INTERVIEW2022.7.09

7/10 浦和戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<マッチプレビュー>
中3日で戦う連戦の3試合目は、アウェイで浦和レッズと対戦する。前節、東京は2シーズン半ぶりにファン・サポーターの“声”の中で戦い、大きな後押しを受けてリーグ戦4試合ぶりの勝利をおさめた。

対戦相手の浦和は、シーズン前半戦はなかなか勝利できずに、9試合勝利がない時期もあるなど苦しんできた。ただし、直近の5試合では2勝3分と調子を上げてきており、一時は降格圏だった順位も現在は11位まで持ち直している。

前節の京都サンガF.C.戦では、前半に先制しながらも後半に入って短時間で逆転を許し、直後に同点に追いつくという展開でドローに終わった。ただし、シュート数の17対6が表すように、フィニッシュのシーン、ゴールに近づく決定的なシーンの数では大きく相手を上回り、浦和としては攻撃の主導権を握りながら勝ち切れなかった一戦ともいえる。

今シーズン前半戦の対戦では、お互いに決め手を欠いて0-0で終えている。お互いにボールを保持する時間帯はあったが、90分全体では、浦和の勢いのある攻撃に東京が耐える時間帯が続いた印象だ。東京にとっては今回と同じく3連戦の3戦目ということもあって、チーム全体に疲労の色が濃く、また4月とは思えない強い日差しと25.6度という気温の中でのデーゲームで体力を消耗しながらも、なんとか勝点1を残した試合だった。

浦和のリカルド ロドリゲス監督は、相手の出方を分析して、攻撃や守備のスタイルに変化をつけてくるのが特徴だ。結果こそ苦しんでいるものの、就任2年目で戦術的なベースの構築は進んでおり、攻撃的なスタイルがシーズン中盤に入ってようやく勝利に結びついてきている。一方で東京も、前半戦の終盤に首位だった鹿島アントラーズを相手に内容でも圧倒して勝利を収めるなど、急激に戦術の浸透が進んできている。もちろん、サガン鳥栖戦のように、ひとつの歯車のズレから一気に崩れてしまう側面もあるが、その一戦を経験したことで逆にチームとして兜の緒を締めたばかりでもある。

攻撃志向の両チームのぶつかりの中で、東京のスタイルを押し出し、貫き、ゴールを奪い、連勝を果たして、チームの進化を今一度加速させたい。


[アルベル監督インタビュー]

Q、練習時間の変更は今日の涼しさも加味したのでしょうか。
A、単純に浦和までとても近いというのがあります。それゆえに朝早くトレーニングをして急いで出発する必要がなかったので少しスタート時間を遅くしました。11時にしましたが、ここを出発して向こうには16時には到着してしまいます。やはりプロのチームでプレーもしくは指揮をとる場合に最もストレスがある時間はホテルで過ごさなければいけない時間が長いことです。9時でも10時でもそれほど気温の差がなかったので11時スタートにしました。

Q、涼しさによって練習の内容も変わりますか。
A、内容よりも11時台で暑ければ、なるべく早く9時や可能であれば8時に練習をスタートさせて、やりたいことをやれる時間帯を探す必要性が出てくると思います。ただ、いまは耐えられる暑さなので、この時間帯でも我々が期待する内容は十分できています。

Q、トレーニングの内容で8対8プラス3フリーマンのポゼッションがありますが、どんな狙いがあるのですか。
A、我々のプレースタイルにとって、このトレーニングはとても核となる練習メニューの一つです。このプレースタイルをめざすチームというのは、バルセロナやマンチェスターシティ、リヴァプールなど、どこのチームでもほぼ毎日のように行っている練習メニューで、戦術の多くの要素が内在されている練習メニューです。それを繰り返すことにより、選手にしっかりと浸透させることができると思います。そして、技術レベルの向上にもつながりますし、特に戦術的な要素、判断のところがより改善されると思います。
ポゼッションゲームと同じだと勘違いされる方もいますが決してそうではありません。サッカーのほぼすべての要素が内在されているとても難易度の高い練習です。決して試合前日だけでなく、形は変わったりしますがほぼ毎日のようにポジショナルゲームの練習メニューは行っています。

Q、今の練習内容はアルベル監督がバルセロナのアカデミーに所属していたときからですか。
A、まさしくそうですが、私だけでなくグアルディオラやユルゲン クロップなど多くの指導者がこの練習メニューを重要視していると聞いています。私が生み出したものではないですし、バルセロナが生み出したものでもなく、多くのクラブチームや監督が採用している広く知られた練習メニューです。

Q、梶浦選手が前節の札幌戦で出場しました。
A、とても簡単なことだと思います。札幌戦で梶浦選手が証明したように、この世界で活躍したいという強い気持ちを持ってピッチに立つ選手だけしか生き残れないと思います。地面を見ているのではなく、目線を上げて戦う意思を示さなければ生き残っていけません。その強いメンタリティを持ち、もちろん才能もなければいけないわけですが、梶浦選手は元々才能を持っているので、あの強いメンタリティが彼の才能をピッチで表現することに繋がったと思います。クオリティの高いテクニックや素晴らしい才能があっても、そこに強いメンタリティが伴っていなければ何の価値もないものだと思います。

Q、東京に野心を持ってプレーしている選手はいますか。
A、若い選手のなかで、海外に行きたいという希望を持たないというのはいかがなものでしょうか。世界で最もレベルの高い選手がどこに集まっているでしょうか。現実となるかどうかはさておき、大きな夢を持つというのは誰もがある意味やるべきことだと思います。例えば、柔道は日本の国技だと思います。スペインで柔道をしているスペイン人も知っていますが、柔道で上をめざしたいスペイン人は、日本に行って日本で優勝したいと思うのではないでしょうか。サッカー選手であれば、誰もがヨーロッパで活躍したいという夢を持つと思います。だからこそ、そこで活躍することは難しいことは誰でも理解できると思います。ヨーロッパの最高の選手たちだけでなく、アフリカや南米の素晴らしい選手たちがヨーロッパに集まっています。

Q、浦和戦の重要性、そして浦和戦に向けてはどんな分析をしていますか。
A、まずは、現在のJ1で最も経営規模の大きいクラブの一つである浦和との対戦です。彼らの現在の順位というのは、決して通常いる位置ではないと思います。そして経営規模に関しては、我々を明確に上回っていると認識しています。そういった向こうの状況を踏まえると、難しい試合になることは容易に想像できると思います。
クオリティの高い選手が揃っています。彼らに良いプレーをさせてしまうと、とても難しい試合になってしまいます。ですので、彼らの長所を消すことをしなければいけません。それと同時に、当然我々の長所を可能な限り発揮することが明日のポイントになるでしょう。ここ数日、良いトレーニングができています。とても難しい試合になることでしょう。だからこそ、プレーするにはとても魅力的な試合でもあるかと思います。


[選手インタビュー
<梶浦勇輝選手>

Q、札幌戦から時間が経ちましたが改めて試合を振り返っていかがでしたか。
A、改めて試合を見返しましたが、周りの選手たちに助けられた試合だったと感じました。勝てたことは良かったですが、内容を見るとまだまだな部分があり、できたこととできなかったことがはっきりした試合だった印象です。

Q、試合に入る前にどんなことを意識してプレーしようと思っていましたか。
A、こんなチャンスが来ることは滅多にないと思っていたので、最初から自分のやれることを全力で表現しようとずっと考えていました。しっかり準備していたことが出せたので良かったと思います。

Q、試合のなかでできたこと、できなかったことは何ですか。
A、守備でのプレス強度を高めていけたことがうまくいった部分ではありましたが、ボールに関わることや、ビルドアップに参加することがあまりできませんでした。東京のめざしているサッカーは、ボールを大事に保持しながら攻撃をしていくことなので、もっとボールに関わる回数を増やすことを意識して上達していけるようにしていきたいです。

Q、味スタで声援があるなかでしたが、プレーしていていかがでしたか。
A、試合前のアップの時に声援が始まり、「すごい」と第一印象で感じました。このなかで試合ができることが幸せですし、勝たなくてはいけないという気持ちが改めて自分の感情のなかで出てきました。試合中もふとファン・サポーターのほうを見ると、全力で応援してくれているのが見え、その期待にこたえなくてはいけない気持ちが沸いてきました。

Q、浦和戦に向けてどんなプレーを見せていきたいですか。
A、引き続き高い強度の守備は続けていきながらも、まだ前節の1試合に出場した程度なので、これを継続していかなければいけないですし、そのなかで自分ができることを少しずつでも増やしていければと思います。

Q、浦和に対してはどんな分析をしていますか。
A、ボールを回すことがうまいチームなので、全員で連動してプレスをかけながら相手にボールを持たせないことが重要になると思います。自分たちもボールを大切にするプレースタイルなので、ボールを持つ時間を長くしていき、相手の特徴を出させないことが勝利につながっていくと思います。

Q、周りの選手とのコミュニケーションや連携の部分で意識していきたいことはなんですか。
A、練習から周りの選手と多くコミュニケーションをとりながら、場面ごとにプレスの行き方などはかなり話していました。札幌戦の試合中もそこにあまり悩むことなく声を掛け合って連動して守備に行くことができたので、しっかり次の試合も声を掛け合う部分の認識は絶対に崩さずに周りと連携しながらプレーしていきたいです。

Q、浦和戦に向けてファン・サポーターに向けて意気込みをお願いします。
A、前節の札幌戦までは勝てない状態が続いていましたが、ようやく勝利することができましたし、次の浦和戦も続けて連勝していけるように頑張りたいです。