INTERVIEW 2026.3.31

4/1 町田戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー&プレビュー

前節・東京ヴェルディ戦のレビュー

優勝争いに食らいついていくために──。今シーズンのターニングポイントとなるアウェイ3連戦での3連勝を懸けた重要なゲーム。いつもと異なるアウェイ側ゴール裏に陣取った青赤ファミリーからは、試合前から熱い応援が響き渡る。勝点4差の2位で首位の鹿島アントラーズを追う状況だけに、何としても勝利を手にしたい試合となる。

前節から6選手を入れ替えて総力戦で臨んだ大一番は、東京が序盤から可変システムを採り入れながら攻め手を探っていく展開となる。だが、相手が中央を固めて2トップを厳しくマーク。中盤やサイドバックから差し込むパスを封じ込まれて前線に起点を作ることができない時間帯が長くなっていく。

前半21分には右サイドで起点を作り、アレクサンダー ショルツ選手の縦パスに抜け出した室屋成選手の折り返しがオウンゴールを誘発したかと思われたが、その前にゴールラインを割っていたとして得点は認定されず。続く同27分には高い位置での連動したプレスで相手のミスを誘い、野澤零温選手が右足で狙うもゴール右へ。何度かチャンスを作りながらも再現性が低く、なかなか相手を崩し切れないまま前半を折り返すことになった。

迎えた後半、開始早々にビッグチャンスが訪れる。右サイドで室屋選手、佐藤恵允選手とつないだボールをファーサイドでフリーの野澤選手がシュート。しかし、これもゴール左に外れて決定機を活かすことができない。

キム スンギュ選手のファインセーブなど守備から勢いを出そうとするなか、後半32分には左サイドを抜け出した遠藤渓太選手の折り返しに山田楓喜選手が詰めてネットを揺らしたが、これはVARのサポートで遠藤選手がオフサイドポジションでプレーに関与したと判定されてノーゴールに。終盤に一気呵成の猛攻を仕掛けるも得点には至らず、決着はPK戦にもつれ込むことになった。

今シーズンのPK戦は全選手が決めて全勝という成績だったが、この日は一人目のショルツ選手、三人目の山田選手が止められて万事休す。全員が決めた東京Vに敗れて勝点1を得るに留まる敗戦を喫した。

今節のプレビュー

今節は、桜の花びらが舞う町田GIONスタジアムにJリーグの公式戦としては初めて乗り込み、FC町田ゼルビアと対戦する。町田のAFCチャンピオンズリーグエリートの準々決勝進出に伴う日程の変更によって、ここから中3日で2連戦を戦う。

町田とは過去公式戦で5度対戦し、1勝4敗。昨季は天皇杯準決勝でも対戦し、0-2で敗れて苦汁をなめた。その借りを返す2試合が始まる。

明治安田J1百年構想リーグは8試合を終え、町田は勝点17で2位につけている。東京は勝点1差の3位。首位鹿島アントラーズを追う両者にとっては、落とせない2試合となる。

町田はしっかりと中央を閉じる堅守と、徹底されたサイド攻撃が強みだ。松橋力蔵監督は町田を警戒しつつも「変に恐れる必要はない」と言い、こう続けた。

「クロスボールからの攻撃が彼らの主戦場で、そのこぼれ球を拾い、崩れたところを狙ってくる。勝負所で相手につけ入る隙を与えてしまうと、町田は読み違えない強さを持っている。攻撃の選択肢の目線がしっかりと合っているところが彼らの強み。印象的に、彼らのカラーは常に出ている。その波が来た時にどう抑え、抑え切ったところで、我々の攻撃の波につなげればチャンスは作れると思う」

激しい球際の争いも予想されるが、佐藤恵允選手は「強度でも負けるつもりはない」と言う。

「ただ、オレたちも昨シーズンから成長している。プレー強度も底上げできているし、相手の強みでも勝っていきたい。付き合うことは良くないけど、そこに付き合ってでも勝てるイメージはできている。いろいろな意味で圧倒したい」

さらに、この一戦では攻守のつなぎ目が互いの狙い所となる。切り替えの速さで相手を上回れるかに勝敗が懸かってくるだろう。その攻守のスイッチ役を佐藤恵選手が担うことになるだろう。

「サイドに振って、相手をいかにスライドさせて疲弊させるか。相手が走れなくなるまでボールを動かせるかが重要になる。そのためにも、まずは背後を狙わないといけない。後ろの選手にもそこを狙って欲しいと話している。だから、どんどん相手の背後をとっていきたい」

佐藤恵選手は昨シーズンの天皇杯準決勝の試合直後、悔しさで涙が頬を伝った。その涙を笑顔に変えるために、最後に「2連勝します」と、力を込めた。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、明治安田J1百年構想リーグも折り返しが見えてきました。前半戦最後の試合がFC町田ゼルビアで、後半戦最初の試合も町田になります。順位的にも重要な試合になると思います。
A、選手たちをどのように試合に集中させるのか、というところはすごく大事な点だとは思っています。どのように継続的に高いモチベーションを持たせ、力を発揮させられるのかが本当に大事だと思っています。やはり一過性では良くなく、一つのエネルギーが次の大きなエネルギーにつながることも十分承知しています。ですが、常に「目の前の敵が最強の敵」であるということが重要です。順位に関係なく、常に自分たちが戦う相手が今の我々にとっての最強の敵だという位置付けをしておかなければ、連勝しているなかで足元をすくわれてしまったり、過信してしまったりすることがあるかもしれないです。本当に大事な一戦であるということは間違いないですが、彼らには次の試合のことを考えずに、この一戦にすべてを懸けることを、どの試合でも彼らに伝えているので、そこを続けるだけだと思っています。

Q、昨シーズンの対戦時には試合中の修正力や攻撃時の迫力は素晴らしいものがありました。町田と試合をする上でどのようなことが大事になると思いますか。
A、変に恐れる必要はないと思っています。昨シーズンの2連戦も私は別に悲観するような内容ではなかったと思っていますし、ただ最後の勝負どころでどう決め切るのか。自分たちのエラーもあったというところで、隙を与えてしまった結果だったと思います。そういうところを読み違えない強さというのは、町田はもちろん持っていますし、そこをどう自分たちでコントロールできるかというのは、どの試合でも大事になってきます。やはり自信を持って我々ならできるという気持ちを大前提として持っていないといけないと思います。

Q、町田のストロングポインはどのようなところだとお考えですか。
A、クロスボールからの攻撃がメインではありつつも、セカンドボールだったり、こぼれ球であったり、そこで相手が少し崩れたところでの攻撃の選択肢などが、チーム全体で目線が揃っているところが彼らの強みかなと思っています。数字だけを見ると、決して高いものではないと思っています。彼らのカラーというものを出した戦いを常に続けているチームだと思いますし、相手の波が来た時にやはり自分たちでどのようにしてしっかりと抑え切るかが重要です。その抑え切ったあとに我々の攻撃の波につなげるようなことができれば、チャンスはたくさん作れると思っています。

Q、ここまでの8試合を振り返って、めざすところをブラさずにできてきていると思います。
A、ずっとやってきていることを少しずつ積み上げている段階です。本当にいろいろなものが良い方向に出る時もあれば、そうではない時もあると思います。ただ、正解ははないと思っているし、正解を持っているということ自体が僕は危険だと考えています。僕らの目的がゴールをめざすというところは当然のことなので、周りからはこんなスタイルを持っているよね、というところは確かにそう見えるかもしれないのですが、それはある意味手法であって、手法は柔軟でなければいけないと思うんです。理念は絶対に変えてはいけないと思っています。“理念は変えずに手法は柔軟に”その手法や手段というものに寄りかかりすぎて、本質から遠ざかってしまうことがあると思うので、トレーニングから意識するように取り組んでいます。常に流れのなかで起きることをどのようにして自分たちで良い方向に持っていくのか、ゴール方向にシンプルに持っていけるかというところはすごく大事だと思うので、手法や手段にこだわり過ぎて、そこの判断を間違えないようにしていきたいです。

選手インタビュー

田中颯選手

Q、チーム始動日からいつでも出場できる準備はしてきたと思いますが、出場のチャンスがあるこのタイミングになって、気持ちやパフォーマンスを発揮する準備はどうですか。
A、楽しみです。東京に加入する前から、いろいろな想定をしてきたなかで、準備はいつもしていましたし、これまで通りに結果と数字で自分を証明したい。それだけです。

Q、徳島ヴォルティスでスタメンとして試合に出場し続けたなかで、現役の韓国代表であるキム スンギュ選手を擁する東京に来るにあたっては覚悟もあったと思います。
A、ただ、自信があるからここに来ました。。可能性というか、ピッチに立てるか立てないかは、自分が一番分かっています。でも、なんと表現したらいいのか難しいですが、自信があります。だから、こういう決断をしました。始動してから約3か月くらいですかね? 加入して始動してからこれまでの間で、環境を新しくすることで、出会う人の人数も多かったですし、クラブで言えば、松橋力蔵監督、あとゴールキーパーコーチの二人(山下渉太GKコーチ、井上亮太アシスタントGKコーチ)もそうです。コーチングスタッフのみなさんがどんどん自分をアップデートしてくれています。アップデートするためにいろいろなアプローチをしてくれている。それに対して、しっかり結果で応えたいと思います。

Q、東京でのトレーニングで自分が積み上げてきたものはどうですか。
A、FC町田ゼルビアに知られてしまうから言えません(笑)。試合を観てもらえれば、いろいろ汲み取ってもらえるのではないかと思います。選手としての自分をしっかりとアップデートできている感覚はありますから。コーチングスタッフのみなさんは自分の強みも理解してくれているし、さらに良くするために、いろいろな角度からアプローチしてもらっています。それが自分にとってすごく良いことだし、ピッチレベルでそれを体感できているので、すごく充実しています。

Q、これまでベンチから試合を見てきたなかで、チームから求められる役割と自身の持ち味をどう発揮するのかについて、どう考えていますか。
A、今までもそうでしたが、同じチームにスケールの大きいゴールキーパーがいて、自分がどういったところで価値を生み出していくかというと、ここで言えることは少ないですが、きちんと数字で示せればいいと思います。試合ではさまざまな役割がありますが、ゴールキーパーはゴールを割らせないという最終的に問われるところは変わらないと思います。最初に言ったとおり、やはり楽しみだという気持ちが強いです。

Q、公式戦は久しぶりですが、試合勘は気になりませんか。
A、まったく気になりません。それこそ、これまでのキャリアで10試合前後の出場であれば多分緊張しますけど、本当にありがたいことに多くの試合経験ができました。まったく緊張もしていません。

Q、町田が相手ということを考えると、セットプレーを含めてゴールキーパーとして準備しておくことが多いと感じます。
A、相手のやり方に対する想定はそうですね。逆に自分たちの強みもありますし、東京の誰が町田の誰と対峙するのか、どこの場所でどういうことが起きるのかを整理したうえで、最終的に失点がゼロで終われる。そのために、分かりやすいストロングポイントがある選手が揃っているので、自分がそれを引き出すことができればと思います。時間の使い方であったり、90分を作れるようにしたいです。チーム内のコミュニケーションは問題ありません。すごくオープンマインドの方が多いので、すぐに受け入れてもらえました。そうした関わり方も含めて、良い方向に持っていけるのではないかと思います。

Q、最後に、ファン・サポーターにメッセージをお願いします。
A、この町田との2連戦は非常に大事です。今シーズンは短いので、その分も連戦で戦い、その結果はすごく重要になってくると思います。いろいろな時間帯があると思いますが、同じ感覚を共有しながら、一緒にその時間を過ごしてほしいです。そして、最終的にみなさんに勝利を届けられるように頑張りたいと思います。

佐藤恵允選手

Q、直近の試合ではチームとして表現したいことはできているものの、得点を奪い切れていない試合が続いています。
A、ビルドアップからの構築はしっかりとできていたと思うのですが、バイタルエリアに進入した時に、ブロックを敷いてくる相手に対して崩し切れないシーンがありました。相手を引き出してスペースを作ったり、大胆なランニングで背後を狙う動きをしていかないと相手のラインも崩れません。FC町田ゼルビアは前に強いチームなので、その背後をたくさんとっていきたいです。背後をとった後のシュートで、ゴールを決められるかが勝負を大きく左右するので、シュートの本数を多く打つことも大事ですが、それよりもシュート一本に懸ける想いをより強くして、一本で仕留める気持ちでやりたいです。

Q、昨シーズンの借りをようやく返せるタイミングがきました。
A、昨シーズンと一緒で連戦になります。2試合とも勝つのはとても難しいことは分かっていますが、今のチームであれば絶対連勝できると思っています。ここの連戦で連勝できれば、リーグ戦での順位が変わり見える景色が変わると思います。まずそこに向けて自分自身は昨シーズンの借りを返すつもりで、すべてをぶつけたいと思っています。

Q、連勝するために、まずは初戦での勝利が必要になります。
A、試合開始から相手にどんどんプレッシャーをかけて前線でボールを奪い、そのままショートカウンターを狙いたいですし、横浜F・マリノス戦みたいに立ち上がりで試合を決定づけるぐらいの勢いでやっていきたいです。町田が簡単に勝利できる相手ではないことも分かっていますし、守備も堅いチームです。ビルドアップで相手を剥がして空いたスペースを突いてゴールまで繋げたいです。相手には強靭なディフェンダーも多く在籍していますが全然負ける気もないですし、勝つイメージしかないです。そういう意味でも昨シーズンの借りを返したいです。

Q、優勝をめざしていくためにも、90分での勝利がより重要になると思います。連戦の初戦となるこの試合への意気込みお願いします。
A、リーグ戦の優勝が自分たちの目標です。今の状況を見ると優勝に向けてこの2連戦が一番大事だと言っても過言ではないですし、今順位争いしている町田との最初で最後の対戦になるので、この直接対決でしっかりと連勝して鹿島アントラーズに食らい付いていけるようにしたいです。