9/14 神戸戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.9.14

9/14 神戸戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
大阪でのスコアレスドローから、中3日。東京は再び関西の地で、難敵と相まみえた。
順位は下位に沈むが、個人能力の高い選手たちが揃うヴィッセル神戸。相手の前線には、言わずとしれたかつての仲間、武藤嘉紀選手もいる。盟友・森重真人選手との対峙は、この試合のホットポイントだった。

東京は、前節・ガンバ大阪戦の序盤で散見されたボールロストの多さを修正・改善できるか。さらに神戸は現在、プレー強度を高め、縦に速いサッカーに変化してきている。ボールを大事にすることともに、強度で負けないことはアルベル監督が常に口にする重要部分でもある。球際の勝負でも東京は競り勝てるか。そこもポイントだった。

1st HALF――立て続けに2失点を喫し、苦しい展開に
東京の基本布陣である4-3-3に対して、神戸は同じシステムをぶつけてきた。自ずとピッチ上の各ポジションで1対1の局面が多くなる。東京はマイボールになれば、例えば右サイドでは紺野和也選手がワイドに目一杯幅を取り、その内側のハーフスペースにサイドバックの長友佑都選手が走り込む。また左ウイングの渡邊凌磨選手はこの日も流動的な動きで中央に進出し、敵を撹乱しようとする。

ただ、これはいずれも敵陣にボールを運び込めた場面でのこと。この試合も序盤から神戸の高い位置からの守備を、東京はうまく交わせない状況が続いた。

前半11分、神戸の右サイドバック飯野選手のクロスに木本恭生選手が一度は競り勝つも、フィフティボールとなった浮き球を東京は足元に収められない。ペナルティエリア外にかき出されたボールに紺野選手が反応するも、直前で酒井選手に奪われると、その勢いのまま神戸にパスを繋がれ最後は山口選手に強烈な右足のミドルシュートを決められてしまった。

東京は前半20分に最初のチャンスが。右サイドで紺野選手がドリブルキープから安部選手にボールを託し、そこから逆サイドに顔を出したバングーナガンデ佳史扶選手にラストパス。攻め上がった左サイドバックが利き足とは逆の右で放ったシュートは、クロスバーを越えた。

少し東京がリズムを掴み始めたところで、手痛い2失点目を喫してしまう。前半25分、相手の右コーナーキックから汰木選手のキックに菊池選手に豪快なヘッドでゴールネットを揺らされた。セットプレーからの被弾、しかも森重選手と木本選手の頭上から決められた一発は痛恨だった。

前半38分には中盤で相手パスをカットしてからショートカウンターを発動。複数選手が絡んだ形から紺野選手がシュートを打ったが、これは決まらず。東京は攻撃時にミスが散見する場面も多く、ビハインドを負ったまま45分を終えた。

2nd HALF――相次ぐカード投入も、レアンドロ選手の1点止まりに
後半、アルベル監督は開始から東慶悟選手とアダイウトン選手を投入し、中盤には安定したパス出しで落ち着きを、前線には推進力と打開力を加えて反撃に出る。

後半4分には、早速アダイウトン選手が力強く前を向き、右足ミドルを放ち口火を切る。東選手が左右にボールを展開し、松木玖生選手や渡邊選手も前半より高い位置でパスを受ける機会が増えていく。

アダイウトン選手は後半20分にも豪快にミドルシュートを狙い、神戸ゴールに迫る。さらに1分後には右コーナーキックから森重選手がニアサイドで競り勝ちヘディングシュート。しかし、これは惜しくもポスト右外に逸れていった。

ここでルイス フェリッピ選手とレアンドロ選手が交代で入り、攻撃意識に拍車をかける。東選手のパスの配給力がさらに生き、渡邊選手が味方をつなぐ中継点になっては、前線ではテクニックとパワーを持つ外国籍選手がゴールに向かう。徐々に両チームが間延びする時間帯に入る中で、東京の攻撃力が発揮される展開かに見えた。

ところが、前節も課題に挙げられた自陣でのビルドアップが、ここでも自分たちの首を絞めることに。後半31分には木村誠二選手が入り3バックにシステムを変更したが、終盤まで自陣でのパスミスが何度も起きるなど、前の攻撃陣の特長を最大限発揮することができず。後半44分にレアンドロ選手が一矢報いるゴールを奪ったが、5分間のアディショナルタイムを生かすことはできずにタイムアップとなった。


ボールを保持し、相手の出方を見ながら適切な立ち位置をとり、攻めていく。アルベル監督がめざすポジショナルプレーは、指揮官曰く「時間が必要な取り組み」であることは間違いない。この試合も目指す方向性は垣間見えたが、敵のプレスの標的になり効果的にボールを繋いでいけない現状に、東京はジレンマを抱える。

精一杯戦ったが、笑顔はなし。選手たちの表情が、直面する現実の難しさを表していた。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF長友佑都/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶(後半31分: 木村誠二)
MF塚川孝輝(後半21分: レアンドロ)/安部柊斗(後半0分:東慶悟)/松木玖生/
FW渡邊凌磨/ディエゴ オリベイラ(後半21分: ルイス フェリッピ)/紺野和也(後半0分: アダイウトン)

SUBS
GK波多野豪
DF中村帆高 

GOAL
後半45分:レアンドロ

<ヴィッセル神戸>
STARTING Ⅺ
GK飯倉大樹
DF飯野七聖(後半32分:初瀬亮)/菊池流帆/マテウス トゥーレル(後半26分: 小林友希)/酒井高徳
MF山口蛍/大﨑玲央/小林祐希(後半26分:郷家友太)/汰木康也
FW佐々木大樹(後半9分:山川哲史)/武藤嘉紀(後半32分: 藤本憲明)

SUBS
GK前川黛也
MF扇原貴宏 

GOAL
前半11分:山口/前半25分:菊池


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、最初の前半20分、戦術的な部分でしっかりとプレスできず、戦う姿勢も足りずに相手に主導権を握られてしまいました。われわれが期待していた形ではありませんでした。やはりボールを持つところだけではなく、守備のプレスも両立しなければ、期待するプレーは表現できません。前節では試合のスタート時にボールロストが多く、なかなかいいプレーができませんでした。そのような課題がありましたが、今日はスタートのところで別の課題、プレスのところでの課題が出てしまいました。2失点した後、当然相手は勝点3を勝ち取るために戦っていたわけで、一方われわれは0-2の状態から試合を持ち直さないといけない状況になってしまいました。時間を追うごとにいいプレーができるようになりましたが、リアクションするのが遅かったと言えると思います。今日は戦術以上に戦う姿勢のところに課題がありました。相手は残留争いの状況にいることで、是が非でも試合に勝ちたいという気持ちを表現していましたが、われわれはそれに見合う戦う姿勢を表現できていませんでした。その後、戦術的にいろいろ修正してより良いプレーを引き出すようにして、少しは機能していたと思います。


[選手インタビュー]
<レアンドロ選手>

Q、終盤素晴らしいゴールがありました。少々反撃が遅かったと感じますか。
A、立ち上がりに2失点してしまい。0-2の状況から長い時間を戦わないといけないという試合でした。1点を取るというのが非常に難しい試合でした。

Q、今シーズンも6試合となりました。改めてどのようなプレーを見せていきたいですか。
A、残りの試合全て勝つつもりで臨みます。

Q、今日はアウェイでしたが、声出し応援可能の試合でした。ファン・サポーターの応援が聞こえてきましたか。
A、アウェイでしたが、ここまで足を運んでいただき、心から感謝しています。スタンドの声援は私たちに届いていますし、その声援が今後も私たちを強くしてくれると思います。


<東慶悟選手>

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、ベースの所というか、根本的なところで相手を上回らないといけないですし、どのようなサッカーをするにしてもそこは大切なことだと思います。アウェイの連戦で、難しいところはあるにせよ、もっとやれることはあると感じていますし、そのような部分を変えたくて後半に臨みました。もっと内容が良くなれば良かったですが、後半1点返しましたが、結果は残念です。

Q、1点返すのが遅かった。といった感じでしょうか。
A、はい。“たられば”になりますが、前半の失点を1つで抑えるとか、難しい状況でも最後の部分を相手にやらせないとか、そのようなことが勝点を重ねるにあたって重要なことだと思います。めざすスタイルとか関係なく、そこはやっていきたいです。

Q、前半はアンカーの横のところを狙われているような印象がありました。
A、後半、相手は2点取っている状況で、戦い方は前半と違ってきました。後半はやれた部分もあり、選手全員で共有して次に臨みたいと思います。

Q、中3日でまた試合が来ます。
A、次は国立の試合ということで、クラブ全体で盛り上げていこうとしているので、もう一度気持ちが入った試合をしないといけないですし、どんなサッカーでもプレスの部分ややるべきことは変わらないと思います。そこをやらないと話にならないので、全員で話あって、ベテランの自分たちが引っ張っていって、モチベーションの部分も含めて高めて、もっともっとやっていきたいと思います。


<松木玖生選手>

Q、試合を振り返ってみてください。
A、入り方の悪い試合をしてしまって、監督からもその点に指摘がありましたし、僕たちも納得していない前半だったので、とことん前線からプレスをかけてゴールを狙いに行こうと話しました。

Q、1点奪いましたが反撃が遅かったと思います。
A、そうですね。サイドを攻略してからの3人目の動きができていれば、相手も違う立ち位置をとっていたと思いますし、もっとゴール前での質を高めていかなければいけないと思います。

Q、前線への動き出しもガンバ戦に比べると増えたと思いますが、ゴールまでもう少しだと思います。
A、そこは引き続き改善しないといけないですし、残り少ない試合のなかで上位が狙える位置でもあるのでしっかり練習から改善していきたいと思います。 

Q、連戦ということもありコンディション調整が難しかったですか。
A、コンディションを言い訳にする選手はいないと思います。次の試合に勝てるようにベストなコンディションをつくっていきます。

Q、監督はプレスに課題があると言っていました。
A、色んなずれが前線でありましたし、監督が意図しているプレスの方法と実際の試合をやっている自分たちのプレスのやり方だと少し異なるところもあったので、後半はより前線からプレスをかけることができたのですが、それを前半からできれば良かったです。


<木村誠二選手>

Q、外から見ていて。また出場してトータルで振り返ってどう感じる試合でしたか。
A、ハーフタイムに監督が「球際で戦えていない」と言っていました。戦術以外の部分で神戸に上回られてしまったということが前半の印象でした。普段のトレーニングや他の試合ではもっとやれる選手が集まっているということがわかっているからこそ悔しかったです。
後半は球際で戦うことができるようになったと思うし、失点もありませんでしたし、1点も取り返すことができました。気持ちの部分はそういうところに出てくると思うので、全員が試合の入りからそういう部分を見せていかなければいけないと改めて感じました。

Q、後半からの途中出場となりましたが、どんなことを意識して試合に入りましたか。
A、最近練習のなかでも3バックをやることがあって、ビルドアップ時の立ち位置や、守備の時の確認など色々できたので、そこは意識しながら試合に入りました。
戦術ではない部分で、立ち上がりのプレーのところで、松木選手につけるところ、長友選手へのロングボールがミスになってしまったこの2本に関しては、個人のクオリティの部分なので、そこはもっと自分自身レベルアップして、途中出場でも最初から通すことができるように準備していかなければいけないと思います。

Q、相手は前から圧力をかけてきていましたが、プレッシャーは感じましたか。
A、プレッシャーは感じますが、普段のトレーニングからあれくらいのプレッシャーでやってないかと言われるとそんなことは無いので、もっと距離感を良くして、パスコースを作ることをやるだけで全然戦うことができる状況だったと思います。そこはもっとイメージの共有をしていかなければいけないと感じました。 

Q、次は国立競技場での試合になります。次の試合に向けて意気込みを聞かせてください。
A、僕自身、連戦のどこかでチャンスがあると思っていますし、そこは常に準備をしています。それがもし次に回ってくるのであれば普段からやっているプレーをすべて出すだけです。ここ数試合勝利できていないので、チャンスが回ってきた時にゼロに抑えてチームを勝利に導くことができれば、僕をスタートから使うという選択肢が強くなってくると思うので、そこは常に狙いながら、今後も準備を続け、勝ち取りたいと思います。


<紺野和也選手>

Q、サイドで起点をつくるシーンが多かったように思いますが試合を振り返ってください。
A、試合が始まったところでもう少し積極的に前から守備にいくべきだったと思いますが、なかなかはまらず、そこから少し引いてしまってそこでやられてしまいました。そこは改善していかなければいけません。
自分のところで起点をつくってチャンスをつくるシーンもありましたが、相手も対策をしてきているので、自分で仕掛けることと味方を使うパターンをもう少し増やせれば攻撃の幅が広がると思います。

Q、蒸し暑い天候で難しさはあったと思います。
A、関西独特の蒸し暑さはありましたが、そこは言い訳にできないです。そこは関係なく、最初からいこうとみんなで話していたのですが、途中で前からいけなくなってしまってから2失点したことでゲームを難しくしてしまいました。

Q、相手は前から積極的に守備にきていました。
A、ビルドアップがいつもよりスムーズにいかず、そこは改善しなければいけません。まだ映像を見ていないですが、しっかり見直してどうすべきだったかを話し合って次の試合に臨みたいと思います。

Q、次節は国立で京都戦です。
A、国立で試合することはなかなかないですし、多くのファン・サポーターが来てくれると思うので、しっかりコンディションを整えて、相手の対策もして、練習からすり合わせて次はしっかりと勝ちたいと思います。


<森重真人選手>

Q、試合を振り返ってみて守備の部分でいかがでしたか。
A、後ろに重たくなりすぎていたと思います。試合前から話していた部分でアグレッシブにいくことがほとんどできませんでした。ちょっとした意思統一だと思うので、そこは改善の余地があると思います。

Q、守備の点で気をつけていたことは何でしょうか。
A、アンカーの横を使われたくなかったので最初は少し後ろを気にしながら、と試合前は話していたのですが、それだと勢いが守備にでないので、そこは気にしないで何回か使われても良いから前に奪いに行くということを、中盤の選手と話して臨みました。 

Q、なかなか前からいけなかったように見えます。
A、清水戦もそうでしたが、中盤2枚の後ろを気にしすぎると前線からの守備という自分たちの良さもなくなってしまうので、そこは改めて今日実感しました。それを踏まえたうえで残りの試合でどう戦うかを考えてやっていきたいです。