INTERVIEW 2026.6.10

【シーズンレビュー】深化と成長|室屋成選手

Q、シーズン全体の総括からお願いします。
A、シーズンを通して、チームが成長していることを実感できました。シーズン中の数試合では、松橋力蔵監督が就任してから積み重ねてきたベースとパフォーマンスが発揮できたと感じる試合もありました。順位こそ自分たちのめざしていたところには届きませんでしたが、それでも十分に可能性のある戦いやパフォーマンスを発揮できたと考えていますし、その点はとても誇りに思っています。来シーズンに向けても、自信を持って臨めるような戦いができたのではないかと思っています。

Q、ピッチ上で感じられたのは、昨シーズンからの積み上げでしょうか。それとも、今シーズンからの変化でしょうか。
A、個人として積み上げの部分を感じていました。ベースとなる部分は特に昨シーズンの後半戦から構築できていると感じています。それに加え、今シーズンはボールを保持するなど、チームの色を出せるようになってきました。それがプラスアルファとしてチームにうまく乗せることができたと考えています。

Q、先ほどのお話で、松橋監督になってからベストに近いパフォーマンスを出せた試合もあったとのことですが、ターニングポイントや特に印象に残っている試合があれば教えてください。
A、勝っていれば、と思う試合は簡単に思い浮かびますが、最終的に1位で終わることができなかったため、『これがターニングポイントになった』と明確に言えるものはありません。しかし、MUFGスタジアム(国立競技場)での横浜F・マリノス戦や、難しい状況で逆転勝利できた東京ヴェルディ戦などは印象に残っています。横浜FM戦の前には柏レイソルに敗れましたが、チームの調子が良いなかで一度落とした後、横浜FMに勝利し、良いパフォーマンスを見せて自分たちで流れを引き戻すことができました。敗戦後に沈まなくなったところに、チームとしてのメンタリティの強さや成長を感じます。
チームの調子が良かった要因として、連敗をしなかったことが挙げられます。すぐに修正し、自分たちが大切にしているベースをしっかりと持っているからこそ、すぐに対応できる。昨シーズンからの積み重ねがあり、自分たちのなかで大切にしている部分をチームとして共通認識できているからこそ、大きく崩れなくなったのだと思います。

Q、今シーズンは始動から、松橋監督が「優勝にふさわしいチームになっていこう」という言葉をかけ続け、選手の口からもシーズンが進むにつれて「本当に優勝したい」「優勝をめざす」という発言が多かったように感じます。実際に手が届きそうだったこの半年の特別大会ですが、優勝への想いにどのように向き合って戦っていましたか。
A、松橋監督も話していましたし、個人としてもタイトルを本気で獲得したいと思っていました。その気持ちと同様に、自分としてはまず上位争いに加わり続け、優勝争いに絡める位置をキープし続けたいという側面もありました。優勝したかったですし、シーズンを通してそれを狙えるチームになっていった感覚はあります。しかし同時に、毎年上位を争えるチームになっていかないと、タイトルを獲得するのは難しいということも感じました。

Q、実際に優勝するために必要なことについて、今シーズンを戦って何を感じましたか。
A、やはり高いパフォーマンスを維持し、浮き沈みを少なくすることが重要だとあらためて感じました。鹿島アントラーズなどを見ていると、その点を強く感じます。来シーズン以降は半年間ではなく、1年間を通じた戦いになります。年間を通して今のベースをパフォーマンスとして発揮し、毎シーズン優勝争いやAFCチャンピオンズリーグエリート出場圏内を狙える順位で戦い続けるチームになっていかないと、タイトルは近付いてこないと感じました。

Q、個人としては4ゴールを記録し、キャリアハイの数字となりました。より攻撃的に戦えた理由をどのように感じていますか。
A、戦術的な細かい部分や、個人的な立ち位置なども理由はありますが、単純にチーム全体で深い位置まで押し込めるようになっていることが挙げられます。サイドバックとして前線へ上がることは多少のリスクを伴いますが、相手のファイナルサードで、チームとしてしっかりとボールを保持できるため、自分がペナルティエリア内に侵入できる回数が増えてきたことが大きな要因です。

Q、今シーズンをキャプテンとして過ごされましたが、キャプテンとしての役割や見られ方、自身の振る舞いについてどのように振り返りますか。
A、まったく意識していないと言うと語弊があるかもしれませんが、キャプテンとして過度に意識することなく、自然体でシーズンを通してプレーし、立ち振る舞うことができたと思います。松橋監督も自然体であることを大切にしてくれる監督ですし、選手たちもフレンドリーに接してくれます。「キャプテンとしてこのように振る舞わなければいけない」と考えることもなく、全員に助けてもらいながら、同じ目線で支え合って戦えたシーズンだったと思います。
そのなかで、やはり年齢が上の選手たち、森重真人選手や東慶悟選手、長友佑都選手などが陰ながら支えてくれました。自分が自然体でいられるように、やりやすいように立ち振る舞ってくれたのだと思います。そういったサポートがあったからこそ心強く、自分も自然体でキャプテンを務めることができました。

Q、長くクラブを先頭で引っ張ってきた東慶悟選手が契約満了となり、昨シーズンのキャプテンとしてチームを牽引していた小泉慶選手がチームを離れました。彼らの功績やチームメイトに対する振る舞いについて、どのようなリスペクトがありますか。
A、東慶悟選手は14年もの間、東京でプレーし続けました。それがどれほど難しいことかは、サッカー選手であれば誰もが理解できますし、本当に心からリスペクトしています。サッカー界において別れはつきものであり、寂しいものです。自分もいつかそうなるわけですから。新天地でプレーする選手たちには頑張ってほしいと思っています。小泉選手もキャプテンを務め、チームの先頭に立って戦ってくれました。そういった選手たちと仲間として一緒にプレーし、素晴らしい時間を過ごせたことを誇りに思います。

Q、これまでもそうですが、今シーズンは特にファン・サポーターの声援やサポートも大きな力になったと思います。
A、ホームだけではなく、アウェイゲームでも常に多くのファン・サポーターのみなさんが足を運んでくださり、声援で僕らを後押してくれました。本当に感謝しています。だからこそ、僕たちは「試合を見て応援したい」と思ってもらえるようなピッチ上での振る舞いや、サッカーに対する姿勢をしっかりと示さなければならないと強く感じています。来シーズンは、より強くなった姿をお見せし、さらに多くの方々に「東京を応援したい」と思っていただけるようなシーズンにしていきたいです。