4/13 湘南戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.4.13

4/13 湘南戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
中2、3日で7試合を戦う過密日程の真っ只中にいる東京。連戦4戦目は、ルヴァンカップのグループステージ第4戦で湘南ベルマーレとのアウェイゲームに臨んだ。直近のルヴァンカップ第3戦でも対戦して2-1で勝利しているが、ともに連戦の中でメンバー構成を大きく変えており、アルベル監督が試合前日に話した通り「湘南も我々も2週間前の試合とはメンバーが変わることが予想されるので、新しい試合になる」。

東京は3日前の浦和レッズ戦からスタメンを全員入れ替え、初スタメンとなる2種登録の東廉太選手をセンターバックに配置。長期離脱から復帰した蓮川壮大選手、バングーナガンデ佳史扶選手もベンチ入りを果たした。

序盤、湘南のパススピードとテンポの速さの前に対応が後手になり、バイタルエリアにボールを入れられて押し込まれる場面が目立つが、東京もショートパスで相手のプレスをはがしてリズムをつかむと、ワイドな展開で相手を揺さぶりながらゴールを狙う。前半12分にはペナルティエリア内の密集を細かいタッチで打開されてシュートを打たれるが、波多野豪選手が粘り強くボールに食らいついて枠からかき出した。東京の反撃は前半14分、右サイドからサイドチェンジに近いボールで左サイドの髙萩洋次郎選手を使うと、相手ディフェンダーを寄せ付けてマイナスに落としたボールを小川諒也選手がワンタッチで狙ったが、シュートはゴール左上へと逸れた。前半22分も左サイドを起点に決定機を創出。髙萩選手が三田啓貴選手とのワンツー受けたボールをゴール前に送ると、山下敬大選手がヘディングシュートで狙うが、これも枠を捉え切れない。なかなかリズムに乗り切れないでいると、前半37分にバイタルエリアで池田昌生選手に前向きにボールが入ると、ワンフェイントでマークをはがされて強烈なミドルシュートを流し込まれて先制を許す。

反撃に出たい東京だが、後半3分にはペナルティエリア深くまで侵入を許し、シュートは枠から逸れた。その直後の後半5分、コーナーキックの流れから一度失ったボールを奪い返すと、三田選手のパスに反応した鈴木準弥選手が右サイド深い位置に抜け出す。マイナス方向のパスをゴール前に入れると、飛び込んできた小川選手がワンタッチで流し込んで東京が追い付く。追い付いてからはなかなかマイボールを保持する時間を増やせず、押し込まれる時間が続く。後半19分にはバイタルエリアでフリーになったタリク選手にゴール左隅を狙ったシュートを打たれるが、波多野選手が鋭い反応ではじき出した。流れを変えたい東京は、中村帆高選手、梶浦勇輝選手、平川怜選手を投入して、状況の打開を試みる。しかし、前への勢いが落ちない相手から流れを奪うまでには至らず、後半27分にはハンドの判定でPKを与えると、これを町野修斗選手に決められて勝ち越された。

ビハインドを追う東京は、後半33分に佳史扶選手と2種登録の熊田直紀選手を投入する。ボールを保持して押し返したいところだが、前線でボールが落ち着かず、1点差のまま試合終了を迎えた。次戦は中2日でJ1リーグ、北海道コンサドーレ札幌とのアウェイゲームを戦う。


[アルベル監督インタビュー]

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、まず、ようやく対面で記者会見ができることを嬉しく思います。

私にとってこのルヴァンカップは選手一人ひとりの成長を確認、そして促す場だと考えています。これまでプレー時間の短かった選手の出場時間を確保することもそうですし、さまざまな選択肢を試すという時間でもありました。また将来性のある若い選手にチャンスを与えるという事もあります。
私がこのクラブにどのぐらい長くいるかは誰もわかりませんが、将来このクラブを担うような選手の成長に貢献したいと思っています。今日センターバックでプレーした東廉太のパフォーマンスは素晴らしかったと思います。彼の活躍は東京にとって良いニュースです。また、後半の終盤に出場した熊田直紀のデビューも称えたいと思います。

試合を通じて、ボールを持っているときのプレーは悪くなかったと思います。しかし、ボールをもっていないときは苦しみ、守備の際にうまくいっていませんでした。特にスペースを消すことができていませんでした。それゆえに、ディフェンスラインがずるずる下がってしまいました。今日のメンバーが一緒に公式戦をプレーすることはこれまでなかったので、このような守備の課題がでることは当然のことだと思います。

今日のルヴァンカップからもポジティブなところをピックアップして、次の成長に繋いでいきたいと思います。今シーズンは、新しいプレースタイルにチャレンジし、定着させるシーズンだと考えています。そして多くの選手にチャンスを与えるべきだと考えているので、今日はたくさんの選手が出場できてよかったと思います。

Q、昨年9月に大怪我をして本日復帰したカシーフ選手についてはいかがでしょうか。
A、彼は大きな怪我からリハビリを経て復帰してきました。それゆえに公式戦に戻るためには少しずつ時間を与えないといけないと思います。例えば彼の復帰のためにもこのルヴァンカップは良い機会でした。長い期間怪我をして、いきなりリーグ戦の機会を与えることは難しいと思います。今日はメディカル部門のスタッフとあらかじめ話をしてプレー時間を決めていました。少しずつ復帰のプロセスを歩むために時間を決めていたという事があります。そして今日は戦術的な負荷を軽減させるために一列前でプレーさせました。

Q、東廉太選手についてあらためて評価をお願いします。
A、彼はキャンプから参加してくれていました。練習と練習試合にも参加してくれていました。その時に彼のプレーを見て将来性のある選手だと評価していました。彼はセンターバックにふさわしいフィジカルを持ち合わせています。プロでより上のレベルのセンターバックをめざすには背丈を含めたフィジカルが必要です。
プレシーズンでは適用能力の高さにも驚かされました。そして、前のルヴァンカップでの出場を決めました。何度も言っていますが、私にとって年齢は重要ではありません。彼は順調に成長すれば、このクラブに大きな貢献をしてくれると思っています。
彼の成長を促すには私は彼にチャンスを与える事しかできません。ただ、それが彼にとって一番重要なことだと思います。彼にはミスをすることは恐れるなと伝えています。重要なことはミスをした後にどうリアクションできるかです。
彼は我々の期待に応えるパフォーマンスを見せてくれました。17歳にもかかわらずウェリントン選手をはじめ、レベルの高いフォワード陣を相手にしっかり戦えていたと思います。


[選手インタビュー]
<小川諒也選手>

Q、久々の公式戦となりましたが、どんなことを意識して試合に入りましたか?
A、チームの勝利は大前提ですが、個人的には久々の公式戦だったので、コンディションを上げるということと、隣にいるU-18の東廉太選手のケアは監督からも言われていたので、意識していました。 

Q、監督からは守備でハマらなかったという話がありましたが、ピッチではどう感じていましたか。
A、前線でのプレスがハマらなかったということもありますし、リーグ戦のメンバーに比べて後ろの押し上げが遅い部分があったと感じています。もっとラインを上げていいと思いますし、もっと細かく相手の横パス一本で1メートルでもいいからラインを上げるという作業が必要だったと思います。

Q、ゴールシーンはサイドバックからサイドバックという形でしたが、あれもめざすべき形のひとつでしょうか。
A、あのゴール自体はセットプレーから始まったので、流れからという形ではありませんでしたが、流れのなかでも右サイドから攻めているときに自分がインサイドのポジションを取っている時もありますし、今後も狙っていきたいシーンだと思います。


<波多野豪選手>

Q、アルベル監督は会見で守備がはまらずにどんどん下がってしまったという話をしていましたが、後ろから見ていていかがでしたか。
A、最終ラインが後ろに下がり過ぎて、前線からプレッシャーにいけなかった場面が多くあったので、そこは声掛けもしていたのですが修正ができず、課題が残ったかなと思います。

Q、1失点目の部分も下がってしまってプレッシャーにいけなかったですね。
A、もっと前からプレッシャーをかけさせないといけなかったですし、僕自身もちょっとしたミスで失点してしまったので、改善していきたいと思います。

Q、ルヴァンカップは同じような起用が続くことが予想されますが、今後に向けた意気込みはいかがですか。
A、タイトルは欲しいですし、僕自身はもっと試合に出てリーグ戦にも絡んでいきたいと思っているので、次にチャンスをもらえたら結果を残したいです。日々の練習でそのための準備をしっかり続けていきたいです。

Q、至近距離のシュートをセービングしたり、高いパフォーマンスを発揮できていたと思いますが、自身としてはこれくらいできて当たり前という感覚でしょうか。
A、2点とられているので、まだまだ足りないですし、失点した後にすぐに大型ビジョンで失点場面を見ましたが、足の出し方だったりとか、まだできていません。もっと改善していきたいですし、練習から自分のプレーを見つめ直していきたいです。

Q、普段から一緒にプレーしているわけではないU-18所属の選手とのプレーは難しさもあると思いますが、東廉太選手にはどのような声を掛けましたか。
A、キャンプでは一緒にやっていたので、不安はありませんでした。(東)廉太に試合前に「緊張している?」と聞いたら「してないです」と言っていたので(笑)、大丈夫だなと思っていました。今日も相手のフォワードの選手に激しくいっているシーンもありましたし、僕もそうですけどまだ若いのでもっとチャレンジしてもらって、僕がそこを助けていけたらと思うので、思い切りプレーしてもらいたいと思います。


<東廉太選手>

Q、初スタメンでしたがスタメンと分かった時の心境を教えて下さい。
A、驚きはありましたが、90分戦えるチャンスが来たので、いつも以上に準備をしてきました。いつもより良いプレーはできたと思いますが、ウェリントン選手に対してやれたことが少なかったので、そこは課題として、また練習して次にチャンスがもらえた時にはさらに成長して出られるように頑張りたいと思います。

Q、先日の初出場で出た課題をU-18で取り組んできたと思いますが、今日の試合で成果を発揮することは出来ましたか。
A、1つ1つのパススピードは前回の課題でしたが、安間コーチと一緒に取り組んでU-18の練習でも意識してきた部分であり、今日の試合では良いパススピードで挑戦できたと思います。

Q、フィジカルが強いウェリントン選手相手でもある程度戦えていた感覚はありますか。
A、ウェリントン選手を起点に攻撃を展開されていたので、そこはまだまだだと思っています。何度かファールで止めるシーンがありましたが、ファールせずにボールを取り切って攻撃につなげることが自分の役目だと思うのでそこは次に向けて頑張りたいと思います。

Q、攻撃面においては何か変化をつけられた感覚はありますか。
A、何度か東(慶悟)選手や三田選手に良いパスをつけることはできましたが、自分がボールを運んで相手フォワードを外すことは出来なかったのでそこはもう少し出来ればチームを助けられたかなと思います。

Q、岡崎選手とのコンビネーションはしっかり取れていた印象がありました。
A、岡崎選手がリードしてくれていて助けられました。自分ももう少しラインコントロール出来ていれば1失点目も防げたと感じています。

Q、この試合で今後の成長につながる経験はあったと思いますがいかがでしょうか。
A、Jリーグの中でもフィジカルが強いウェリントン選手と対戦してある程度戦えた経験と90分間通して戦い抜いてその中で良いプレーも出せたことは大きな経験になりました。課題も見つかったのでそこはまたユースに戻って取り組んで次につなげたいと思います。