5/3 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.5.03

5/3 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
前節、新国立競技場でのJ1リーグ初開催の一戦でガンバ大阪に2-0で勝利し、4位につけた東京。ゴールデンウィークの連戦に突入し、今節は中3日でアウェイでアビスパ福岡と対戦した。

約2か月前の今シーズン2戦目、ルヴァンカップグループステージ第2戦でも同じ会場で対戦したが、その際は東京が新型コロナウイルス感染症の影響で若手選手中心のメンバー構成だったにも関わらず、ボールを保持して相手を押し込んで試合をコントロール。小川諒也選手のクロスバーに直撃するフリーキックをはじめ決定的なチャンスを複数作ったものの、相手にワンチャンスをモノにされて0-1で敗れた。その試合の借りを返す意味でも、アウェイでの戦いとはいえ、内容と結果の両方を求め、勝点3を東京に持ち帰りたい一戦。

森重真人選手が負傷離脱し、さらにエンリケ トレヴィザン選手も前節の試合終盤に負傷してこの試合を回避し、センターバックは木本恭生選手と小川諒也選手が組んだ。奇しくも、小川選手は今シーズン2戦目の福岡戦でもセンターバックで出場し、同じポジションでリベンジを期す一戦。左サイドバックにはバングーナガンデ佳史扶選手が今シーズンリーグ戦で初めてスタメン起用された。また、前節のガンバ大阪戦で途中出場ながら決勝点を挙げたレアンドロ選手もスタメンに復帰。今シーズン初めて、ブラジル籍3選手がスタメンで前線に並ぶ布陣となった。

立ち上がり、セットプレーを与えて福岡に押し込まれると、コーナーキックが続いた中で前半3分にディエゴ オリヴェイラ選手がゴールカバーに入ったところでゴール前からクリアし切れず、相手に押し込まれて先制を許す。その後も前線からボールに対して厳しく速く寄せてくる相手に対して、東京は最終ラインからのビルドアップが乱れて前線までボールを運ぶことができない。前半18分にようやく反撃に出ると、佳史扶選手が左サイドから入れたクロスボールをゴール前でアダイウトン選手が頭で合わせるが、これは相手ゴールキーパーの好守に阻まれた。前線からのプレスの強度が落ちない福岡に対して、なかなかボールが落ち着かない東京だが、一瞬の隙を見逃さなかった。前半24分、中盤の攻防の中で相手ディフェンダーのゴールキーパーへのバックパスが短くなったところを見逃さず、松木玖生選手がいち早く反応してボールを回収する。そのままゴール前までドリブルで抜け出し、ゴールキーパーもかわしてゴールへと流し込み、松木選手のプロ初ゴールで同点に追い付いた。

この同点弾で試合の流れが変わる。リスタート後は東京がボールを保持し、相手が寄せてくるよりも速いテンポでボールを動かして、じわじわと福岡陣内に入っていく。特に長友佑都選手がアダイウトン選手やレアンドロ選手とのコンビネーションで相手陣内の深い位置で攻撃に関与する。タッチライン際までワイドに開いたり、中央寄りのスペースでプレーしたり、相手のマーカーにつかまれない位置で攻撃の組み立てに参加して右サイドで起点になった。主導権を奪ったかに思えたが、前半39分にバイタルエリアで山岸祐也選手にボールが入ると、相手の突破を止められずにシュートをゴール右隅へと流し込まれて勝ち越された。

後半立ち上がり、攻勢に出たい東京だが、後半3分に右サイドを田中達也選手に突破されてクロスを入れられると、ニアでルキアン選手に頭で押し込まれてリードを広げられる。後半13分にはコーナーキックのチャンスでレアンドロ選手が直接ゴールを狙ったキックで相手ゴールキーパーの頭上越えを狙ったが、これは惜しくもはじかれてしまう。中盤でボールをつなぎながら相手の隙を窺う展開の中で、後半17分にビルドアップのミスを拾われて山岸選手に抜け出されると、ヤクブ スウォビィク選手との1対1でゴールに流し込まれてしまう。流れを変えたい東京は、後半20分に山下敬大選手、渡邊凌磨選手、紺野和也選手を投入する。後半25分には左サイドから途中出場の永井謙佑選手がゴール前にクロスボールを入れると、ディエゴ選手が競ったボールがこぼれて紺野選手がシュートを打つがミートできず。逆に後半27分、ディフェンスラインの背後にロングボールを入れられると、ルキアン選手に抜け出されてビハインドが4点に広がる。1点でも差を詰めようと、タイムアップまで反撃を続けた東京だが、決定的なチャンスをつくることはできず、タイムアップを迎えた。

厳しい結果に直面したが、東京は新スタイルの浸透に挑戦している道の半ば。現実から背を向けずに成長の糧として、中4日で迎えるホーム味の素スタジアムでのサガン鳥栖戦に向けて課題の修正と準備を進めていく。


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、守備が激しい福岡との試合において、試合最初の数分間が非常に大事になることは予想していました。それにも関わらず、早い時間に失点をしてしまいました。その最初の失点が試合の流れに大きく影響を及ぼした部分があります。
その後に同点に追いつくことができたわけですが、その前後の時間帯は我々がしっかりと試合をコントロールできていたと思いますし、福岡の武器のひとつであるカウンターにも上手く対応できていたと思います。しかし、2失点目が大きく響いたのは事実です。我々が試合を支配していた時間帯での失点だっただけに、とても残念でした。
そして後半スタートの福岡の最初のカウンターで3失点目をしてしまい、我々はより攻撃的に前に出ることになり、その都度、福岡の武器であるカウンターに苦しめられたという展開でした。そして複数失点をしてしまったという流れです。

今シーズン、我々は大きな変化に取り組んでいます。そういう意味でも、今日のようなアクシデントが起こることはあり得ます。今日の対戦相手、福岡を称えたいと思います。我々のプレースタイルは継続的に勝点を重ねることにつながるものだと理解しています。当然、我々には改善点が多くあります。けれども、常に上位をめざすためには、我々のプレースタイルが有効だと考えていますので、我々はこの道を突き進んでいきたいと思います。
そして今日、敗れたにも関わらず、試合後に拍手を送ってくれた東京のファン・サポーターの皆さんに、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。我々の進んでいる道を彼らもサポートしてくださっていることが拍手から伝わってきました。

Q、今シーズン初めてブラジル籍選手3人を前線に並べて、レアンドロ選手を中央に、ディエゴ オリヴェイラ選手をサイドに置きました。その意図を教えてください。
A、中盤の中央で数的優位をつくることを狙ってこのような配置にしました。そして、それは十分に効果が出ていたと思います。福岡のセンターバックが強いということは予想していました。それゆえに、そこで戦うのではなく別のゾーンで戦うということを狙っていました。特に前半は中盤の中央で上手く数的優位を作って、そこから上手くチャンスを作り出していたと思います。
ただ、サッカーはゴール数を競うスポーツであり、今日は福岡が我々以上のゴールを決めて勝利を収めたというのが明確なことです。サッカーというのは試合結果がもっとも重要です。そして我々にとって今日の試合はネガティブな結果でした。ただ、またすぐに日曜日に次の試合があるので、しっかりと成長した姿を表現できればと思っています。

Q、攻撃が厚くなる一方で守備が手薄になる部分はありませんでしたか。
A、最初の失点はコーナーキックからでした。2失点目も、前からの守備が悪くて失点したわけではなく、ディフェンスラインのところでミスがあっての失点でした。そういう意味でも、前線からの守備が悪かったとは私は思っていません。そして後半の失点も、我々の攻撃中のリスク管理のところが上手くいっていなかったゆえの失点だと思っています。
福岡は前線にフィジカルの強いツートップを備えており、そこにスペースを与えると非常に危険なプレーをされてしまいます。そして福岡に対してとても難しい試合展開というのは、彼らが守りに入ってもいいようなリードをしている流れです。そのような試合展開になったので、彼らの武器がより活きる試合になったのだと思います。だからこそ、2失点目が悔やまれます。これが試合の流れを大きく決定づけたと思います。

Q、同点ゴールを決めた松木選手の評価をお願いします。
A、彼は良いプレーをしていたと思います。今シーズン、継続的に成長しています。ここ最近の試合でもチャンスがあったなかでなかなか決められていませんでしたが、今日ゴールを決められたことを嬉しく思います。彼のプレーにはとても満足しています。ただ、まだまだ成長するのびしろがありますし、偉大な選手になるためにはもっと成長する必要があると思います。我々のプレースタイルとともにプレーし続けることで、彼はさらに成長できると思います。


[選手インタビュー]
<松木玖生選手>

Q、悔しい結果となりました。一方でご自身のJリーグ初ゴールもありました。
A、自分のゴールで勢いづけられれば良かったですが、それができなかったので、ゴール以外は何も仕事をしていないですし、課題が残る試合でした。

Q、ゴールシーンを振り返ってください。
A、ゴールキーパーをみて、はじめは左に流し込もうと思ったんですが、ゴールキーパーとの距離がシュートを打ち辛いと感じたのでかわして、冷静に流し込もうというプレーになりました。

Q、プロとしてゴールを決めたことをどう思いますか。
A、自分も結果を求めています。ゴールという形でチームを勝利に導くことはできませんでしたが、自分としてはこのゴールで勢いづければと思いますし、また次の試合から結果を求めてプレーしていきます。

Q、開幕から10試合目でのプロ初ゴールでした。自身の感覚としては遅かったですか
A、開幕戦からゴールは狙っていましたし、遅かったかなと思います。

Q、前線にブラジル籍選手が3人と今までと違った並びとなりました。どのようなプランで臨みましたか。
A、レアンドロ選手が自由に動いて、アダイウトン選手が開いて、ディエゴ選手が中でプレーできるように考えていましたし、その中で自分と安部選手が絡んでというプランでしたが、相手のプレーに合わせてしまったというか、もっと間で受けて、前線にくさびのパスを入れる回数が増えればよかったかなと思います。

Q、一昨日19歳の誕生日を迎えて気持ちの変化はありますか。
A、18歳と19歳は自分の中では大きいと感じています。海外でも10代で活躍している選手はたくさんいるので、そこと比べると自分は技術面もメンタル面もまだまだだと感じています。もっと結果にこだわっていきたいと感じています。


<小川諒也選手>

Q、試合を振り返ってみていかがでしたか。
A、相手のやりたいプレーをさせてしまって、自分たちのしたいプレーはできませんでした。その結果がこのような形になったと思います。

Q、センターバックでプレーしてみていかがでしたか。
A、前半もですが、後半も試合の入りで失点してしまいましたし、失点の前から相手に押し込まれていたので、そこはセンターバックとして後ろから押し上げることやボールを跳ね返さなければいけなかったと思います。
2失点目も最終的にはドリブルで突破されましたが、自分が競り合いで負けてしまったところからだったので、しっかり跳ね返せていれば失点にならなかったと思います。ロングボールを入れてくるチームと分かっていたのでもっと弾き返せれば良かったと思います。

Q、今回前線の3枚がブラジル籍選手で攻撃の比重が大きく、間接的に守備への負担も大きかったと思いますがいかがですか。
A、仕方がない部分もありますが、もう少し自分たちもラインをあげたかったです。セカンドボールを拾えずに間延びしている時間帯もあったので、そこはディフェンスラインの押上と前線のプレスを修正していかなければいけないと思います。

Q、センターバックの難しさを感じた試合だったと思います。
A、特に福岡との試合はセンターバックが一番忙しくなるのではないかと思います。球際も激しくなる試合だったので、そこはセンターバックを任された以上、やり切らなければいけなかったと思います。

Q、今後に向けてはいかがですか。
A、センターバックでもサイドバックでも試合に出る以上はチームが勝つために任されたポジションで、全力でプレーしなかればいけないですし、チームが勝つために貢献できればと思います。

Q、多くのファン・サポーターが応援にきていました。
A、遠い福岡まで応援にきていただいたので申し訳ない気持ちがあります。次の鳥栖戦で喜んでもらえるように頑張りたいです。