マッチレビュー&プレビュー
前節・ジェフユナイテッド市原・千葉戦のレビュー
首位の鹿島アントラーズに勝点2差と詰め寄り、上位にプレッシャーを掛け続けるために、そして自力で逆転優勝する可能性を保ち続けるためにも90分間での連勝を伸ばしていきたい東京。しかし、試合は果敢なプレスや球際の激しさを見せてきたジェフユナイテッド市原・千葉に主導権を握られる展開に持ち込まれてしまう。
立ち上がりからチャンスを作られると、前半6分には最終ラインからのビルドアップを狙われてインターセプトを許し、カウンターを食らって失点。早い時間にリードを奪われることになってしまった。
それでも立ち位置や選手間の距離を微調整し、ボランチが最終ラインに落ちながら攻撃を再構築。佐藤龍之介選手が最前線から中盤に戻ってボールを引き出すことで徐々にリズムを作っていく。
前半39分には遠藤渓太選手の左からのクロスボールを稲村隼翔選手が押し込んで追いついたかと思われたが、これはVARのサポートでオフサイドが認められてノーゴールの判定に。前半終了間際にはマルセロ ヒアン選手の突破から佐藤恵允選手がボレーシュートを放ったが、惜しくもクロスバーを越えてゴールネットを揺らすことはできない。
後半に入っても稲村選手から鋭く縦に差し込むパス、高宇洋選手のインターセプトからのカウンターなど形を作る。後半25分には負傷離脱していた長友佑都選手、長倉幹樹選手をピッチに送り出して反撃態勢を整えた。
だが、直後の後半28分にサイドを崩されて追加点を許すと、続く同34分には直接フリーキックを決められて痛恨の3失点目。前線から押し込む時間帯を増やし、多くのチャンスを作っていったが決め切れず。絶対に勝利が必要だったゲームで0-3の敗戦を喫し、首位鹿島との差を5に広げられる結果となってしまった。
今節のプレビュー
『俺たちは止まれない 東京の力みせてやろうぜ』
東京ヴェルディとの大一番を翌日に控えた小平グランドのピッチが青赤の横断幕で彩られ、そこにこう書かれた手書きのメッセージが加えられた。この試合は負けられないのではなく、絶対に勝たなければならない。その想いはチーム内にしっかりと浸透している。
前節でジェフユナイテッド市原・千葉に敗れ、首位追撃のために続けてきた連勝が4でストップ。鹿島アントラーズとの勝点差が5に開き、最終節に待ち構える直接対決に逆転優勝の可能性を復活させるためには勝点を一つも落とせない状況となった。
もちろん勝ち続けなければならないことに変わりはない。そのタイミングで迎える東京Vとのゲームは、同じ味の素スタジアムを本拠地とする相手に負けられないという普段の対戦以上の意味を持つ重要な一戦となる。
キャプテンの室屋成選手は言う。「キックオフの笛が鳴った瞬間から自分たちの気持ちを示したい。もう言い訳はないですし、(前節の敗戦は)チーム全体も本当に悔しい想いがある。こうやって横断幕を張ってくれるのはすごく嬉しいし、気持ちは伝わっている。リバウンドメンタリティが問われるし、その部分をピッチで証明したい。とにかく勝たなければいけない試合になる」と。
アカデミーから青赤で育ってきた橋本拳人選手は青赤の横断幕で囲まれた環境で前日トレーニングに臨んだ心境を「しびれますね」と話しながら、「緊張感はある。本当に目の前の相手を全員で倒すんだという気持ちを見せたい。一緒に戦ってくれていることを感じるからこそ結果で恩返ししたいし、試合後に一緒に喜び合いたい」と想いを説く。
5連戦を締めくくる一戦は、特別大会におけるラスト3試合のスタート。東京にとってはまさに優勝戦線へ生き残るためのサバイバルマッチだ。松橋力蔵監督も「まだまだ可能性はあるし、その気持ちがなければダメ。絶対に諦めず、可能性を信じて戦っていくしかない」と話す。
自分を信じていれば勝利はついてくる──。チームとして、そう言えるだけの積み上げをしてきたことは間違いない。球際のバトルを制し、展開を的確に見極めた戦い方を選択し、決めるべきところ、守り切るべきところで勝負強さを出していく。誰が何と言おうと周りは気にするな。青赤の誇りを見せつけ、ピッチの11人とスタンドの後押しが一つになって味の素スタジアムに歓喜の、そして可能性をつなぐ勝利を。
松橋力蔵監督インタビュー

Q、前節は鹿島アントラーズの背中が遠のく結果となりましたが、試合後に考えたことや選手たちに伝えたことを教えてください。
A、まだ鹿島を捕まえていますし、その気持ちがなければダメだと思います。まだまだ可能性はあるので、鹿島を捕まえたら絶対に離すなと伝えています。絶対に諦めず、可能性を信じて戦っていくしかないと思います。
Q、次に向けて、前に進んでいくしかない状況だと思います。前節は悔しい結果となりましたが、次節へ向けて反省点を踏まえるとすると、どのような点になるでしょうか。
A、身体の動きというところで、自分たちでプランしていた点や準備していた部分でうまくいかなかったところがいくつかありました。ただチャンスも多くありましたし、そこが前節は決まりませんでした。我々は明治安田J1百年構想リーグの両グループのなかで、一番得点をとっているチームですし、その自信は失わずに、ゴールネットさえ揺らすことができれば、絶対に勝点3がとれるという自信は持っていたいです。反省というよりも、あのような試合になってしまったことは残念でしたが、試合が終わった瞬間、ロッカールームで全ての選手が次に向けて切り替えていたので、それで十分でした。
Q、このタイミングで迎える東京ヴェルディとの試合です。いつも以上に大切な一戦になります。
A、本当に、みなさんの想いもありますし、自分たちが上に進むためにも必ず勝たなくてはならないと思っています。『必ず勝つ』ということを僕は信じていますし、選手たちも『必ず勝つ』ということがあるなかでの、前節からの切り替えだと思うので、本当にそこに向かうだけだと思います。
Q、前回対戦は相手のタイトな守備に苦しめられる部分もありました。明日の試合でポイントになる点や、今の東京Vの印象はいかがでしょうか。
A、前回対戦を見返しましたが、決してそういうわけではなかったです。我々もチャンスがありましたし、相手にもチャンスはありました。何かに苦しんだというよりは、我々の色もしっかり出せた試合でした。もちろん東京Vの良さもしっかり出ていた試合だったのですが、そこでどっちにボールが転がるかというところの回数では、我々の方が多かった。明日はしっかりとゴールネットを揺らすことができれば必ず勝つことができると思っています。東京Vは常に全員がアグレッシブで、攻守において戦えるチームです。チームとして一つになっていると思うので、その一つになっているところの剥がれた部分を我々がついていかないといけないと思います。
Q、あらためてこの試合が持つ意味を一言で教えてください。
A、我々の目標を達成するうえで、大事な一戦です。
選手インタビュー
常盤亨太選手

Q、前節、途中からの出場になりました。前半は特に難しい試合展開になっていたように思いますが、ベンチから見ていていかがでしたか。
A、ジェフユナイテッド市原・千葉戦はキックオフから強度の高い圧力をかけてきていたなかで、そこに対応し切れなかったです。失点してからは、逆に千葉がブロックを敷いてきて、そこに対してどう崩していくのかが課題でした。中央をしっかりと堅めてくるなかで、あまり打開策が見つけられていないとベンチから見ていて思っていました。
Q、途中出場する際にはどのようなことを意識してピッチに入りましたか。
A、自分が出場してから2失点してしまっているので、そこは実力不足だったと思いました。1点差で試合を進められていればラストチャンスで1点決められれば、引き分けに持ち込めていたかもしれない状況で自分が出場してから、結局2失点して0-3になってしまったので、自分のなかでも不甲斐ないと感じていました。松橋力蔵監督が途中交代で出場する選手のことをゲームチェンジャーと表現しているなかで、自分自身が途中交代で出場したタイミングで、ゲームを良い方向に変えられなかったことが、自分の力不足というか、役割をまっとうできなかった部分で実力が足りなかったと感じています。
Q、その経験を次に活かすことが重要になると思います。
A、スタメンで出場した際には、流れや相手を見ながらプレーすることはできていますが、ベンチから出場して途中出場した際にゲームチェンジャーという立場で何ができのるか。途中から出場してゲームの流れを一気に変えられるような力というのはまだなかったので、もっと成長できるところだと思っています。もちろん全試合スタメンで出場したいですし、サッカー選手だったら誰もが90分間を通してプレーしたいという想いがあると思います。ですが、役割を与えられた時に、残り5分だとしても何ができるのかは今後のサッカー人生においても重要になると思っています。
Q、今シーズンはスタメンでの出場が多くあるなかで、前回の東京ヴェルディ戦はベンチからのスタートでした。悔しい思いもあったのでは無いでしょうか。
A、前回の東京V戦もスタートからやってやろうという思いもあったなかで、ベンチからのスタートになってしまい自分のなかで悔しさがありました。そのなかでも、東京V戦の時も自分が途中から試合に出場した時に流れを変えられなかったですし、今回も自分がピッチに立った際に勝たせられるプレーをすることが一番だと思います。自分のプレーがどうこうというよりはチームの勝利のために、良いプレーをしたいです。
Q、前回の東京V戦の後には「負けられない」ではなくて、「勝たなくてはいけない」とおっしゃっていました。今回は優勝するためにも負けてはいけない試合になると思います。
A 、優勝争いをするのであれば、もう3連勝するしかないですし、重要な試合であることは間違いないです。東京Vにかまっていられないというか、優勝するためなら本当に上を見てやるしかないと思うので、そこは東京Vが相手だから絶対勝ちたいとかではなくて、優勝争いするために勝たなければいけない、東京Vには絶対に勝たなければいけないという、この二つは絶対に譲れないです。逆に負けたらもう優勝もできないし、それこそ東京Vより順位が下になる可能性も出てきます。本当に一戦必勝で目の前の優勝をめざすために戦う目の前の相手が、今回は東京Vだったという考えで向かっていきたいと思います。
Q、今日も小平グランドに応援幕を張るなど、ファン・サポーターもサポートをしてくれています。そのファン・サポーターに向けてのメッセージをお願いします。
A、今朝、小平グランドに来た時に青赤の幕が張られていて本当にびっくりしました。あれがあると雰囲気が変わるというか、選手もより集中力が高まる環境になっていたと思います。明日の相手が東京Vで絶対に勝たなければいけないんだ、という雰囲気が出ていたので、ありがたいです。前節は不甲斐ない負け方をしてしまったにも関わらず、優勝に向けて後押しするチャントを唄ってくれていました。やはり、ファン・サポーターの方々は常日頃から、自分たちのことを100パーセント以上の力で応援してくれていると思うので、自分たちはピッチで100パーセント以上の力を出して、結果で恩返ししたいです。そして、試合後に一緒に喜びたいと思います。
遠藤渓太選手

Q、まずは前節の内容と結果を振り返ってどうですか。
A、相手も高いモチベーションで試合に臨んできました。最初の失点で勢い付かせてしまったと思いますし、難しいゲームにしたのは間違いないと思います。試合を通して、自分たちが勝ちにふさわしくない内容だったとは思います。
Q、チャンスが作れなかったわけではない試合だったと思います。
A、とはいえ、ゴールが入る匂いとか雰囲気がなかったことも事実です。ただ、優勝の確率がゼロになったわけではない限り、自分たちは勝つことだけを考えてやるだけだと思います。もう終わった試合なので、切り替えるしかないと感じています。
Q、自分たちがうまくピッチの中で切り替えていくために、ポイントがあれば教えてください。
A、シンプルなところで、自分以外に試合に出続けている選手もいたと思うし、そういった選手はもちろん疲労もあったと思います。そこで久しぶりに仕上げていた自分であったり、マルセロ ヒアン選手であったりが引っ張っていかなければいけなかったと思います。
Q、次節が東京ヴェルディとの試合という意味付けもありますが、優勝を見据えて戦ってきた自分たちのスタンスは、これまでと変わらないでしょうか。
A、もちろん東京Vとの試合ということで、負けてはいけない要因はいろいろあると思いますが、優勝を争う可能性が1パーセントでもあるのであれば、勝たなければいけない試合の一つではあると思います。こうした負けた試合の後にこの試合があるというのは、自分たちが試されているということだと思っています。
Q、東京ヴェルディとの試合は、今シーズンの対戦でもそうでしたが、拮抗した試合になる印象です。
A、前回の試合はベンチだったので外から見た印象ですが、向こうも気合いを入れてくるだろうし、 東京の優勝の可能性を少しでも減らせるなら、死に物狂いでそこを潰しにくると思います。固い試合になるかもしれないとは思いますが、最終的に自分たちが勝っていればいいと思います。
Q、そうなると、戦術的な面はもちろんですが、ベーシックな部分が求められるでしょうか。
A、そうですね。気持ちの部分で勝ったチームが試合に勝つのではないかなと思います。
Q、遠藤渓太選手は、過去の対戦でもゴールを決めていますし、こうした大舞台に強い印象があります。
A、それは過去のことですし、もう終わったことなので。また新しいゲームを戦うので、そこに向けて準備している感じです。
Q、今シーズン、ゴール左斜めの位置からゴールを決めたり、決定的なシーンを演出しており、“型”ができている感覚がありますか。
A、シュートは年々上手くなっているし、自分の自信になっているところは少しあります。柏レイソル戦のゴールシーンはフィーリングが良かったし、(ゴール左斜めという)シチュエーションでしたが、今はシュートに割と自信がついてきたという感じです。
Q、攻撃では結果も出して役割を果たしていると思いますが、守備の部分で求められているタスクはどういったところでしょうか。
A、やはり右サイドに強烈な守備の能力を持っている二人がいるので、それに比べて自分はボールを奪い切るような部分は弱いとは思います。ただ、危ないところや戻るべきところには絶対に戻らないと今のチームでは試合に出られないという認識もあるし、みんながサボらずにやれているのが今のチームの強みかなと思います。
Q、最後に、東京ヴェルディとの一戦に向けて、ファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
A、ある意味、選手たちもファン・サポーターも試される一戦になると思います。もちろん前節で負けて自分も肩を落としましたし、ショックだったのは選手もファン・サポーターも一緒だと思います。それが現実だし、終わったことだと思うので、次のこの東京V戦でどれだけ反骨心というかリバウンドメンタリティを示せるかだと思います。それが楽しみです。




