7/6 札幌戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.7.06

7/6 札幌戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
中3日で3試合という過密日程を戦う東京は、前節に続いてホーム味の素スタジアムで、勝点3差で10位の北海道コンサドーレ札幌と対戦。この一戦は「声出し応援運営検証対象試合」として開催され、東京としては2020シーズンのAFCチャンピオンズリーググループステージ第2戦パース・グローリーFCとの一戦以来に味の素スタジアムにファン・サポーターの声が戻ってくることになった。2シーズン半ぶりに戻ってきた“声”という大きなサポートを受けて、東京はリーグ戦4試合ぶりの勝利をめざした。

1st HALF-ペナルティキックの2ゴールで先行
立ち上がり、いきなり東京が決定機を迎える。札幌ゴールの右手前でレアンドロ選手がボールをコントロール。相手のプレッシャーがかかる前に左足を振り抜いたが、ボールは右ポストに直撃して撥ね返された。その後も相手が前から追うのではなくスペースを埋める守備をしてくる中で、選手間のギャップにポジションをとりながらボールを前進させ、相手ペナルティエリア付近まで侵入していく。なかなかラストプレーが合わずにシュートまで持ち込めないが、セカンドボールを何度も回収して分厚い攻撃を仕掛けていく。

相手がカウンターを仕掛けてきた際には、最初のマーカーが攻撃を遅らせ、後方からプレスバックして数的優位でボールを奪ってまたマイボールにする展開に戻す。19分にはミドルレンジのループパスに松木玖生選手が反応して、札幌のディフェンダー間にできたゴール正面のスペースに抜け出す。松木選手はボールをコントロールして反転しながら豪快にボレーシュートを放ったが、必死に戻ったディフェンダーにブロックされた。

ボールを保持するものの決定的な場面を作り出せないでいたが、前半34分に相手をゴール前に押し込んでボールを動かす中でチャンスを作る。ペナルティエリアの右角でボールを受けた紺野和也選手がカットインからシュートを放つと、相手ディフェンダーの手に当たってペナルティキックを得る。前半35分、レアンドロ選手がペナルティキックをゴール左隅へと決めて東京が先制に成功した。


なおも勢いをもって攻撃を継続する東京は、前半45+3分にペナルティエリア手前でフリーキックのチャンスを得ると、レアンドロ選手が直接狙ったシュートが相手選手の腕に当たって本日2度目のペナルティキックのチャンスを得る。前半45+4分、今度はアダイウトン選手がキッカーを務め、左ポストに当たりながらもゴールに吸い込まれ、リードを2点に広げて前半を終えた。


2nd HALF-勝利で“眠らない街”が味スタに響き渡る
後半の立ち上がりは札幌の出方を見る展開だったが、後半6分に相手ディフェンダーのパスをアダイウトン選手がインターセプトすると、そのまま中央を抜け出す。相手ゴールキーパーが前に出てきたところをループシュートで流し込んでリードを広げた。相手が前がかりになると、東京は背後のスペースをシンプルに突いてチャンスを作る。後半7分には松木選手の斜めのミドルパスに紺野選手が抜け出すと、前に出てきていたゴールキーパーの頭上を狙ったが、シュートはゴールまで戻ったゴールキーパーに捕球された。


リードを広げてからは札幌にボールを保持される時間帯もあったが、慌てずにボールサイドへのスライドと球際でのチェックを怠らずにシュートまで持ち込ませない。一方でマイボールになってからは、簡単にボールロストすることを避け、確実につないでビルドアップして相手陣内で試合を進めていく。

後半26分には、後半途中から投入された選手がチャンスに絡む。レアンドロ選手のスルーパスにディエゴ オリヴェイラ選手が抜け出すと、ヒールでつないだボールを永井謙佑選手が受ける。ゴール目前でボールを受けた永井選手は、相手をかわそうとワンフェイント入れてからシュートを放ったが、ゴールを捉え切れなかった。

終盤に近付くと札幌がボールを保持する時間が長くなっていったが、焦れずに陣形をコンパクトに保ってスペースを埋め、ボールサイドに寄せ、フィニッシュの場面では体を投げ出してシュートに対応する。

約2シーズン半ぶりの“声”に背中を押される形で、リーグ戦4試合ぶりの勝利を手にした。

MATCH DETAILS

<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF長友佑都/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶(後半42分:鈴木準弥)
MF松木玖生/東慶悟(後半42分:品田愛斗)/梶浦勇輝
FW紺野和也(後半13分:ディエゴ オリヴェイラ)/アダイウトン(後半13分:永井謙佑)/レアンドロ(後半26分:渡邊凌磨)

SUBS
GK波多野豪
DF岡崎慎 

GOAL
前半35分:レアンドロ(PK)/前半45+4分:アダイウトン(PK)/後半6分:アダイウトン 

<北海道コンサドーレ札幌>
STARTING Ⅺ
GK大谷幸輝
DF田中駿汰/岡村大八/福森晃斗(後半0分:宮澤裕樹)
MF金子拓郎/荒野拓馬(後半9分:深井一希)/高嶺朋樹/菅大輝(後半32分:西大伍)/青木亮太/駒井善成
FWガブリエル シャビエル(前半15分:興梠慎三)(後半32分:ミラン トゥチッチ) 

SUBS
GK中野小次郎
DF中村桐耶 

GOAL


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、まずは対戦相手の札幌を称えたいと思います。偉大な監督と対戦できることは私にとってとても誇りです。攻撃的なゲームプランを立てるチームと戦えることをうれしく思います。我々が勝利することもあるでしょうし、相手が勝利することもあるでしょう。ただ、攻撃的なチーム同士が対戦する試合というのは、観ている人々にとってはとても魅力的なものです。そういう意味でも、攻撃的なゲームプランを立てる札幌と戦えたことをうれしく、とても誇りに思っています。
前半と後半を分けて振り返る必要はありません。90分間を通じて同じ流れだったと思います。我々はゲームプランを立て、相手にしっかりと良い形でプレスをかけることを狙っていました。前線の3人もチームのためにプレスで貢献してくれていました。札幌に余裕とボールを与えてしまうと、良いプレーをされてしまいます。そのため、しっかりと守備のところができたことが勝利につながったと思います。そしてチームは、相手にライン間のスペースを与えないようにコンパクトに守ることもできていました。
ボールを持った時には、札幌はマンツーマン気味に人をつかまえる守備をしてくることを予想していました。逆にそれを利用して、スペースを作る選手、そのスペースを活かす選手ということで、2列目からの飛び出しを狙いました。今日、我々の期待するプレーを表現できたため、勝利を収めることができました。
今日、18歳の梶浦がリーグ戦デビューしましたが、勝利とともに彼が素晴らしいプレーをしてくれたことをうれしく思います。今日、中盤には18歳と19歳の選手が並んでいましたが、彼らがこのクラブの将来を担ってくれることでしょう。

最後に、スタジアムに声援があるということは美しく、素晴らしいことだと思いました。

Q、声出し応援の検証試合でしたが、あらためて声援を受けてどのように感じましたか。
A、2年半前、2020シーズンの開幕戦で新潟の指揮を執った時に、アウェイゲームでの群馬戦の1試合だけ声援を受けて試合をしました。今後も引き続き、声援があることを望んでいます。やはり声援があることこそが、サッカーであり、エンターテインメントだと思いますので、それが続いてくれることを願っています。
彼らの歓声を直接聞くことができてとてもうれしく思いますし、これを機に日常が戻ってきてくれることを願っています。私の名前も叫んでくれていたと思いますし、それは私の耳にしっかりと届いていました。とてもうれしく思っています。

Q、今日は1か月ぶりの勝利でした。守備の選手の怪我が多いですが、チームの編成について思うことはありますか。
A、チームというのは生き物だと思っています。怪我人がいるいないに関係なく、チームを活性化していくためには、夏や冬にかぎらず補強が必要不可欠だと私は捉えています。当然、その補強が上手くいくほど勝利の可能性は高まると思います。そこについては、強化部が良い仕事をしてくれることを期待しています。


[選手インタビュー
<梶浦勇輝選手>

Q、味スタでの初スタメンをとなりました。振り返っていかがですか?
A、初スタメンがサポーターの声出し応援が再開された試合ということもあり、3-0という結果を残すことができて嬉しいです。

Q、試合前に自分の名前がコールされた時はどんな気持ちでしたか?
A、U-15、U-18の時に味の素スタジアムで試合を観てきて、東京の応援は日本一だと思っているので、その声援を受けた時はやらなきゃという気持ちをさらに強くしてくれたのと、感謝の気持ちです。

Q、試合後にサポーターに呼ばれて「シャー」をした時はどうでしたか?
A、今度は点を取って正真正銘の「シャー」をできるようにこれからまた頑張っていきたいと思います。

Q、インサイドハーフとして相手のボックス内に侵入していくシーンが多く、効果的だったと思います。
A、インサイドハーフとして求められるプレーだと思いますし、プラスして自分は後ろでボールに関わることを求められていました。ボールに関わる部分はまだ課題点はありますが、インサイドハーフとして求められる守備の強度含めてその部分はやれたと思います。

Q、ほぼ90分間を東選手、松木選手と中盤を構成してプレーしましたが、3人の関係性はどうでしたか?
A、今日は中盤の3人で守備をスライドして埋めようという話をしていた中で、そこがしっかりできていましたし、プラスでサイドバックの長友選手と佳史扶選手ともコミュニケーションを深めて、特に前半はほとんど完封できた手ごたえがありました。

Q、中盤3人とも相手選手に食いついてはがされるというシーンがなかったと思います。
A、1人が出て行った時は2人が後ろでカバーする関係性をずっと続けていけたと思いますし、出て行った時は入れ替わらないようにしていました。単純な作業ですが一番大事だと思っているので、そこがしっかりできたことが大きかったと思います。

Q、リーグ戦初スタメンとは思えないくらい集中していたと感じました。
A、力をセーブしながらということは考えずに最初からフルで行って、どこまで自分ができるかだったので、ラスト10分くらいは体力面できつい部分はありましたが、そこはもっと試合にたくさん絡んで一つずつクリアしていきたいと思います。
まだまだ、周りの選手に助けられた試合だと思っています。みんなが声をかけながらフォローしてくれたのでとてもプレーしやすかったです。


<アダイウトン選手>

Q、1得点目のPKはレアンドロ選手から譲ってもらったのでしょうか。
A、普段の練習からレアンドロ選手、ディエゴ選手、自分と3人でPKの練習をしています。今日の試合でレアンドロ選手が一本目を蹴ったので二本目は自分が蹴りました。譲ってもらったというよりかは、いつも練習している通りだったので自分が蹴らせてもらいました。決めることができて良かったです。

Q、試合を通じて良い守備から攻撃につなげることができていたと思います。
A、ここ最近勝てない試合が続き、自分たちのやりたいサッカーができないときもありました。開幕する前のプレシーズンからやってきている、自分たちのプレーがあるなかで表現できない試合もありましたが今日はそのなかでも少しは出せたと思いますし、複数得点で勝てたことは良かったです。

Q、点が決まったときの歓声はいかがでしたか。
A、今までの試合ではファン・サポーターのみなさんが声を出せないなかでもスタジアムに来てくれていました。今日は歓声が自分たちを後押ししてくれたとすごく感じました。また、点を決めた後の歓声はすごく嬉しかったです。

Q、点を決めた後のパフォーマンスはどういうダンスですか。
A、家で動画を見ていた時にあのダンスを見て息子が点を決めたらこれをしてほしいと言われていたのであのダンスをしました。

Q、あのダンスの元ネタはどこですか。
A、ブラジルで流行っているダンスです。

Q、2020年のACL以来アダイウトン選手のチャントが歌われていたと思いますが、改めて今日の試合で歌われていかがでしたか。
A、最後に声出しがあった時からかなり月日が経ってしまいましたが、改めてファン・サポーターのみなさんの後押しや声援で自分の名前を呼んでもらえることがすごく力になると感じました。自分たちも最大限にできることをしてみなさんとともに喜びを分かち合いたいですし、今日の応援はすごく自分たちの力になりました。自分たちが前に進むきっかけにもなったので、本当に良かったです。 


<松木玖生選手>

Q、守備からいい攻撃につなげる手ごたえはいかがでしたか。
A、守備のはめ方が前後半通してよかったと感じました。また中盤の東選手や梶浦選手の強度が高く、そこが良い攻撃に繋がったと思います。

Q、レアンドロが降りてきたときに時に、インサイドハーフの選手が上手く使おうという意図のが見えれました。
A、チーム戦術として、レアンドロがボールを受けた際には相手がついてくると予測していたので、そこで一人で剝がせればチャンスになると考えていて、裏抜けを多く狙っていました。

Q、得点を狙えるシーンもありました。
A、ダイレクトで打てば、というシーンがありましたね。

Q、球際に激しく行くところなどはこれからも自分の特徴として続けていきたいですか。
A、今日も何度か入れ替わるシーンがあったので、そこは取りきって獲り切って、攻撃につなげていきたいと感じました。

Q、中3三日で浦和戦となりますです。
A、次も絶対に簡単な試合ではないので、今日以上に結果を求めて戦いたいいきたいと思います。


<バングーナガンデ佳史扶選手>

Q、試合を振り返ってください。
A、チームとしては結果が出て良かったのですが、個人としてはあまり良さが出せませんでした。前半は守備に追われる時間が長くて、前に出ていく時間がなかったので、もう少し前に行きたかったです。

Q、札幌を相手に前半で2ゴールでしたが、ともにPKで内容としては五分という感触ですか。
A、前半、ラッキーな形で2点をとれて、そのお陰で良い流れに乗れて、後半はどんどん前からプレスに行けたので良かったですね。

Q、ファン・サポーターの声援を受けてプレーするのはどうでしたか。
A、点をとった後の雰囲気とかは初めての経験だったので、声援があることでピッチ上もイケイケになれるというか、もっといってやろうとチーム内でも声掛けがありました。その後押しをされる感じで、新鮮な感覚でした。

Q、立ち上がりに対面の相手に仕掛けられて苦労しているように見えました。
A、試合前のスカウティングでも仕掛けてくるというのは分かっていて、その対応を準備していたのですが、結果として失点しなかったですが、個人としては特に前半の立ち上がりで軽い対応をしてしまったなと思っています。後半に少し立て直せたんですが、甘かったなと反省しています。後半にできた守備を最初からやれないと、味方に助けられることが多く、失点してもおかしくないような対応でした。試合の入り方を改善しないといけないです。