INTERVIEW 2026.9.11

ホーム開幕戦に向けて|U-21 FC東京 佐藤由紀彦監督

Q、まずクラブとして、U-21 FC東京というカテゴリーをどういう位置付けで考えているのかお伺いします。FC東京ではどのような取り組みとして考えているのか、監督という立場でお聞かせください。
A、近年、アカデミーから非常に良いタレントが出始めていて、色々な方が蒔いた種が少しずつ花になりつつある状況です。彼らにより高いレベルでの公式戦での出場機会を与え、成長を加速させる目的で、そこで自分が監督をやらせてもらえるというやりがいを感じています。最終的には、ここからJ1リーグの試合に絡むメンバーを今シーズン中に何人送り込めるかというところ。あとは他クラブでもそうですが、近年は出場年齢や最年少記録がどんどん若くなっていて、他クラブでも今すでにJ1リーグでしっかりレギュラーとして出ている選手もいますので、選手の発掘という側面もあります。

Q、アカデミーの選手たちをもう一つ上の段階へ引き上げるという役割もあると思います。そういう点で、この取り組みが持つ意味をどのようにお考えですか。
A、正直、やってみなければ分からない部分はありました。ですが、味の素フィールド西が丘でのU-21 Jリーグ開幕戦では、ファン・サポーターの方々が本当に素晴らしい雰囲気を作ってくださいました。特にFC東京U-18の選手たちは、あのような環境でサッカーをやることが初めてだったと思います。そういう環境面での刺激を与えながら、トップチームの若い選手と融合していくということは、やってみて非常に面白いなと感じました。

Q、チームを率いるにあたって、監督が今意識していることは何でしょうか。
A、一番は、個人の能力や個性が見えやすい環境づくりをしたいと思っています。もちろんゲームモデルやトップチームがやっているサッカーがあり、アカデミーもトップチームの若手選手も同じことをやっているのですが、そのなかでより個人が目立つような誘導をしてあげられたらなという気持ちです。複数で打開するのか、あるいは独力でいくのかという場面で、我々もそうですし、ファン・サポーターのみなさんがプレーをパッと見た時に、「あ、あの選手!」と、ときめきを与えられるような誘導ですね。それは声かけかもしれませんし、ヒントかもしれませんが、一番は選手が自分自身でその瞬間を掴むものだと思うので、様々な試みでそういうものを引き出せたらと思います。

Q、先ほど「トップチームがやっているサッカー」というお話がありましたが、開幕戦ではトップチームのように攻守がシームレスで、速攻と遅攻を織り交ぜながら、即席チームとは思えないほどの完成度だったと思います。
A、アカデミーとトップチームが同じゲームモデルでやっているということと、クラブの特長である『出入りやつながりのある環境』の成果だと思います。アカデミーの選手が活躍すればトップチームの練習に参加できる環境があり、彼らはそこで雰囲気や強度を体感して、アカデミーに帰りそれを還元していく。そこから派生していくんです。そういう背景もあり、選手たちは非常にスムーズに理解してやってくれています。

Q、選手たちに話を聞くと、佐藤監督について「アカデミーの時から自分たちのことをよく分かってくれているので、すごく分かり合えている感じがある。でも試合が始まったら本当に熱い人で、その熱さで自分たちのモチベーションが上がる」と言っていました。
A、一番のテーマは「躍動させたい」というところからの逆算なので、そこに答えはないですし、決まった手段もありません。選手の顔を見ながらとか、会話にヒントが転がっていたりするので、本当に日々の携わり方ですよね。ただ、最近はアカデミーの選手たちとなかなか頻繁に関わることができないので、彼らが来た時にはなるべく接しながら表情を見るようにしています。

Q、今週末はU-21 FC東京として初めてのホームゲームが開催されます。この試合に向けてどのように考えていますか。
A、トップチームは大阪、私たちは夢の島に分かれるわけですが、ここはファミリーなので、先に我々から試合が始まるので良い結果を繋げたいと思っています。また、U-21に出場する選手がめざすのは次のU-21の試合だけではなく、いかに次週のトップチームの試合に絡むことができるか。固定メンバーもいない環境で、どれくらい羽ばたいていってくれるか。U-21 ジュビロ磐田戦をターニングポイントになるゲームにして、そこから一気に跳ねる選手が出れば、これほど喜ばしいことはありません。

Q、U-21 ジュビロ磐田はFC東京にも在籍した安間貴義監督が指揮を執ります。対戦という面ではいかがでしょうか。
A、とても影響を受けた指導者ですし、人間的にも非常にたくましい人なので、私自身はチャレンジャー精神でぶつかっていきたいです。また、少し抽象的な言い方になりますが、夢の島で躍動する選手がどちらのチームにより多くなるのか、というところが勝敗を分けるのではないかと思います。

Q、今回、U-21を初めて見るファン・サポーターもいると思いますが、改めてどんなところに注目してほしいですか。
A、U-21 FC東京のことや選手のことが分からないというファン・サポーターの方もいると思うので、だからこそ強いインパクトを与えたい。ここで活躍する選手を追いかけていくうちに、彼らが羽ばたいていくストーリーを見られるのも楽しいのではないかと思います。『FC東京が好き』というのもあると思いますが、『この選手が好きで、そこからFC東京が好きになる』というパターンもあっていいと思います。また、ここに出場するアカデミーの選手が、トップチームに上がらなかったとしても、大学などを経由して数年後にまた東京に戻ってくるストーリーもあり得ます。アカデミー出身選手やU-18プレミアリーグでのプレーも観に行きたくなるとか、U-21を通して東京への愛着や興味が広がってくれたら嬉しいです。U-21リーグは試合数も少ないですし、「濃く、強くやっていこう」ということは開幕戦の試合後にも話しました。同じメンバーでやることはおそらくないので、気持ちの面でもどれくらい目線を合わせられるかというのもポイントになってくると思います。そして、とにかく選手が躍動してくれれば大成功ですね。