INTERVIEW 2026.3.13

3/14 水戸戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー&プレビュー

前節・横浜F・マリノス戦のレビュー

まさに会心のゲームだった。青赤軍団が“俺たちの国立”で攻守に躍動。キャプテンの室屋成選手も「本当にベストゲームだった」と手応えを語った。

試合が動いたのは、キックオフからわずか32秒。最終ラインからつないだボールを室屋選手が縦につけ、前を向いた佐藤恵允選手が「(自分に)イニエスタが降りてきた」と話すほどの絶妙なグラウンダーでのアーリークロスを供給。そこに長倉幹樹選手が抜け出し、ワンタッチで左足ゴール。電光石火の一撃で東京が先手をとった。

その後も球際の強さを見せ続け相手に持ち味を出させず、ポゼッションしながらの攻撃とスピード感溢れるシンプルなアタックを織り交ぜて相手を圧倒。前半16分には佐藤龍之介選手が左サイドからカットインして中央に持ち込み、右足を振り抜くゴールで東京でのリーグ戦初ゴールを記録した。

2-0で迎えたハーフタイム、「もう1点とりにいこう」という声が飛び交ったロッカールームの熱量が後半早々の追加点を引き寄せる。複数選手で囲い込んでボールを奪うと、カットしたアレクサンダー ショルツ選手が持ち上がってスルーパス。これをマルセロ ヒアン選手が決めて3点目を奪う。今度は時間にして開始54秒。まさにフットボールフィロソフィーに掲げている『+1 GOAL』を体現する形で横浜FMを突き放した。

その後も最後まで集中したプレーを続けて試合をクローズし、今シーズン初の無失点を記録。開幕からの連勝が3で止まってしまったチームが、課題とされていた決定力と試合運びで進化を見せ、リスタートの試合でしっかりと勝利を収めることに成功した。

今節のプレビュー

開幕5試合を終えて4勝1敗。ここまで明治安田J1百年構想リーグ EASTグループで3位という成績を残している。3連勝という好スタートから第4節の柏レイソル戦で初めての敗戦を喫したが、その悔しさを糧に臨んだ前節で横浜F・マリノスに3-0の快勝。シーズン初のクリーンシートを記録し、“優勝するチームは連敗しない”という格言どおりに頂点に向かって最高のリスタートを切った。

チームは前節、前後半それぞれ開始直後に勝負強くゴールを決めて優位に試合を運び、佐藤龍之介選手の東京初ゴール、初先発で攻守に存在感を見せた大森理生選手の奮闘など、ポジティブなトピックスが光った。チームとしても柏戦での反省点を糧に、今まで以上の臨機応変さを披露。前線からの激しいプレス、押し込んでからの即時奪回、ポゼッションから一気にスピードアップしての鋭い攻撃、そして相手を引き込んでシンプルにスペースを突くカウンターなど、攻守にシームレスなサッカーを展開しただけでなく、周辺状況に応じて戦い方を変えるカメレオンのような姿も見せることができた。

ここまで全5試合に先発出場し、中盤でチームの舵取りを任されてきた常盤亨太選手は「(柏戦は)高い授業料になってしまったけれど、本当に勉強になった。今シーズン初めての3バックの相手と対戦して、向こうがすごくポジションを変更してくるなかで、自分たちがどう対応するべきか意思統一や共有がうまくいかなかった。その反省があって、横浜FM戦ではどのスペースを使うかのコミュニケーションをうまくとることができた。水戸ホーリーホックも可変システムを採用してくるチームなので、ここで自分たちの成長を見せたい。柏戦で学んだ部分を全員でうまく出して戦っていきたい」とチームとしての進化を示そうと意気込みを語る。

対する水戸は今シーズン、クラブ史上初めてJ1リーグの舞台に戦いの場を移した。ここまでPK戦の1勝のみと苦しんでいるが、4バックをベースに、ボールを大事にしながら攻撃時に3バックに可変するサッカーで奮闘している。松橋力蔵監督は「しっかりとしたフィロソフィーや考え方を貫いているチーム。(負けた試合も)結果が変わっていてもおかしくないゲームもあった。これまでの結果は全く関係ない。楽に勝てる試合はないですし、上がってきたばかりのチームだから何とかなると考えることはまったくのナンセンス。常に『次の対戦相手が最強の敵だ』と考えて取り組まなければならない」と気を引き締める。

その言葉の裏側には今節からのアウェイ3連戦に懸ける強い想いがある。

ここまで勝点10。首位の鹿島アントラーズとは勝点3差、2位の浦和レッズとは勝点で並ぶ。ホームで多く戦うことができた序盤戦を経て、ここからミッドウィーク開催を含んだアウェイ3連戦に臨む。もちろん松橋力蔵監督が“一戦必勝”という軸からブレることはない。そのなかで、水戸戦に向けたミーティングでチームに対して一つのメッセージを伝えた。

「我々がめざしているところへ近付いていくためには、この3連戦をしっかりとっていくことが必要になる。もちろん一戦一戦が大事だけれども、この3試合終わった時に、自分たちの立ち位置がどこにあるかも想像してほしい。まだ僕らは見上げている立場かもしれないけども、もしかすると逆になっている可能性も十分にある。その景色を一回作ってみよう。その景色を作り上げるために、自分たちができることにしっかりと目を向けて、まずは一戦一戦を戦っていこう」

“優勝にふさわしいチーム”になるためには、常に優勝を意識しながら、プレッシャーを感じながら勝っていくことが求められる。高みをめざし続ける道のりにゴールはない。だが、序盤戦の成績でその戦いに挑んでいく資格は手にしたと言っていい。一戦必勝の構えは変えず、それでいて全員で優勝をつかみ取ろうとする覚悟も必要だ。このアウェイ3連戦には、大きな未来につながる可能性が秘められている。その初戦となる水戸とのゲーム。自分たちのハードルを上げ、それを乗り越えていくことでさらなる成長と進化を証明していくべき試合となる。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、前節は素晴らしい内容でした。週が明けて、チームにはどのようなフィードバックをされましたか。
A、ここ(前節の内容)をどんどん上回っていかなければいけないということは当然であって、自分たちがここからさらに上にいくためには何が大事かというところを選手たちとも話をしてトレーニングを積み上げてきました。初日は雪の影響で、外でのトレーニングができませんでしたが、3日間のなかでしっかりと小さい課題も潰しながらやってきました。

Q、前節の試合後の記者会見では、自分たちのハードルをより高く設定して、そこを乗り越えていかなければいけないと話されましたが、その『ハードル』というものを言語化するとどのようなものでしょうか。
A、それはもうすべてにおいてです。技術や戦術においてもそうです。良い入り方のゲームができて内容も結果も伴ったという部分で、これをいかに続けていくのか、それを続けながらさらに良いものにしていくのかと考えた時に、戦術が先にくる部分もあると思うのですが、僕は個人のところにもっと目を向けるべきじゃないかと。良い戦術があったとしても、それを支える個人の技術、判断が上がってこなければ、良いものにはならないと思いますし、最後は『個』に返ってくる部分があると思うので、そこを自分たちで見つめ直すことが大事だという話をしました。

Q、個の判断を引き上げるために、トレーニングのなかでどのような声掛けをされたのでしょうか。
A、そこはトレーニングのオーガナイズによってそのような状況が出るようにするとか、そんなに難しいことではないのですが、本当に一つひとつ小さいエッセンスをトレーニングのなかに入れて取り組んできました。

Q、長期的にそういう部分を伸ばしていくために意識していることはありますか。
A、もちろんフィードバックもそうですけれど、振り返って何かということよりも次にどうしていこうかというところにトライしていく、チャレンジし続けることしかないと思いますし、エラーを見つめて止まってしまう暇はないと思います。エラーは当然ありますし、そのうえで次はどうしていくべきなのかというところを選手は常に考えなくてはいけないと思います。同じ調子、同じ状態を維持することは難しいですし、それが難しい状況のなかでもトライし続けるということは、常に意識しておかないといけないと思います。

Q、ここからアウェイでの試合が3試合続くことになりますが、どのように臨みますか。
A、一戦一戦、大事に戦っていくということしかありません。ただミーティングでは、この3連戦で我々がめざしているところにさらに近付いていくためには、一戦一戦を大事にしていくと伝えながらも、最終的にこの3試合が終わった時に自分たちの立ち位置がどういうところにあるかということも想像してほしいと伝えました。「まだ僕らは(上位を)見上げているけれど、もしかすると逆になっている可能性も十分にある。もちろん対戦相手や他チームの対戦結果の影響もあるが、自分たちが見上げられる位置にいる可能性も十分にある、その景色を作ろう」と。ずっと追いかけているだけではなくて、この3連戦の結果によっては入れ替わることもあり得るという話をして、みんなにも想像してほしいと伝えました。不可能ではないですし、相手の戦い方や結果によっても左右されるのは当然分かっていますが、そこの景色を作り上げるために自分たちにできることにしっかりと目を向けて一戦一戦を戦って、この3試合が終わった時にどういう景色になっているかを想像してもらいました。 

Q、今節の対戦相手である水戸ホーリーホックはPK戦で一勝していますが、チームとしてはJ1リーグに昇格してから少し苦しんでいるような印象があります。監督はどのように見ていますか。
A、しっかりとしたチームのフィロソフィというか、考え方を貫きながらやっていると思います。結果が出ていないとは言っても、少しのきっかけでその結果が変わるような内容の試合をしているチームだと思っています。これも選手たちには話しているのですが、東京の柏レイソル戦の時もそうでしたが、これまでの結果はまったく関係ないですし、その結果が我々の勝利の確率を上げてくれる保証は何一つないと。僕は今シーズンはそれほど多くは言っていませんが、「目の前の敵が最強の敵」で、どんな状況であっても順位は関係なく次に対戦する相手が、自分たちにとっては最強の敵なんだと。やはり自分たちがその立ち位置、その気持ちを持って臨まなければいけないと思います。昇格してきたから特別に警戒しなければいけないとか、逆に楽に勝てるなんてことは全然思っていないですし、これまでの結果がこうだからなんとかなるだろうなんて思うことはナンセンスで、常に次の対戦相手、目の前の相手が最強の敵だというスタンスで、自分たちは取り組まなくてはいけないと思っています。

選手インタビュー

アレクサンダー ショルツ選手

Q、横浜F・マリノス戦の勝因はどこにあったと思いますか。
A、まず、試合の入りがとても良かったと思います。前半開始と後半開始すぐに得点できたことです。それができれば、勝利の可能性は高くなりますからね。それに加えて個々のパフォーマンスのレベルも高かったと思います。チームとしても常にハードワークしてきましたが、個人のプレーもシーズンのスタートからどんどん良くなっていますし、チーム全体に自信が生まれているのを感じます。柏レイソル戦では0-2で負けましたが、内容的に何かを得られた試合でした。そうした経験もあり、今は自分たちの基準を少し高く設定しています。それが試合にも表れていると思います。

Q、守備面について、横浜F・マリノス戦で特にポイントになったのはどのような部分でしたか。
A、高い位置から守備をする、いわゆるハイブロックを意識しました。それがチームに自信をもたらしてくれました。なぜなら、高い位置でボールを奪えますし、そこからショートカウンターを仕掛けることができたからです。こうした守り方は試合をコントロールする上でも有効なだけではなく、相手が自信を持って攻撃ができないようにして、我々のゴールから遠ざける効果もあります。そこがこの試合の大きなポイントだったと思います。

Q、この試合では大森理生選手と初めてコンビを組みました。試合前や試合中にコミュニケーションはありましたか。
A、いつも通りコミュニケーションをとりました。彼はFC東京での出場は多くありませんが、プロとしての試合経験は豊富です。経験不足ということはまったくありません。正直に言うと、とても一緒にプレーしやすい選手ですね。プレーが合わせやすいですし、彼と僕のプレースタイルは相性が良いと思います。そして、この試合では彼自身が本当に素晴らしいプレーをしていました。この試合では、誰と組んでもうまくいったのではないかというくらい、彼の状態が非常に良かったです。

Q、ここまでの試合を踏まえて、チームの強みや課題はどこにありますか。
A、チャンスは十分に作れていると思いますし、どの試合でも相手に多くのチャンスを与えていません。横浜FM戦で初めてクリーンシートを達成しましたが、もっと早く達成できてもおかしくなかったと思います。最初の2試合は引き分けでPK戦の末に勝利しましたが、今は90分で勝つことをめざしていますし、それは可能だと思っています。ここまでうまくいっていることを継続すべきです。このチームは、深い位置からのビルドアップ、ショートパス、フィジカルなプレーなど、さまざまなスタイルで戦えるのが強みです。相手にとっては対策が難しいチームだと思います。さらに素晴らしいストライカーもいます。相手の守備にとっては本当に厄介な存在でしょう。だからこそ、今の良い部分を続けながら、一切手を抜かずにやっていく必要があります。

Q、これから1週間で3試合を戦います。大事なポイントは何でしょうか。
A、重要なのは、連戦を戦うとしても先の試合のことを考え過ぎないことですね。確かに3試合ありますが、まずは水戸ホーリーホック戦に向けて集中しています。アウェイゲームですし、簡単な試合にはならないと思います。彼らも良いサッカーをしていますし、僕たちはこの試合に向けて1週間準備してきました。今の時点で私が考えているのは、「1週間に3試合を戦う」ことではなく、目の前の水戸戦のことだけです。次の試合のことは、その後に考えればいい。水戸戦で勝点3をとって、良いスタートを切りたいと思っています。

Q、最後に、ファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
A、横浜FM戦では本当に素晴らしいサポートをありがとうございました。5万人以上のみなさんの前で、国立競技場でプレーできたことは最高でした。いつものように、みなさんのサポートは本当に素晴らしかった。選手たちもそれを楽しんでいます。僕たちはみなさんに何かを返すために、エンターテインメント性のある試合を届けようと努めています。柏レイソル戦のように勝てない試合もありますが、いつも全力を尽くしています。僕たちがやろうとしていることを、ぜひ感じ取ってもらえたら嬉しいです。

橋本拳人選手

Q、横浜F・マリノス戦ではしっかり勝ち切ることができました。
A、優勝するためには連敗は防がなければいけないシチュエーションでした。チームとしても緊張感のある1週間を過ごしたなかでの試合で、良い試合内容で勝点3をとることができたのは良かったです。ここからの3連戦に対して良い勢いをつけることができたと思います。

Q、試合を追うごとに常盤亨太選手との連携も良くなっているように感じます。
A、常盤選手とだけではなく、チーム全体として良い繋がりを持って、良い守備から良い攻撃ができています。後ろからのビルドアップの時も良い立ち位置をとりながら前進できている印象です。本当に今は全体的に流動的にプレーできていますし、全員が足元だけではなく背後のスペースを見つけながら間に入ってくる動きなど、シーンに応じたプレーができていると思います。その結果がチームに勝利をもたらしていると思っています。

Q、その良い流れのなかで迎える水戸ホーリーホック戦です。印象を教えてください。
A、水戸はハードワークもしてきますし、しっかりとボールを保持しようとしてくるチームなので、難しい試合になると思います。ですが、そこで引くことはせずに、個人個人のところで全員が相手に負けないようにプレーをすること。横浜FM戦の時もそうでしたが、前半の入りが非常に大事になります。受け身になることなく、アグレッシブに常に主導権を握る勢いで臨みたいです。

Q水戸に勝利するためにはどこが重要になると思いますか。
A、相手以上にハードワークをすることが大事です。ボールを持った時にはチーム全員が繋がりを持ち、攻撃していくこと。一瞬でも気の緩みを見せれば、その隙を突いてくるチームなので、隙を作らずに90分間戦うことで勝利に近付くと思います。

Q、ここから3連戦になります。初戦を勝利することはその後の連戦にもつながると思います。
A、連戦を戦うためにはチーム全員の力が本当に必要になってくると思います。まずは3連戦の最初の試合に勝ち、勝点3をとりたいです。個の部分で負けないことが重要です。個の勝負で相手を圧倒できれば、結果としてチームとして戦術的にも圧倒できると思うので、自分たちのサッカーをしっかりと表現して勝ちたいです。