REPORT 2026.9.02

9/2 清水戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー

攻守が噛み合って連勝街道を突き進んできた東京。無失点での公式戦3連勝という結果が、ここまで積み上げてきた取り組みを確固たる自信に変えつつある。明治安田J1リーグで5位まで浮上してきたとはいえ、まだまだ巻き返す途上。ここから上位を追撃し、優勝争いに加わっていくためには今節の勝利が必須となる。

対する清水エスパルスはここまで1勝3敗。開幕戦で勝利を手にしたものの、そこから0-1のスコアで3連敗を喫している。東京としてはホームで意地を見せたい清水に立ち位置で優位性を生み出して相手のプレスを機能不全に陥らせ、球際を制しながら柔軟な攻撃を披露して攻守両面で相手を上回っていきたいところだ。

この試合が5連戦の4試合目。松橋力蔵監督は中3日のゲームとなることを受けて、前節から先発メンバーを4名変更。ゴールキーパーはキム スンギュ選手、最終ラインは右から石原広教、アレクサンダー ショルツ、森重真人、橋本健人の各選手が4バックを編成した。石原選手は第3節以来のスタメン出場、右サイドバックとしては移籍後初スタメンとなった。ボランチは高宇洋選手と常盤亨太選手のコンビ。アタッカーは右に安斎颯馬選手、左に本間至恩選手を置き、2トップにはマルセロ ヒアン選手と長倉幹樹選手が入った。

また、長友佑都選手がリーグ戦では今シーズン初のメンバー入り。さらにベンチには流れを変えられる“ゲームチェンジャー”たちが多く名を連ね、まさに総力戦で勝点3をもぎとりにいく構えでアウェイゲームに臨むことになった。 

1st―徐々に主導権を握り清水ゴールへ迫る

立ち上がりはアグレッシブに出てきた清水のペースに。だが、東京も落ち着いて対応すると、最終ラインとボランチを中心としたボールの出し入れで崩しどころを探りながら主導権を引き寄せていく。前半9分には長倉選手の折り返しを受けた本間選手がペナルティエリア内で細かなカットインから右足を振り抜く。前節のゴールシーンを思わせるようなプレーだったが、これは相手にブロックされてゴールネットは揺らせない。

一進一退の攻防が続いた前半16分、橋本健選手の浮き球パスを中央で巧みにトラップした高選手がドリブルで持ち上がってスルーパス。これに抜け出したヒアン選手が右足で狙ったが、相手ゴールキーパーに阻まれてしまう。

立ち上がりこそ五分五分の展開だったが、東京が流れを引き寄せるパスワークと、球際の勝負を制したところから展開される鋭いカウンターを見せ、攻守両面で徐々に上回って主導権を握る時間を増やしていく。なかでも出色のプレーを見せているのが、左サイドバックの橋本健選手。本間選手との連携から中央に入り込んで右足で鋭角のスルーパスを差し込むなど存在感を発揮し、何度も決定機を演出していった。

だが、清水もハイプレスとボールをつなぐスタイルで奮闘。試合は再び互角の展開となっていく。東京は角度をつけたパスで崩しを狙い、速攻と遅攻を織り交ぜながら攻め込んでいくが、あと一歩のところで決めきれない。

1分間と表示された前半アディショナルタイムには、常盤選手が中盤で相手からボールを奪いとって縦方向へパス。これに抜けたヒアン選手が持ち直して右足で狙うが、またも相手ゴールキーパーに阻まれて先制点には至らない。

試合はスコアレスのまま前半終了のホイッスル。決着は後半に持ち越されることになった。

2nd―安斎弾で先制も直後に失点。終盤の猛攻も実らずドロー

ハーフタイムに左アタッカーを入れ替えてきた清水に対して、東京は選手交代なし。前半同様のメンバーで勝利をめざすことになった。

後半立ち上がりからともにチャンスを作り合う展開に。清水がクロスボールからのヘディングで決定機を生み出せば、東京はヒアン選手が敵陣深くまで切り込んでの折り返しから長倉選手が巧みにコースを変えるシュート。だが、これは惜しくも左ポストを叩いてしまう。

一進一退の攻防から均衡を破ったのは東京だった。後半5分、長倉選手がカウンタープレスで相手からボールを奪うと、本間選手が果敢に仕掛けてクロスを上げる。ファーサイドの安斎選手が右足でダイレクトボレーシュート。一旦は相手のブロックに阻まれるが、こぼれ球を拾った長倉選手が冷静に落とし、再びボールを受けた安斎選手が左足で強烈に突き刺してゴール!  厚みのある攻撃を見せた東京がアウェイで先制点を奪った。



このまま試合を進めていきたい東京だったが、後半8分に猛然とプレスを仕掛けてきた相手にスンギュ選手がキックを当ててしまい、そのままゴール方向に飛んで失点。先制した直後に試合を振り出しに戻されてしまう。

清水は後半19分にオ セフン選手を投入。相手が前線に高さのある選手を送り込んできたことを受け、東京が清水の攻撃にどう対応していくかも試合の行方を左右するポイントになりそうだ。

押し込みながら勝ち越しゴールを狙う東京。後半26分には石原選手の右からのクロスボールでチャンスを作ると、こぼれ球を拾った常盤選手がシュート。このルーズボールに反応した安斎選手がペナルティエリア内で蹴られてPKを獲得する。だが、ここでVARのサポートが入り、安斎選手にオフサイドがあったとしてPKが取り消しになってしまう。

仕切り直して勝ち越しを狙いたい東京は後半31分、ヒアン選手、本間選手に代えて佐藤恵允選手と俵積田晃太選手がイン。俵積田選手は左アタッカーに、佐藤選手は長倉選手と並んで2トップのポジションに入った。

攻勢を強める東京は同33分、安斎選手が右サイドをえぐってゴール前に切り込んだところで倒されるもノーファウルと判定される。一度はVARのサポートが入ったが判定は変わらず、PKを得ることはできない。同40分には安斎選手のサイドチェンジから俵積田選手がドリブルで仕掛け、カットインから右足シュート。これがブロックされたこぼれ球を常盤選手が狙うが、再び相手にブロックされてしまう。

東京の猛攻は続く。後半43分、ドリブルで持ち上がったショルツ選手のクロスをドンピシャのタイミングで橋本拳選手がダイレクトボレーシュート。だが、右足でしっかりミートしたキックは惜しくもクロスバーを直撃してしまう。

6分間と表示された後半アディショナルタイムも、勝ち越しを狙って攻め続ける東京。こぼれ球を拾って果敢に二次攻撃、三次攻撃を仕掛けていく。清水も負けじと圧力を強めてクロスボールを放り込んでくるが、東京守備陣も集中したディフェンスで跳ね返して対応。懸命のプレーを続けていく。

試合はこのまま1-1で終了。アウェイでの激戦は決着がつかず、勝点1ずつを分け合う結果となった。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、試合を振り返ってください。
A、非常に悔しい勝点1のゲームになってしまったというのが率直な今の気持ちです。ただ、選手は90分間、最後まで勝点3をめざして必死に戦ってくれたというのは、しっかり認めなくてはいけないと思います。また次節に向けて良い準備をして、良い感覚は残したまま次節を迎えたいと思います。

Q、今シーズン初スタメンとなった安斎颯馬選手が得点を決めました。今日のプレーをどのように評価していますか。また、このようなゲームを勝ち切るために必要なことを教えてください。
A、安斎選手は右でも左でも、攻撃の部分はもちろん、守備に対する意識も非常に高く、そういった部分は彼の良さでもあります。その良さがしっかりとチームに貢献するなかで生まれた得点でしたし、非常に素晴らしい活躍をしてくれたと思います。

こういうゲームを勝つうえで、我々がもう一段上げなくてはいけないと思います。ああいう失点をしてしまうということは、何かまだ我々に足りないものがあるということです。もちろん、みんな失点をしようと思ってしているわけではありません。本当に一瞬のジャッジですけれども、その前にもっとできることは当然ゲームのなかであったと思います。一瞬の判断、一瞬のポジショニング、予測など、いろいろなものがあると思いますが、やはりゴールから遠ざけて、どう次につなげるかというところは、本当に小さなことかもしれませんが、そういうものをもう一段上げなければいけません。

ジャッジに関わる部分もそうです。PKになり得るようなシーンがいくつかあったなかで、一つもPKにはなりませんでした。もちろん、選手たちはもらいにいっているわけではないと思いますが、そこでしっかり倒れずに前に入っていく。そのうえで相手のファウルとなれば、自然なファウルになると思います。やっている選手は別にもらおうと思ってプレーしているわけではありませんが、そういうものが我々のほうに転がってくるように、そこをもう一段上げなくてはいけません。結局は自分たちで勝点2を失ったようなゲームですので、もう一度自分たち自身を見つめ直さなくてはいけないと思いますし、さらに意識できることをもう一段上げなくてはいけないと思います。 

Q、同じく右サイドバックで初スタメンとなった石原選手の評価をお願いします。
A、ここまでは左で途中から出るケースが非常に多かったなかで、彼も左右できるマルチな部分があります。攻撃の部分、守備の部分でも非常に献身的ですし、粘り強さもあります。高さはありませんが、空中戦のなかでもしっかりと良いポジションをとることや、クロスボールを上げさせない粘り強い守備など、そういう部分は今日のゲームでしっかりパフォーマンスとして出してくれたと思っています。 

Q、ゴール前での攻撃について、もう一段上げていく必要があると感じている部分を教えてください。
A、もちろん課題感はあります。相手がゴール前に人数をしっかりかけて守ってくるということは、戦前から我々も分かっていた部分がありました。そのなかで、ハーフタイムに少し修正を加えたうえでのアプローチは、しっかりできたと思います。あとはゴールを割るのは選手ですし、そこをしっかりと決めていかなければいけません。昨シーズンの話ではないですが、ゴール期待値が高いだけでは意味がないと思いますし、その期待値を超えていかなければいけません。単純に、そこは何とか決めてくれと。前半もいくつもチャンスがありましたし、技術的なミスや判断のミスというものは当然つきものですが、そこをやはり上げていかなくてはいけないと思います 

選手インタビュー

安斎颯馬選手

Q、ナイスゴールでした。なかなか前半に決め切れないなかで、あのゴールはかなり大きかったと思いますが、どういう気持ちで振り抜きましたか。
A、長倉幹樹選手がすごく冷静にパスをくれたので、僕はもう決め切るだけでした。

Q、その後すぐに失点があったなかで、なんとかチームを勝たせようという動きやプレーが、上から見ていても感じられました。どういう気持ちでプレーしていましたか。
A、まず、ああいうことは起きることではありますが、今シーズン2回目なので、チームとして上をめざすうえでは、そこは許してはいけないということが大前提です。ただ、ああいったことが起こっても勝たないといけないですし、逆にそれでも勝ちを持ってこられるチームが上にいけるチームだと思うので、最後まで諦めずに戦いました。

勝点3を持って帰れなかったということは、あのミスだけではなくて、チーム全体としてもう1点をとる力がなかったということです。そこは本当に全員が上をめざす視点を持っているので、もったいないゲームだったかなと思います。

Q、二度、PKかと思われる場面があり、どちらかは認められてもおかしくない場面にも見えましたが、そこはいかがですか。
A、判定にどうこう言うつもりはないですし、僕も全力でプレーした結果です。倒れず、そのまま持っていける力をつけないといけないと思いますし、そのうえで本当に倒されたなら、それはしょうがないと思います。判定に関わらず結果を持ってこられるようにしたいと思います。

Q、純粋にリーグ初スタメンは楽しめましたか。
A、そうですね。僕自身、帰ってきて初のスタメン出場で、加えてやはり今のスタメン組には強烈な選手が多くいて、ライバルが強烈です。僕自身はその序列をひっくり返さないといけないと思っているので、今後も途中からであれ、スタートからであれ、勝利のためにすべてを懸けてプレーしたいです。もちろん自分の結果も欲しいですが、すべては勝利のためです。

Q、この勝点1を次につなげていきたいですね。
A、もう終わったことは取り返せないので、次勝つしかありません。上にプレッシャーをかけ続けることしかできないので、まずは中3日、京都サンガF.C.戦がホームであるので、そこで勝点3をしっかりとれるように準備していきたいと思います。

橋本健人選手

Q、リーグ戦では開幕戦以来となるスタメン出場でした。ご自身のコンディションとプレーについてはいかがでしたか。
A、コンディションがとくに良かったわけではありませんでしたが、その分、頭を使ってプレーできた部分もありました。自分はフィジカルで勝負するタイプではないので、相手より早く予測し、準備することを意識しています。守備では先回りしてカバーする場面を作れましたが、攻撃ではもっと前向きに関わり、オーバーラップする回数を増やしたかったです。

Q、勝ち切れなかった要因をどのように捉えていますか。
A、ミスがなければ勝てたという単純なことではないと思います。判定など自分たちではコントロールできないこともありますが、そのなかでも決めるべきチャンスは前半からありました。試合中に起きたことに対して、一人ひとりがもう一段、二段とレベルを上げて対応しなければいけないと思います。事前に準備した形を出すだけではなく、試合の流れに応じて自分たちで修正して、勝利につなげる力が必要だと思います。

Q、直近の試合ではセットプレーからの得点も生まれていて、今日の試合でもチャンスはあったように感じましたが、ご自身の感触はいかがでしょうか。
A、中に入る選手との意思疎通が良くなっていると感じています。選手たちが以前よりもセットプレーをチャンスだと捉えて、ゴール前へ自信を持って入ってきてくれていることも伝わってきます。あとはキッカーである自分が、そこへしっかりとボールを合わせなければいけません。セットプレーからさらに得点できるようになれば、チームとして勝点を積み上げ、優勝に近づくための大きな力になると思っています。

Q、左サイドでプレーする選手たちとの関係性はいかがですか。
A、本間至恩選手は周囲の選手を活かす動きもできますし、自分自身が活きるための動きもできます。関係性を作りやすいですし、一緒にプレーしやすい選手だと思います。お互いの立ち位置を見ながら、外と中を使い分けることで、より良い形を作っていきたいと思っています。また、後ろで森重真人選手がうまくボールを持って、自分の立ち位置を見てくれることで、自分がより高い位置をとれるようになっていましたし、それによって自分の特徴も出しやすくなっていると思います。

Q、チーム内の競争や現在のチーム状況をどのように感じていますか。
A、直近の試合を通じて、誰が出ても勝てるという自信はチームの中に生まれていると思います。競争もありますし、それぞれが試合に出た時に自分の役割を果たそうとしています。ただ、今日のような試合を勝ち切るためには、チャンスを決め切ることや、後半も運動量を落とさずに圧力をかけ続けることが必要だと思います。

Q、次節は中3日で、ホーム味の素スタジアムでの試合となります。意気込みをお願いします。
A、ここでしっかりと勝つことが重要です。勝利して上位チームにプレッシャーをかけ、優勝争いを続けていきたいと思います。

常盤亨太選手

Q、試合を振り返っていかがでしたか。
A、勝たなければいけないゲームを引き分けてしまった。それだけだと思います。

Q、今季リーグ戦では初のスタメンでの出場でした。試合に入る難しさはありましたか。
A、それはまったくありませんでした。本当にチームが良い流れで来ているなかで自分もチャンスをもらえたので、難しさよりも楽しさやワクワク感、それにプラスして責任感がありました。自分のなかではいつもと変わらず良い入りができましたし、自分のプレーは出せたと思います。

Q、守備面でもハードワークして、フル出場を果たしましたが、個人的には手応えはありましたか。
自分がやるべきことは最低限はできたと思います。ですが、個人としてもっとできることを本当に増やさなければいけないと思います。何より、チームとして結果を残すことができませんでした。自分が試合に出て、勝てていないという時点で、評価はないのかなと思います。

Q、攻撃面でも前に出ていくプレーが多く見られましたが、そのあたりも意識していましたか。
A、ボランチの2人で会話をしながら、本当に良い関係性でプレーできていました。どちらかが後ろにいれば、もう一人が前に出るという前後の関係性のなかで、自分が出ていく場面もありましたし、高宇洋選手が出ていく場面もありました。そのあたりは、うまくできていたのかなと思います

Q、次節は5連戦のラストとなる京都サンガF.C.戦です。次節に向けての意気込みをお願いします。
A、もう本当に勝つだけだと思います。優勝するためには次こそ勝たなければいけません。自分たちは優勝をめざしているチームなので。勝ちます。