REPORT 2026.2.28

2/28 柏戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー

より勝利に飢えているほうが勝つ──。松橋力蔵監督は3連勝を記録して迎える柏レイソル戦を翌日に控えて、勝負のポイントをこう語った。 

開幕2試合をPK戦の末に制し、前節の川崎フロンターレ戦は攻守に会心の内容を見せて90分間で勝利。3連勝という好スタートを切った。一方の柏は昨シーズン2位と躍進しながらも今シーズンの特別大会は3連敗と勝点を得ることができていない。優勝を明確な目標に置いて高みをめざそうとする東京か、それとも巻き返しを誓う柏か。指揮官の言葉には結果を出しているなかでも相手を上回るハングリーさを出していく覚悟、そして常にチャレンジングなサッカーでクオリティを突き詰めていこうという姿勢がにじみ出ていた。 

今節も攻守に気持ちのこもったサッカーを披露していきたい東京のスターティングイレブンは、キム スンギュ選手をゴールキーパーに据え、最終ラインに室屋成、アレクサンダー ショルツ、稲村隼翔、長友佑都の各選手を起用。ボランチは前節に続いて橋本拳人、常盤亨太の両選手が並んだ。アタッカーは右に佐藤恵允選手、そして左には青赤復帰後の初スタメンとなる佐藤龍之介選手が入った。そして最前線はマルセロ ヒアン選手と長倉幹樹選手が4試合連続でコンビを結成。 

また、ベンチには東慶悟選手が今シーズン初のメンバー入り。前節で“プロデビュー”を飾った尾谷ディヴァインチネドゥ選手も続いてリストに名を連ねた。やはり今節の最注目は佐藤龍選手。試合前日に「90分間出る準備はできている。出番がきたら自分が持っているもの、昨シーズン(育成型期限付き移籍していたファジアーノ岡山)で示してきたものをすべて出したい」と意気込みを語っていたように、ようやく迎えたスタメン出場のチャンスで気持ちの入ったプレーが期待されるところだ。 

一戦必勝、頂点に向けて一つずつ積み上げていくための柏戦は、快晴の味の素スタジアムで15:03にキックオフを迎えた。 

1stHALF—攻守に激しく好機を作り出すもネットは揺らせず

立ち上がりから球際で激しくぶつかり合う両チーム。最初にビッグチャンスを生み出したのは東京だった。前半4分、ヒアン選手が持ち上がってラストパスを出すと、ペナルティエリア内で佐藤龍選手が左足でシュート。決定的なシーンだったが、これはゴールキーパーの正面に飛んでしまう。 

 ピッチ全体で素早く攻守を入れ替える東京は、相手陣内の深くまで攻め込んでロストしてもハイプレスで即時奪回を仕掛け、中盤で奪った瞬間に縦方向に鋭く抜け出しを図るなど、強度の高いサッカーを見せていく。 

前半12分にはビルドアップのズレからボールを失ってネットを揺らされたが、これはオフサイドの判定に救われて難を逃れた。 

ヒヤリとしたシーンもあったが、その後も東京のアグレッシブなサッカーは変わらない。 

前半17 分には前線の選手が高い位置でコースを限定すると、ボランチの橋本拳選手が猛ダッシュで寄せて鋭くボールをカット。ここから一気呵成に複数選手が相手ゴールに襲いかかると、佐藤恵選手のクロスに長倉選手が詰めたボールは左ポストに弾かれ、こぼれ球を佐藤龍選手がミドルシュートで狙ったが、これはわずかにゴール左へ。立て続けに惜しいシーンを作り出しているだけに、流れの良い時間帯に先制点を奪いたいところだ。 

徐々に柏がボールを持って攻める時間が増えてきたが、青赤のイレブンは押し込まれてもしっかりと集中して中央を固めて対応。球際の激しさと素早い予測で相手の攻撃を封じて決定機を作らせない。逆に前半28分には右サイドの佐藤恵選手がカウンターで持ち上がってグラウンダーのアーリークロスを供給。ここに長倉選手が飛び込んだが、これはわずかに届かず。ネットこそ揺らすことができていないが、対応されたなかでさらに相手の対策を超えたプレーを見せ、状況を判断しながら臨機応変なバトルを見せていく。 

ともに守備ではハイプレスとブロック、攻撃ではポゼッションとカウンターを併用できるチームということもあり、球際で一進一退の激しいバトルを見せながら好機をうかがう緊張感ある時間が続いた。前半43分にはペナルティアーク付近からミドルシュートを許したが、スンギュ選手が横っ飛びのセーブでゴールを守り抜く。 

2分間の前半アディショナルタイムには左サイドでボールをつないで長友選手がクロス。これを室屋選手が右足で折り返し、佐藤恵選手が素早く頭でコースを変えて逆サイドのコースを狙ったが、今度は相手ゴールキーパーの小島選手が懸命に右腕を伸ばしてネットは揺らせず。ピッチの各所で激しいバトルが繰り広げられ。ともに持ち味を発揮した前半はスコアレスのまま終了。見どころ十分な激戦の決着は後半に委ねられた。 

2ndHALF—点を追う展開で決定機を作るも決め切れず

ともに選手交代なくキックオフを迎えた後半。強い逆風のなかでプレーした前半から一転して、後半は強烈な追い風を受けて攻めることができる東京。青赤ファミリーの大声援を視野に入れながら、何とかして先制の一撃を見舞いたいところだ。 

しかし、後半は立ち上がりから柏が圧力を強めて前に出てくる。同9分には小見選手の左クロスからニアで垣田選手に飛び込まれてヘディングで先制点を許してしまう。後半、少し受けてしまったところを突かれて悔しい失点を喫してしまった。 

相手を上回る対応をしていきたいところだが、柏もコンパクトな布陣でスペースを消して東京に攻め手を与えない。なかなか効果的なパスを差し込むことができない状況を打破するべくベンチが動く。後半18分、長友選手、ヒアン選手に代えて橋本健人選手、遠藤渓太選手を投入。遠藤選手が左アタッカーに入り、佐藤龍選手がトップ下、長倉選手が1トップに回る4-2-3-1システムに変更して巻き返しを狙うことになった。 

対する柏も三人同時の選手交代で前線をフレッシュな顔ぶれに変更。後半24分には投入されたばかりの山ノ内選手にフリーで抜け出されたが、この11をスンギュ選手が冷静に対応してセーブ。ギリギリのところで失点を免れ、味方の反撃を支えるようなファインプレーを見せた。 

柏が優勢に進める時間帯が長くなり、何とか展開を変えたい東京は後半29分に常盤選手、佐藤龍選手から山田楓喜、小泉慶の両選手にスイッチ。小泉選手はボランチに、山田選手は右アタッカーに入り、佐藤恵選手が中央に移動して長倉選手と縦関係を組む形で反撃を期すことになった。 

中央を固める柏を攻めあぐね、なかなか決定機を生み出せない東京。ゴール裏から「今日は負けられない日だ」というチャントが飛ぶなか、松橋監督は後半36分に最後の交代カードを切る。佐藤恵選手に代えて仲川輝人選手を送り込んでピッチの選手たちに逆転を託した。 

しかし直後の同38分、柏の右サイドから攻撃を許し、ゴールをこじ開けられて失点。痛恨の2点目を奪われてしまう。 

何とか反撃の一発を決めていきたいところだが、人数をかけて守備意識を高めてきた柏が球際の激しいディフェンスで東京に自由を与えない。5分と表示された後半アディショナルタイムには、仲川選手と長倉選手が立て続けにゴール前で決定的なチャンスを迎えたが決め切れずタイムアップ。特別大会で初めての敗戦を喫する結果となった。 

MATCH DETAILS

試合詳細データはこちら

松橋力蔵監督インタビュー

Q、本日の試合の総括をお願いします。
A、非常に悔しい敗戦となってしまいましたが、内容が悪いなかでも決め切るところ、得点するチャンスはいくつかありました。そこが一つでも入っていれば、とは思います。前半の序盤はすごく良い時間帯がありつつも、リスクをとり過ぎたわけでもないのですが、バランスが少しずつズラされていったような感じのあるゲームだったと思います。次に向けてまたしっかりと準備をしてやっていきたいと思います。 

Q、特に前半は内容も良かったと思いますが、後半の入り方で相手が圧力をかけてきた時に、守り切る態勢をとったにも関わらず、そこで失点してしまってペースが崩れたように見えました。監督はどのように見られていますか。
A、決してそういう入り方をしたわけではなかったのですが、結果的にそうなってしまったようには見えました。ハーフタイムにミドルブロックのところでの守備について少し整理をして選手は対応してくれていたのですが、それよりもボールを失う位置の悪さとか、その割り切りという部分が後半の立ち上がりにうまくいかなかったので、そこは反省点だと思いますし、そこからリズムを相手に持っていかれてしまったという印象です。 

Q、佐藤龍之介選手を初めてスターティングメンバーに起用しましたが、その理由とどういったプレーを期待したのか。また今日のプレーの評価をお願いします。
A、相手が柏レイソルということで、ボールを長く握ることができるチームでもあり、そこを我々が覆していくことにチャレンジしなくてはいけない部分もあるのですが、やはり守備の時間も長くなるだろうと想定しているなかで、サイドの選手の役割は非常にポイントになるところだと考えていました。そういう意味では、彼の献身性などは十分に発揮してくれましたし、剥がされてもしっかりと戻ってそこでもう1回ボールを奪い返したり、ディフェンスラインまで戻ってボールを奪い切るというところは非常に良かったと思います。 

攻撃のところでは、ファーストチャンスが決まれば彼自身のリズムや調子もどんどん上がっていくのかなとは思ったのですが、マルセロ ヒアン選手からのメッセージのこめられたパスを残念ながらゴールに結びつけられませんでした。また前半にいくつかカウンターが成立しそうな場面に参加できなかったのは、ボールを奪う位置が低くなったことによってカウンターの起点が作れず、彼のプレーポジションが少し下がってしまったことも要因の一つではないかと見ています。ただ、攻守ともに非常に良い活躍をしてくれたとは思っています。 

選手インタビュー

橋本拳人選手

Q、連勝が止まり、悔しい結果となりました。
A、試合を通して決定機が何回かありました。難しい試合になることは分かっていたんですが、あのような決定機を決められるかどうかで試合展開は大きく変わったのではないかなと思います。  

Q、チームとして立ち上がりから良い攻撃ができていましたが、そこから徐々に相手のペースになったように見えました。ピッチの中ではどう感じていましたか。
A、奪ったあとに1本、2本としっかりとパスをつなげれば良いカウンターができていたのですが、その奪ったあとのパスが雑になってしまったり、精度を欠いたシーンが続いてしまい押し込まれる展開になってしまった前半だったと思います。 

Q、そこからもう一度流れを引き戻すためにいろいろなトライをしていたと思いますが、難しかった理由はどこにありますか。
A、まずは守備で押し返していきたかったのですが、奪ったあとの攻撃の精度が今日は低かったと思います。逆に相手は良いビルドアップをしていましたし、奪いにくるスピードも自分たちよりも早かった。そこはまだまだ自分たちも上げていかなければいけないと思い知らされました。 

Q、自身も前に出ていく、前に出すという意思は強く感じました。
A、まだまだです。ボールを奪う回数も少ないですし、今日に関してはなかなかチャンスを作れなかったので、練習でもっと精度を上げていきたいです。  

Q、試合後のロッカーではどのような話をしていましたか。
A、難しい試合だったな、という話を選手間ではしていました。監督からは「下を向いていても仕方ない。次に向けてしっかりと良い準備をしていこう」という話がありました。まだ1試合負けただけですし、次に向けて切り替えて、しっかりと準備していきたいと思います。 

佐藤龍之介選手

Q、ご自身の今日のプレーを振り返っていかがでしたか。
A、最初のチャンスで決め切りたかったです。守備に追われる時間が長かったので、なかなか攻撃で力を出すことができませんでした。 

Q、前半はチームとしては良いサッカーができているように見えました。
A、悪くはなかったと思います。ただ、ショートカウンターという狙いはありましたが、自分たちがやりたいようなことはあまり多くはできていなかったと思います。 

Q、流れが相手にいってしまったなかで引き戻すにはどういったところが難しかったのでしょうか。
A、相手に支配されてリアクションの動きが多くなってしまったので、そういったところで自分たちの流れを作ることが難しくなってしまったと思います。相手が自分たちを見て嫌なポジションに立つとか、そういったプレーの質のところで上回られてしまいました。 

Q、後半はポジションをサイドから中央に移しましたが、どういった意識でプレーしていましたか。また中央でのプレーは得意だと思いますが、やりやすさなどはあったのでしょうか。
A、距離感が遠かったので、ボールに触れてリズムを作って前進していくことを意識していました。今日は連動するシーンが少なかったので、自分が良い形でボールを受けたりすることが難しかったと感じています。 

Q、風が強いなかでもしっかりとボールを止めるなど、攻撃の起点になろうとしている意識が感じられましたが、どのようなことを考えていたのでしょうか。
A、たくさんボールに触って攻撃のチャンスを演出するように意識していましたが、今日は(あまりうまくいかない)そういう日だったのだと思います。 

Q、今後コンスタントに自分の良さを出していくためにどのようにやっていきたいですか。
A、自分のプレーを出すということに集中するだけです。 

Q、今日は初スタメンを勝ちとった試合でしたが、シーズンここまでを振り返っていかがですか。
A、まだ4試合なので振り返る必要もないですし、U-23日本代表で活躍できてそのまま良いコンディションで帰ってきたので、ここから東京で活躍できれば良いと思っています。 

Q、FC東京に戻ってきて初のスタメン、味の素スタジアムではリーグ戦で初めてのスタメンで感じたスタジアムの雰囲気はいかがでしたか。
A、少し緊張感もありましたし、ここで活躍できなければダメだと思っていますので、次頑張りたいと思います。