COLUMN2022.4.01

4/2 横浜FM戦 MATCH PREVIEW

今シーズンが終わった時、「これがターニングポイントだった」と言えるような9日間になるかもしれない。

AFCチャンピオンズリーグに出場する3クラブ、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、浦和レッズと中3日で戦う3連戦。スケジュールも過酷だが、昨シーズンのリーグ上位チームやカップタイトルホルダーとの試合が続くという点でも過酷だ。

まずは明日、横浜FMと敵地で対戦する。昨シーズンの敵地で対戦した時の記憶は、このクラブに関わる者ならば忘れた者はいないだろう。ただし東京は、今シーズンからアルベル監督を迎え、新しいコンセプトのもとで新しいスタイルに取り組んでいる。昨シーズンのリベンジという話を持ち出すことは野暮というもの。新生東京が、昨シーズンのリーグ戦で2位のチームを相手にどこまで戦えるのか。どちらかというと、後ろ向きな気持ちではなく、未来に向けた変革の手応えを楽しみに、この一戦の行方を想像したい。

戦術的な詳しい見どころは、サッカーライターの北條聡さんのプレビュー記事『ACL出場チーム3連戦「似た者同士の争い」』をご覧いただきたいが、ともに信条とするのは、前線からの激しいプレッシングとボール保持だ。

東京が激しいプレッシングからのショートカウンターでチャンスを創出しているように、横浜FMも快足選手を前線に揃えており、カウンターで一気に相手を仕留めに来る。特にウイングのポジションに入る選手のパフォーマンスが、主導権争いのカギを握ることになりそうだ。横浜FMではエウベル選手や仲川輝人選手、東京はアダイウトン選手や紺野和也選手がどれだけボールに絡めるか、どれだけ相手ゴールに近い位置で仕事ができるかが重要だ。

また、前線の選手を効率よく使うという点では、東京にとっては中盤のどの位置でボールを奪えるかも試合の流れを左右することになる。安部柊斗選手と松木玖生選手の球際での強さと速さを生かして、可能な限り相手ゴールに近い位置で奪い、アダイウトン選手や紺野選手の突破力を存分に生かしたい。

東京は現状、90分の中でボールを上手く持てる時間と思うようにつなげない時間があり、新スタイルの表現に波がある。チームの完成度という点では、指揮官が就任して2シーズン目を向かえる横浜FMに分がありそうに思える。一方で、アルベル監督就任から約2か月半で急速にクオリティを上げている中で、リーグ屈指の攻撃力を持つ相手に勝利すれば、とても大きな自信を手に入れることができる。

成長を加速させるためにも、横浜からはひとつでも多くの勝点を持ち帰りたい。