INTERVIEW2022.3.05

C大阪戦前日 アルベル監督 WEB囲み取材

Q、アビスパ福岡戦のあとにどれくらいの選手が復帰し、どれくらい選択肢が広がったのでしょうか。
A、ありがたいことに、ほとんどの選手が復帰し、まだプレーできないのは3、4名ほどです。来週には全員が揃う状況です。けれども、明日の試合に向けては、良いメンバーをしっかりと選択できるようになっています。当然、フィジカルコンディションは100%には戻っていませんが、福岡戦でも見せたとおり、コンディションが100%ではなくてもしっかりと戦うことができると思います。

Q、開幕戦で完成度は20%という話がありました。今はどのような点に重きをおいていますか。
A、開幕戦の後に完成度は20%とコメントしましたが、それについてもう少し詳しく説明させていただきます。完成度が100%にたどり着いた際には、AFCアジアチャンピオンズリーグで優勝する力も備えている、そのレベルが100%だと思ってください。それを踏まえたうえで、今シーズンが終わる頃に完成度が60%にたどり着いたら、十分に成功と言えると思います。そして、2シーズン目に60%の完成度を80%に上げることができたら、順調に成長を遂げていると言えると思います。今シーズン、チームの完成度を急速に上げることができている理由は、選手個々の質が高いからであり、勝負にこだわるメンタリティを兼ね備えている選手が多いからです。さらには、新しいプレースタイルを学ぼうとする意欲を選手たちが持っているので、それがチームの完成度の向上を加速させる要因になっています。

開幕戦の川崎フロンターレ戦に向けて、5週間ほど準備をしてきたわけですが、彼らにとって新しいコンセプトが多かったと思います。開幕戦の後、さらに2週間が経ちましたが、残念ながら感染状況などもあったので、新しいコンセプトを加えるというよりはフィジカルコンディションの回復とプレシーズンに学んだコンセプトを復習することに重きを置いてきました。今までの2試合の結果は、望んだものではありませんでしたが、他の数字の部分では相手を上回ることができました。しかし、ゴールの数で負けてしまったので試合に勝てていないことは現実として冷静に捉えないといけません。

試合に負けて、かつ決定的なチャンスを多く作ることができていなかったら、それは大きな問題だと思いますが、実際にはそうではありませんでした。福岡戦でもポストに当たるシュートが複数あり、決定的なチャンスを多く作れていました。相手がゴールラインのギリギリのところでクリアする状況も複数ありました。当然、試合に勝つことをめざしていますが、たとえ勝てなかったとしても、ゴールをめざし続けて多くの決定的なチャンスを作ったことが数字に表れていることはポジティブに捉えられます。チームの完成度をさらに高めていくには、新たなコンセプトに取り組むことが大事です。チーム内の相互理解を深めて、よりオートマチックにプレーできるように、成熟度を高めていくことが大事になります。ただ、まだシーズンは始まったばかりです。この時期には大きなミスをして、それが試合結果に影響することもあるのは当然のことだと思います。

Q、選手の選択に制限があったとはいえ、開幕戦ではディエゴ オリヴェイラ選手を起用し、福岡戦は山下敬大選手を起用しました。そのポジションの選手を選択する際のポイントはなんでしょうか。
A、ふたりとも質の高い選手です。シーズンを通して、ふたりがチームに大きく貢献してくれることは間違いありません。彼らふたりのどちらを選択するのかということは、どのポジションにも言えることですが、相手チームの特徴を踏まえてというよりは、その週に選手のプレーを見た私の感覚に従って選択する形で選ぶことになると思います。


Q、彼らのポジションに監督が求めるタスクはなんですか。
A、まずは相手の守備のバランスを崩す動きをし続けることです。それ以上にゴールを決めることが求める仕事ですが、さらに攻撃に奥行きをもたらすための背後への動きも求めていますし、ライン間での動きも求めています。つまり、センターフォワードにはすべてを求めているということです。今の時代では、当然のことだと思っています。

Q、明日の対戦相手、セレッソ大阪には、日本代表経験のある選手が多くいます。注意しているポイントはありますか。
A、もちろん質の高い選手たちが多いことは認識しています。余裕を与えてしまうと良いプレーをされてしまうことは当然です。そして、コンビネーションプレーを重要視するチームだと思います。我々もコンビネーションプレーを重視しているわけですが、相手チームよりもアグレッシブなプレーを求めていきたいと思います。我々にも質の高いベテラン選手が複数います。それに加えて、大胆なプレーをする若手選手が複数出てきているので、彼らにも引き続きチャンスを与えたいと思います。そういう意味でも、明日の試合が誰にとっても魅力的な内容になることを期待しています。相手チーム以上に決定的なチャンスを作り、より多くのゴールを決めて勝ちたいと思います。


Q、若い選手を積極的に起用される印象があります。
A、川崎戦で(松木)玖生をスタメンで起用しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響などをまったく考慮することなく、彼がスタメンに相応しいと感じたので起用しました。若手選手にチャンスを与えることに注目されていますが、年齢というものはピッチの外では重要になると思います。ピッチの外では、目上の人をリスペクトしなければいけません。しかし、ピッチに入った瞬間に年齢は関係ありませんし、私も年齢を気にせずに選手選考をしています。その中で、ベテラン選手のチャンスもあるでしょうし、若手選手にも同様のことが言えます。そのバランスを良い形で保ちつつ、良い選択をしていきたいと思います。日本でプレーしている若手選手は、より成長したいと思うのであれば、ぜひともFC東京に集まってほしいと思います。