REPORT 2026.3.18

3/18 千葉戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー

今シーズンのターニングポイントになるかもしれないアウェイ3連戦の2試合目。中3日で迎える明治安田J1百年構想リーグ EASTグループ第7節のジェフユナイテッド市原・千葉戦は、前節からスタメンを6選手入れ替える形でキックオフを迎えることになった。 

守備陣ではゴールキーパーのキム スンギュ選手、右サイドバックの室屋成選手、センターバックのアレクサンダー ショルツ選手が開幕から7試合連続のスタメン出場。最終ラインの中央には稲村隼翔選手が第4節の柏レイソル戦以来となるスタメン復帰を果たし、左サイドバックには前節の前半で交代した長友佑都選手に代わって橋本健人選手が青赤初スタメンに名を連ねた。 

ボランチは小泉慶選手が今シーズン初スタメンで常盤亨太選手とコンビを組み、アタッカーは右に青赤初スタメンとなる山田楓喜選手、左には遠藤渓太選手が入った。そして最前線は長倉幹樹選手と並んで、こちらも今シーズン初めてスタートからピッチに立つ仲川輝人選手を起用。ここまで出場機会とゴールに飢えていた仲川選手の気迫に期待が集まる。また、バングーナガンデ佳史扶選手が今シーズン初のベンチ入り。高宇洋選手が第2節浦和レッズ戦以来のメンバー入りを果たした。  

ここまで5勝1敗、勝点12の3位。過密日程のなかではあるが、誰が出てもクオリティの落ちないサッカーを披露し、しっかりと上位に食らい付いていきたいゲーム。まさに総力戦となる一戦は、アウェイのフクダ電子アリーナで19:03にキックオフを迎えた。 

1stHALF—攻守に連動し多彩な攻撃で相手を押し込む

試合は立ち上がりから東京がアグレッシブなプレーを見せて相手陣内に攻め込んでいく。相手のロングボールにしっかりと対応しながら、前線からの果敢なプレスや鋭い予測からのインターセプトでシームレスに攻撃につなげ、攻めては最終ラインからの持ち上がりに加えて2トップが流れるような連携を見せて主導権を握る。 

ボランチがタイミング良くセンターバックの間に落ちてビルドアップに関与し、両サイドバックに攻撃参加を促すのもここまでの特長。相手にボールを持たれても複数選手で囲い込んで数的優位を作り、危ないシーンを作らせない。奪ってからパスコースを作る意識も高く、序盤は東京の良さが目立つ形で時間が経過していった。  

一気に攻撃のスイッチを入れ、流れるようなパスワークと厚みのある攻撃を見せる東京。前半8分には橋本健選手が斜め方向に差し込み、仲川選手、遠藤選手とつないで長倉選手がシュート。同18分には中央で受けた山田選手のパスから右前方に抜け出した長倉選手がクロスボールを送り、中央の室屋選手がヘディングシュート。ゴールキーパーに防がれたこぼれ球を仲川選手が狙うなど、先制まであと一歩のところまで迫っていく。  

前半26分にはカウンターから遠藤選手が仕掛け、こぼれ球を拾った常盤選手がミドルシュートを放つと、ペナルティエリア際でブロックに入った相手選手がハンド。一旦はフリーキックと判定されたが、VARのサポートでPKに変更される。このビッグチャンスをショルツ選手が右足できっちりと沈め、東京がついに先制のネットを揺らすことに成功した。得点直後に選手たちが声を掛け合って気持ちを引き締め直す姿は、開幕戦や前節の教訓が活きていることを感じさせるシーンでもあった。 

東京の猛攻は続く。同37分には山田選手の右コーナーキックからペナルティエリア内で巧みな動きを見せた長倉選手がファーサイドでヘディングシュート。だが、これはゴール寸前で相手にクリアされて追加点には至らない。 

 相手の良さをほとんど出させず、4分間のアディショナルタイムを経て東京が1点のリードで前半を終えた。 

2トップが交互に中盤に落ち、ボランチは最終ラインでビルドアップに加わるだけでなく落ちてきたフォワードとシャドーで並ぶような4-3-3に近い可変システムを実現。高い位置でボールを奪ってからのショートカウンター、自陣に引き込んで一気にスピードアップするロングカウンター、ワンタッチで相手守備陣を切り裂いていくアタックなど、相手を見ながら披露した多彩な攻撃パターンを後半も展開していきたいところだ。

2ndHALF—同点に追いつかれるもすぐさま勝ち越し、勝点3を獲得

メンバー変更なく後半に臨んだ東京に対して、千葉はハーフタイムに2選手を交代。ボランチに安井選手、フォワードに呉屋選手を投入して前線からの守備を含めて攻守にテコ入れを図ってきた。 

後半立ち上がりにハードなタックルを食らったショルツ選手が右足を痛めるアクシデントがあったが、何とかプレーを続行。先制点を決めた闘将は、その後も機を見た持ち上がりから攻撃の起点となるなど、果敢にチームを後方から支えていく。

前からの圧力を強めた千葉を崩し切れない時間が続いたが、後半15分には相手にボールを持たせてパスの出先を複数選手でカットし、一気に縦方向へワンタッチパスをつないでアタッキングサードへ入ると、最後は長倉選手がシュート。これは相手ゴールキーパーに阻まれたが、前半に見せていた流麗な攻撃の再現に追加点の期待が高まる形となった。 

東京は後半26分に最初の選手交代。常盤選手に代えてボランチに橋本拳人選手を、山田選手に代えて佐藤恵允選手を右のアタッカーに投入した。さらにその直後には仲川選手と遠藤選手から佐藤龍之介選手と野澤零温選手にスイッチ。2トップの一角に入った野澤選手は待望の今シーズン初出場となった。 

後半34分、左サイドで一瞬の隙を突かれてペナルティエリアへの侵入を許し、こぼれ球を押し込まれて同点とされてしまう。 

だが、まさに前節の教訓を再び活かすような形で東京が直後のプレーでネットを揺らす。同35分のことだった。 

右サイドでボールを持った佐藤恵選手が前方へパス。これに野澤選手が抜け出して巧みなトラップで勢いに乗ったまま持ち運んで横パスを出すと、ここに走り込んだのは佐藤龍選手! 同点にされたシーンでボールをロストしてしまった借りを返すような形で力強く蹴り込んで勝ち越しに成功。青赤ファミリーの目前でチームとしての成長を披露し、アウェイに駆けつけた仲間たちと歓喜を分かち合う一撃となった。


後半45分には橋本健選手に代わって、佳史扶選手が今シーズン初出場で左サイドバックのポイションにイン。1点のリードを保ったまま6分間のアディショナルタイムに突入した。  

90+2分にはカウンターからサイドを突破されて大ピンチを迎えたが、相手のシュートはポストを叩いてギリギリのところで難を逃れる。 

終盤まで動きの落ちない青赤イレブンは前線からの積極的な守備で自由を奪い、千葉のロングボールにも落ち着いて対応していく。ヒヤリとしたシーンこそ作られたが、その後は集中したディフェンスで試合をクローズ。選手が入れ替わるなかでもピッチに立った選手たちが素晴らしいパフォーマンスを披露し、攻守に東京らしさを披露してアウェイで見事に勝点3を獲得した。 

試合後、ゴール裏を埋め尽くした青赤ファミリーからは『眠らない街』の凱歌が響き渡り、次節に向けて大声援のチャントが送られた。 

松橋力蔵監督インタビュー

Q、試合を振り返ってください。
A、90分でしっかり決着がつけられたことは非常に嬉しく思います。選手の頑張りに感謝しています。 

Q、前半は強度が高い好ゲームだったと思いますが、後半は少し相手のペースになりました。そのなかでも勝てる流れがあったということでしょうか。
A、それは結果論です。前半は我々が準備してきたことを、選手たちが意識しながら良い状況を作るうえでの手段としてよく表現できていた部分はあります。ただ、そこで点がなかなか入らない。フィニッシュのところで決定機がありながら、そこで決められない。目的はやはり点をとることです。手段や手法が目的になっているような感じに見えなくもない部分はありながら、それをどう目的に結び付けていくかというところは突き詰めていかないといけないと思います。 

Q、前半に先制点をとれていたことが大きかったということでしょうか。
A、2点目をとれるチャンスはありましたし、そういうところでとり切れないところは我々に突き付けられている大きな課題ではあります。同じ話の繰り返しになりますが、(ゴール)期待値が高くても勝てなければ意味がないですし、期待値が高いなかで点を決められなければいけない。やはり上にいくチームは期待値を上回ってくると思います。そこは常に突き詰めていきたいと思います。 

Q、選手を多く入れ替えるなかで東京らしい素晴らしい試合を展開していました。スタメンで出場した選手の評価と総合力で戦うところについて教えてください。
A、非常に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたと思います。なかなか出場機会が得られない選手もいましたが、日常のなかでしっかりやっているからというところは当然あると思いますし、準備の手段を理解しながらプレーできていた部分はあると思います。それが目的にどう結び付くかということによって、それぞれの力がもっと発揮できたのではないかという、課題でもありますし良かった部分でもあると思います。 

Q、ボランチの2選手が、ディフェンスラインに落ちたり、前に出て行ってシャドーの役目をこなしたり非常に多くのタスクをこなしたと思います。二人に求めたこととパフォーマンスへの評価をお願いします。
A、ビルドアップに関わるという意味では、ボランチの選手が関わることは大きなタスクです。ただ、それが先ほど言ったような、ゴールに向かっていく、ゴールを奪うために形ばかりに頼るだけではなく、状況ごとに感じながら考えながらプレーできていたのではないかと思います。プレーの幅も広いですが、そこのスペースを作るうえでのウイングの選手の役割も重なってのことです。選手たちは、戦術的に準備してきたものをうまく発揮してくれたゲームでした。そういう意味で、彼らはすごく力を発揮できたのではないかと思います。 

Q、後半30分に投入した2選手が勝ち越しゴールに絡みました。彼らへの指示と評価をお願いします。
A、フレッシュな選手を入れてゲームをより良い方向にといいますか、サイドからの打開を狙って彼らを投入しました。そこにしっかりと期待に応えてくれたことは非常に嬉しいですし、続けていってほしいと思います。 

Q、佐藤龍之介選手ですが、得点の前にミスがあって失点につながりましたが、何か試合後に話したことがあれば教えてください。
A、あの……自作自演。そして、一応「ふざけるな」ということは言っておきました。みんなにもそのようなことを言われながらいじられていましたが、ゲームがどちらに動くかというところで、勝ったからこそそういう感じで言えますが、我々が目標にしているところに到達するためには、まだまだ軽いプレーではあるかな、と。そういうプレーは少なくしていかなくてはいけないですし、そこの精度は日常でしか変えられないと思います。その日常をどう大事にしていくかというところに答えがあると思います。 

Q、前節は得点直後に失点する展開でしたが、今節は失点直後に得点を決める展開でした。
A、ゴールの直後は危険な時間帯ということを我が身でも感じてきましたが、自分たちがそこをうまく活かすという意味では、両方の角度から見た学びだったと思います。ただし、そこで自分たちがたたみ掛けられるかというと、まだ成長しなければならない段階だと思っています。そういった一瞬一瞬の隙をどう使っていくかというところは求め続けないといけないと思います。 

Q、次節、味の素スタジアム開催ではありますが、アウェイゲームとして迎える東京ヴェルディとの一戦に向けてはいかがでしょうか。
A、この3連戦の一つひとつはすごく大事ですし、その位置付けというものは、自分たち以外の力もあるかもしれないですが、もしかしたら我々が見る景色というのが変わっている可能性があるかもしれないし、その景色を少しでもより良いものにしていく3連戦に挑んでいました。その最後が、東京ヴェルディという相手ですし、そこは絶対に負けられないです。勝つことでしかみなさんにも納得してもらえないと思いますし、我々もそこに向けてしっかり準備をしていくだけです。 

選手インタビュー

小泉慶選手

Q、インターセプトの数がすごく多かったように感じました。
A、自分が行っても周りがカバーをかなりしてくれていましたし、個人としても狙いやすい部分があったので自分個人というよりも、チームとしての守備がハマっていたのかなと思います。 

Q、ビルドアップの部分でもボールをうまく回せていました。
A、流動的にプレーするなかで、仲川輝人選手が中盤まで落ちてきてくれていました。前線の選手もかなり流動的にプレーしていたし、自分と常盤亨太選手のところでも3枚で回すのか4枚で回すのかというところは、練習でも話していた部分でした。ただもう少しうまくできたかなと思うし、個人で打開しなければいけない場面もあったと思うので、そこはもっとやらなければいけないと思います。あとは自分のなかで意識しているサイドチェンジや斜めのパスがあまり出せなかったことは悔しさがあります。  

Q、試合を振り返ると2点目をとれていればもっと余裕を持った試合になったかと思います。
A、本当にその通りです。前半もチャンスはたくさんありました。何度も言っていることかもしれませんが、そういうところを決めないとこういう難しい試合になってしまいますし、今日は90分で勝つことができましたが、もっと圧倒して勝つことができたと思いますし、本当に優勝をめざすならそういう勝ち方をしなければいけなかったと思います。ただ、アウェイの連戦のなかでしっかり勝ち切ることができたことは良かったと思います。 

Q、トータルで見ると良い内容の試合でした。
A、良い守備ができていると良い攻撃につなげられるというところが前半からできていました。それはどの相手にも変わらずやらなければいけないと思います。   

Q、今シーズン初スタメンになりましたが、自身の出来についてはどう感じていますか。
A、こういう試合で勝たなければ、チーム内の競争が激しくならないと思います。今日久々にスタメンで出場した選手が僕も含めていましたが、個人としてもそうですけど、チームとしてもこれから強いチーム、優勝するチームになっていくために、今日の勝利は必要でした。そういう意味では良かったかなと思います。

Q、次の試合に向けて意気込みをお願いします。
A、結果だけが求められる試合です。今日は今日で切り替えて、また全員で良い準備をして、全員で勝利できるようにやっていきます。 

佐藤龍之介選手

Q、ゴールシーンを振り返ってください。
A、点をとらなければいけないと自分のなかで思っていました。いつもより想いを持ってあそこのポジションに走り込んだらボールがきました。

Q、「いつもより想いを持って」という部分は、その直前の失点シーンでボールロストがあったからでしょうか。
A、そうです。失点に直結してしまったので、取り返さなければいけないと思っていました。 

Q、連戦の真っ只中ということもありますが、スタメンから外れて結果を出したいという気持ちもあったと思います。
A、どの試合でも出場した時間のなかで結果を残していくことが自分の目標なので、そこは続けていきたいです。

Q、得点後の喜びがいつも以上だったと感じました。
A、そうですね、喜びと安堵の気持ちがありました。 

Q、良い形で次の試合を迎えられますね。
A、次は結果しか求められない試合だと思うので、結果にこだわって勝利に直結するようなプレーをしていきたいです。

野澤零温選手

Q、後半途中に投入される際にはどのような指示を受けましたか。
A、攻守において走ることもそうですし、特に攻撃ではどんどん背後をとって、守備であればもっと前から追ってくれと言われていました。あとはもう点をとってこいと言ってもらえていたので、やはりその期待には応えたかったです。今シーズン初出場ということもありますし、自分はフォワードなのでやはり個人としても数字が必要だったなかで、まず一つ数字を残せたことは本当に良かったかなと思います。

Q、実際に前線から守備も含めてアシストという結果も残せて、自分の出来はどうでしたか。
A、もちろんアシストできたところはいいですが、途中から出てきて守備で結構ヘロヘロになってしまったり、もっと背後に出て攻撃の起点となっていたかったなと思っています。それを求められていましたし、そこをもっと磨き続けないといけないと思います。一本シュートを決められる場面もあったので、1ゴール1アシストできた試合なので全然満足はしていません。もっとみなさんを安心させるようなゲームにできたと思うので、そこはもっと練習をして突き詰めていきたいなと思います。 

Q、あのアシストの場面は狙っていましたか。
A、まあ、長倉選手を狙いました(笑)。ボールを持って中を見た時に長倉選手がいたので、横よりもマイナスに見えたので、そこに送ったら佐藤龍選手がいたので、結果的に良かったかなと思いました。ただ、自分たちの攻撃の一つの形でもありますし、もっとあのような場面を増やしていきたいなと思います。 

Q、次節に向けてメッセージをお願いします。
A、試合後、ファン・サポーターのみなさんがチャントを歌ってくれたように、東京ヴェルディだけには負けられないですし、僕もやはりアカデミーで育ってきて、東京ヴェルディだけには負けないという血が入っているので、まずはしっかり休んで良い準備をしていきたいです。個人的にはやはりゴールが欲しいので、チームの勝利に貢献できるように、自分の結果を残せるように良い準備をしていきたいと思います。