INTERVIEW2022.7.29

7/30 広島戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<マッチプレビュー>
日本代表の活動による中断期間を挟んで、J1リーグが2週間ぶりに再開する。東京はアウェイゲームでサンフレッチェ広島との対戦。広島は現在6位で、勝点3差で7位の東京にとっては、順位の近い相手との直接対決だ。これからシーズンが佳境に入っていくにあたり、上位争いに食い込んでいくには、順位が近い相手との一戦での勝利は大きな意味を持つ。

前半戦の対戦は、東京にとって2022シーズンのホームゲーム初戦という舞台だった。広島は今シーズンから指揮を執るミヒャエル スキッベ監督が来日して日が浅く2試合目。指導をスタートさせて日が浅いにもかかわらず、広島の戦いにはスキッベ監督の色が濃く反映されていた。

試合開始と同時に前線から激しくプレッシングしてくる広島に対して、東京はビルドアップが思うようにできずに押し込まれる時間が続く。後半に入ってセットプレーから森重真人選手のゴールで先制し、その1分後にも追加点を奪った。試合終盤にかけて広島の猛攻を受けたが、反撃を1点に抑えて東京が勝利した。

前半戦の対戦時に比べて試合数も重ねており、広島の戦術はより研ぎ澄まされているはずだ。一方で、東京もアルベル監督のもと、新スタイルの浸透を進めてきた。試合によって調子に波はあるものの、シーズン序盤に比べれば進化を遂げているのは東京も同じだ。

特に東京は、前線から厳しくプレスをかけてくる相手との試合でビルドアップができずに押し込まれることが多いため、その克服に向けた重要な一戦となる。立ち位置にこだわって数的優位を作り、広島のプレスの網をかいくぐってゴールに迫りたい。怪我人が続いて台所事情は決して楽ではないが、新加入選手も含めた東京の総力で勝点3をもぎとる。

また、被爆地で活動するチームとして、広島は7月30日の試合を「ピースマッチ」として開催し、サッカーを通じて核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向けた発信をおこなう。東京も「ピースマッチ」の趣旨に賛同し、試合前日にはクラブを代表して石川直宏クラブコミュニケーターが広島市を訪問。広島のチーム関係者とともに原爆死没者慰霊碑に献花し、松井一實市長を表敬訪問した。

試合でもお互いをリスペクトし、「ピースマッチ」を戦う。



[アルベル監督インタビュー]

Q、新加入の選手が入りましたが練習を通してどのように感じていますか。
A、3選手の加入を嬉しく思っています。さっそく彼らは適切にチームに適応してくれようとしています。そして、人としても素晴らしい人物です。我々が期待する技術の高さを兼ね備えているのも高く評価しています。もちろん引き続き戦術的に更にチームに適応しなければいけないですが、それには時間がもう少し必要です。いずれにせよ、3人の加入は非常に嬉しく思いますし、彼らのプロフェッショナリズムの高さ、この1週間の行動、すべてに満足しています。

Q、3選手ともアルベル監督の思考に近いサッカーを前チームでプレーしてきていると思います。
A、まずはフェリッピ選手に関してはテクニックのレベルがとても良いものを持っていますし、センターフォワードとして期待している選手です。我々が必要としていたゴール前での決定力の高さをチームに提供してくれる選手ですし、ボールを繋ぐ部分でのプレーでも関わってくれる選手です。
塚川選手に関して、元々彼の特徴は違ったものかもしれないですが、川崎で1年半プレーしたことにより我々が期待するプレースタイルを十分取得した状態だと思います。それと、彼のポリバレントな能力というのはチームにとってすごくプラスに働くと思います。
木村選手に関しては、今シーズン山形でプレーしていましたが、ボールを大切にするプレースタイルです。そういう意味でも3選手ともめざしているプレーに近い形で今までプレーしていたと想像がつきます。当然シーズン中盤の夏の補強はなかなか難しいのはどのチームにとってもそうだと思います。今回、我々が期待する特徴を持っている3選手を獲得できたことはとても素晴らしいニュースだと思います。

Q、前回の広島戦は前線からの守備に苦しめられましたが今回の試合でのポイントはどこですか。
A、広島も同じ課題をかかえて明日の試合に臨むと思います。我々のハイプレスをどう打開するかです。まさしく明日の試合に関してはお互いが相手チームのハイプレスをどう打開するかにかかっていると思います。我々はJ1において最もハイプレスをかけているチームのひとつだと思います。そしてボールを保持することをめざしているわけですが、いま少し苦労しながら成長を続けている段階です。

Q、広島戦まで2週間の準備期間がありましたがどんな所に時間を費やしましたか。
A、過密スケジュールが続いていたので選手たちが疲労から回復することをまずは重要視しました。また、中断期間で戦術的な更なる成長をめざしてトレーニングしてきました。引き続きこの1週間選手たちにしっかりと自信を持ってプレーすること、簡単にボールを失わないことを重要視してトレーニングを重ねました。

Q、リーグ戦も残り3分の1の戦いになってきますがそのなかで目標にしたいことや落とし込んでいきたいことは何ですか。
A、ボールを保持するところは重要視していきたいです。今シーズンの最初の3分の1は必ずしもボール保持することの優先順位としては高くありませんでした。立ち上がりのときからボール保持を重要視し過ぎてしまうと、完成度が低い状態から、ボールを失う回数が増え失点を重ねてしまいます。良い試合結果が出せない危険性があったので立ち上がりのときはそこまで重要視していませんでした。やはり成長を継続的に進めるためには、自信が必要です。そのためには勝点が必要です。ただ、試合結果だけの話をしているわけではありません。人々は試合の結果によって感情を左右されるわけですが、私は試合結果だけにこだわっていたわけではありません。もちろん試合結果が重要なことは私も理解していますがそれだけを重要視する監督ではありません。

Q、夏場に入ってアルベル監督は、チームのフェーズがひとつ上がったと言っていましたがラスト3分の1はもうワンフェーズ上げていきたいと考えていますか。
A、次のフェーズに移ったと、こないだ話しました。ただ、その後に選手の移籍がありました。そして、怪我人も複数出ました。そのような選手が抜けたことにより、例えばバングーナガンデ佳史扶選手のようなチームでプレー時間を得られ、今週は更に新しく加入した選手がいます。そのような色んなことが起こるがゆえに、特定の選手が加われば試合の勝利につながると考えるのは決して的を射ていません。そんなにサッカーは簡単ではありません。チームの成長を促すことが私の最も重要な仕事のひとつです。私はチームが順調に成長していると認識しているので落ち着いてチームを見守ることができています。それは試合の結果だけに左右されるものではありません。

Q、塚川選手がポリバレントと言っていましたがどう起用しようと考えていますか。
A、まずは彼に関してはボランチでの起用を考えています。日本ではワンボランチでプレーすることはとても難しいですし、選手を見つけることも難しいです。それゆえに彼にそのポジションを試してみたいというのは頭のなかにあります。彼は28歳という良い年齢の選手でもありますし、期待したいので、まずは難しいポジションを試してみたいです。当然他のポジションでの選択肢としてあるのでそれも頭に入れながら彼の起用を考えていきたいです。


[選手インタビュー
<バングーナガンデ佳史扶選手>

Q、広島戦に向けてチームでどんな準備をしましたか。
A、鳥栖戦から間が空いたことで体のコンディションも良いですし、新加入選手の3選手含めてこの1週間は良い雰囲気のなかでトレーニングができました。リーグ再開に向けてしっかり準備できたと思います。

Q、広島をどう分析していますか。
A、すごく良い流れになってきているチームだとみんなで話していますし、前線からかなりプレスをかけてくるチームです。そこをビルドアップで相手を外せていければチャンスになりますし、それが重要になってくると思います。自分のところでも相手を1枚はがせればサイドや背後のスペースなどを有効に使って攻撃できると思うのでそこは意識していきたいです。

Q、スタメンでの出場が増えていますが試合を重ねるなかでの手応えはいかがですか。
A、試合に出場するチャンスを貰えているなかで、チームで求められているプレーを出しながら、もっと自分の良さも出していきたいです。

Q、どんなプレーを出していきたいですか。
A、自分の特徴は攻撃に関わるプレーですが、試合に出場できているなかで、まだ完全に出しきれていません。積極的に出していきながらチームの勝利に貢献したいと思います。

Q、チームとの連携面はいかがですか。
A、試合を重ねるごとに良くなっていますし、練習でも良い形でプレーできていると感じています。

Q、意気込みをお願いします。
A、ここから上位にいけるかどうかの重要な一戦になると思います。チーム一丸となり必ず広島に勝って勝利を分かち合いたいです。