サンガF.C.>
STARTING Ⅺ
GK上福元直人
DF麻田将吾/白井康介/井上黎生人
MF武富孝介(後半4分:福岡慎平)/武田将平(後半23分:金子大毅)/松田天馬(後半12分:パウリーニョ)/川﨑颯太/佐藤響
FWピーター ウタカ(後半0分:木村勇大)/豊川雄太(後半23分:アラン カリウス)

SUBS
GK若原智哉
DF本多勇喜

GOAL


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、今日の試合に関しては、前後半で流れが変わらず、90分を通じて同じ流れが続いていました。J1リーグにおいてもっともインテンシティの高いチームのひとつが京都です。そうした相手に我々は良いバランスを保つことをめざして戦いました。我々も激しくプレスにいくとともに、しっかりと我々のスタイルであるボールを保持することのバランスをとることに取り組みました。実際に我々が良いバランスを保てていたと思います。

1週間前のガンバ大阪戦においては、我々がボールを何度も失ってしまい、リズムを掴めませんでした。前節のヴィッセル神戸戦では、逆にプレスができずに守備の激しさを失っていました。特に前後半の最初の20分、京都が激しくプレスに来るというのを予想していました。そのプレスを受けながら、我々は先ほどのバランスを上手くとっていたと思います。

今シーズンのJ1リーグはとても拮抗したリーグになっています。上位チームが下位チームに苦しみ、負けることも多くあります。そういう意味でも、このリーグにおける勝点というのはとても価値が高いものだと思います。

数か月前にこの国立競技場でプレーした際には、試合の終盤に残念ながらエンリケが怪我をしてしまい、今日の試合では森重が4枚目の警告を受けて次節出場停止となってしまいました。センターバックに関しては、この競技場では幸運に恵まれていない部分があるかもしれません。

そして今日、5万人を超えるお客様にお越しいただきました。この素晴らしいスタジアムでみなさまに見守られながら試合をするというのは、誰もが願うこのクラブが将来あるべきものだと感じました。

明日から中断期間を挟んで、またリーグ戦を戦います。今いるメンバーとともに残り5試合で引き続き成長して、戦っていきたいと思います。当然、すべての試合に勝つことはできません。ときには負けることもあります。負けた際には怒りを覚える方々もいると思います。ただ今シーズン、選手たちはとても大きな変化に適応しようとしていることを忘れてほしくありません。昨シーズンまであまりやってこなかったプレーを、私は選手たちに高いレベルで求めています。それは彼らにとって決して簡単なことではありません。複数の選手は年齢を重ねたベテランです。たとえば森重、東、長友、そしてディエゴのような年齢を重ねてきた選手たちが、しっかりと前向きに変化に適応してくれていることに感謝したいと思います。たとえば、長友が中央に入ってきてプレーするということも、しっかりと適応して学んでくれています。彼らの謙虚な姿を私は誇りに思います。一方で若い選手、佳史扶や玖生のようなプロとしてスタートしたばかりの選手が、このスタイルとともに成長している姿も誇りに思います。


[選手インタビュー]
<レアンドロ選手>

Q、久しぶりの先発出場となりました。
A、スタメン復帰できたことはうれしく思いますが、自分がいちばん嬉しかったのは、今日勝利できたことです。

Q、勝利に導くゴールを決めることができました。あのシーンを振り返ってください。
A、カシーフからパスが出たタイミングで、ディエゴから「フリー!」という声が聞こえてきたので、前を向いてトラップした時点でゴールをイメージして右足を振り抜きました。決められることができてよかったです。

Q、コースは狙いどおりですか。
A、狙いました。

Q、ゴール後のハートマークのパフォーマンスについて教えてください
A、チーム全員で喜びを分かち合うためにベンチの方に向かっていきました。

Q、国立でまた決めました。
A、そうですね。毎試合ここでやらないといけないと僕は思っています。(笑)スタジアムの雰囲気も好きですが、国立でやる時は多くの観客のみなさんが来てくれるので、それが自分の力にもなっています。

Q、5万人の観衆の中でプレーしてみていかがでしたか。
A、多くの観客の中でプレーできたことはチーム全員が嬉しく思っています。多くのみなさんがスタジアムへ足を運んでくれたことが選手のモチベーションを上げてくれて、今日の勝利に繋がったと思います。


<アダイウトン選手>

Q、まずは国立での2-0完封勝利おめでとうございます。
A、ありがとうございます。

Q、5万人を超える観衆の中でのプレー、今日の90分を振り返ってください。
A、今日の試合が始まる前から、難しい試合になると把握していました。90分通して厳しい試合になる状況のなか勝ちで終えられたこと、このスタジアムで多くのファン・サポーターの前で勝利できて、みなさんと喜びを分かち合えたことを嬉しく思います。

Q、前半ベンチではどのように試合を見ていましたか。
A、絶対に勝ちたいという気持ちが表れていたなかで、良い立ち上がりで試合に入ることができた上に、しっかり球際も戦えていて、先制点とることができたので、相手の背後のスペースができてそこをうまく使えていた印象です。

Q、どんな思いを持って後半ピッチに立ちましたか。
A、自分が呼ばれたときにチームに貢献したいという気持ちでピッチに立ちました。やはりゴールというのが、目に見やすい形なのでゴールを決めたいと思っていたなかで、しっかり決められたことはすごく嬉しく思っていますし、勝利で終えられたことを嬉しく思っています。

Q、今日の出場でJ1リーグ通算200試合達成となりました。
A、200試合達成ということで、すごく嬉しく思っていますし、数多くの試合を積み重ねてきたなかで、この結果を達成できたことはすごく嬉しく思っています。これからも多くの試合を積み上げていろんな結果を残していきたいと思います。

Q、どのぐらいまでいきますか。
A、具体的な数字はないですが、もちろんピッチ内だけでなく、ピッチ外でもしっかり自分の体と向き合いながら、常に良いコンディションを保ちながら、できるだけ多くの試合に出場する。そこに尽きると思います。

Q、常に支えてくださっているファン・サポーターのみなさんにメッセージをお願いします。
A、常にファン・サポーターのみなさんには支えてもらっていて、みなさんの声援に自分たちは力を貰っているので、これからもスタジアムに足を運んで自分たちを応援して欲しいと思っています。そして、足を運んでもらっている以上、その期待に応えられるよう自分たちもやっていきたいと思います。


<東慶悟選手>

Q、5万人以上のお客様が来場した試合となりましたが、いかがですか。
A、選手としてこの環境でプレーができることはとても幸せです。4月の国立競技場での試合では自分はメンバーに入れず、ピッチの上から悔しい思いをしました。今日プレーができて勝利に貢献できたことは選手として非常に嬉しく思います。

Q、試合終了のホイッスルが鳴ったときのガッツポーズが印象的でした。
A、色々な思いで今年はスタートしました。ピッチ内では選手がプレーで証明しなければいけないので、国立競技場で大人数の前で色々な思いをもってプレーをすることができ、それが表現できて良かったです。

Q、アウェイが2試合続き厳しい連戦だったと思いますが、勝利で締めることができたことについてはいかかですか。
A、どのチームにも連戦はあるので言い訳はできませんが、勝点を拾わなければいけません。まだまだ上がある中で、チームがスタジアムを借りてくれて人数を集めてくれたことに選手は応えなければいけないと思います。この環境でモチベーションが上がらない選手はいません。ただ、このような環境ではなくても1試合は1試合なので、全ての試合においてモチベーションを高く、勝点を拾わなければいけないと思うので、また次の試合も今日のような情熱と責任をもちながらプレーをしたいです。

Q、ピーター ウタカ選手に自由にプレーをさせないことに気を配っていたと思います。センターバックの選手とコミュニケーションをとりましたか。
A、ボールを取った後に素早くウタカ選手を見てカウンターを仕掛けてくるのは、京都の特徴だと思います。その点に関して、自分を含め、森重選手、木本選手を中心にみんなで京都の切り替えを素早く抑えられたと思います。

Q、そのようなプレーで前半からペースを握れたのではないでしょうか。
A、後ろのリスク管理、前からの切り替えが早くできたところが今日は良かったと思います。これを基準として続けていきたいです。

Q、今年はボールを繋ぐことが大きなテーマとなっていると思いますが、深い位置からゴール前まで運べていたり、良い場面が増えている印象を受けます。実際にプレーしていていかがですか。
A、もちろんできないシーンもありますが、チャレンジして自分たちがめざしているものを続けながらも、勝負にはこだわらなければいけません。ボールを繋ぐことは多少のリスクがありますが、それを背負いながら続けるのか、それとも回避するのかは選手の判断だと思うので、今日はそのバランスが良かったと思います。


<渡邊凌磨選手>

Q、神戸戦からどんな修正をして臨みましたか。
A、試合の立ち上がりで前から守備に行くことや、技術的な面よりも勝ちたいと想う気持ち、神戸が終わってから修正したところはそういうところです。

Q、自分たちから主導的にできたことで、前節のような受け身にならずに積極的な姿勢で試合ができたのでしょうか。
A、そうですね。前線から行ってはがされたところを修正するほうが僕らのサッカーでは成り立つし、前から相手のボールを奪ってからショートカウンターできたことで得点がとれたので、そういうところを増やしていければと思います。 

Q、1点目から2点目まで時間がかかったと思いますが、試合をコントロールできている感覚はありましたか。
A、失点する感覚はなかったのである意味ではコントロールできていましたが、もっとボールを保持できたと思います。それは次の鹿島戦に修正できればと思います。本当に勝ちが欲しかった試合だったので勝ててよかったです。 

Q、3連戦かなり湿度の高い試合でしたがいかがでしたか。
A、水分補給は前日から意識していました。足がつりそうになった試合もあり、コンディション不足で走れないのが自分的には一番悔しいので、そこはトレーナーと相談しながら調整できたので、ほぼ3試合フルで戦えたのは良かったです。

Q、選手同士でポジションを考えながら試合ができたということでしょうか。
A、前線から守備にいくと誰がそのポジションをカバーするのかが重要になりますが、そこをみんなでカバーできていることが大きいかと思います。


<長友佑都選手>

Q、試合の感想をお願いします。
A、前節の神戸戦では前から行くことができず、チーム全員で話して、アグレッシブに戦って自分たちのポゼッションを活かした攻撃を前半からできたのが、今日の結果に繋がったと思います。

Q、今日の勝利で気持ちよく代表に行くことができますね。
A、勝利は大きいです。今日は、5万人以上のファン・サポーターが応援に来てくれたなかで勝利できたので、気持ち的にもよい状況で代表に行くことができます。

Q、W杯を担当する予定の山下良美さん(主審)がJ1で初の担当試合となりましたが、いかがだったでしょうか。
A、僕が偉そうに言うことではないですが、素晴らしいレフリングでした。初めてとは感じない堂々としたコントロールをして下さっていました。試合が荒れなかったのはレフリーのおかげだと思います。

Q、初めての担当ということでしたが、協力しようなどのお話はされていましたか。
A、試合前には監督からも初めて担当する審判であることは話がありました。サポートという言葉が正しいかはわからないですが、みんなで試合を作ろうと話がありましたので、サポートできたとおもいます。

Q、サポートとは具体的にどういったことでしょうか。
A、サポートとは言っていますが、ジャッジによって気持ちが熱くなってしまうことがあるので、感情のコント-ロールをして審判と一緒に試合を進めるという気持ちです。

Q、国立競技場で行われた、試合でクラブとしてホームゲーム最多の50,994人のご来場者数となりましたが、特別な雰囲気でしたか。
A、やはり、特別です。代表の試合では4万人や5万人と入ることはありますが、Jリーグの試合で5万人を越えるということはなかなかないことなので、FC東京だけではなくJリーグの発展を考えても素晴らしいことだと思います。