COLUMN 2026.2.05

PLAYERS FILE 2026
SATO KEIN

背番号16に込めた誓い
変化を恐れず進化し続けた先に

FW 16 佐藤恵允

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

佐藤恵允の成長が止まらない。持ち前のハードワークをベースにしながら、松橋力蔵監督の教えをどんどん吸収してビルドアップにも貢献。戦う姿勢でも戦術面でもチームに不可欠な選手へと成長した。迎えた新シーズン、さらなる成長を期す彼が掲げた目標は二つ。それを実現するために、決定力にこだわりながら高みをめざしていく。


これは男の約束だ──。佐藤恵允の誓いは背番号16に宿る。

2025シーズン開幕前にSVヴェルダー ブレーメン(SVヴェルダー ブレーメンⅡ/ドイツ)から加入すると、松橋力蔵監督の指導を真綿のように吸収していった。自分に必要なことと素直に受け入れ、開幕前から積極的に取り組み続けた結果、「明治大学の頃は全然そんなプレーをしていなかった」という、機を見てハーフレーンに入るプレースタイルを体得した。

「昨シーズンは成長した一年でもありました。それをさらに伸ばせるように、リキさん(松橋監督)の下でブレずに矢印を自分に向け続けていきたいです。より成長できると思っているし、成長を止めずに進化し続ける姿を見せたい」

そうした素直さが最大の武器だ。変化を恐れず、進化し続ける。それを今シーズンも継続させるという。

「昔から素直さを大事にしてきたし、大学時代も『素直さという武器』という部員ブログを書いたことがありました。人はどうしても多少のプライドがあって聞き流してしまう。でも、自分はどんな情報でも聞き入れて、自分なりにかみ砕いて表現していくことが大事だと考えて生きてきました。素直に受け入れることが強みだと思う。それが自分の生き様であり、スローガンなので。いろいろなアドバイスをまずは聞いて、試すことを心掛けてきたから、変化を恐れないのは自分の強みでもあります」

昨シーズンは公式戦42試合9得点という数字を残した。目標の二桁ゴールには一歩及ばなかったが、クラブはその活躍を高く評価して背番号の変更を打診。しかし、恵允はそれを断ったという。

「確かに別の番号の打診もあったけど、16番を継続したのは16得点をとるまで変えないという自分自身への決意表明でもある」

昨シーズンの加入時の囲み取材の際、「背番号と同じ16得点を目標にしたい。今思いつきました」と笑顔で語っていた。それを達成できなかったことを誰かに咎められたわけではない。自分自身の誓いとして継続するためだという。

そうした決意を秘めて臨む新シーズンは「もっと良くなる」と言って、こう続けた。

「2シーズン目の壁なんて感じない。きっと2シーズン目のほうがもっと良くなる。まずは昨シーズンの自分を超えたい。今シーズンはさらに厳しい競争が待っている。ここで生きていくためにも成長を止めてはいけない。競争を勝ち抜くためには自分にしかないものを出して、チームに必要とされる存在になることが必要。自分だけの武器を磨いて、唯一無二の存在になりたい。昨シーズンはゴール期待値が高いのに、ゴールが決まらなかった課題もある。そこは前線の選手たちの課題でもある。すべて決められる決定力があれば、優勝に近付く」

変化を恐れない男は、さらなる約束を重ねた。

「初タイトルと、佐藤恵允が得点王を獲る年にしたい」

この素直さを武器に突き進む。ゴール数が背中の番号を超えた時、佐藤恵允はその手に、口にした二つを掴んでいるだろう。これが男の約束だ。

 

(文中敬称略)

Text by 馬場 康平(フリーライター)