COLUMN 2026.2.04

PLAYERS FILE 2026
KOBAYASHI MASATAKA

キム スンギュに学ぶ理想像
代表との両立を誓うムードメーカー

GK 31 小林将天

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

プロ2年間の公式戦出場はゼロながら、着実に存在感を高める小林将天。U-23日本代表としてアジア制覇に貢献したゴールキーパーが意識するのは、ピッチ内外での明るく熱い立ち振る舞いだ。抜群のメンタルでチームを支え、個人の成長を誓う彼の心中に迫った。


トップチーム昇格からの2シーズンで青赤での公式戦出場はなし。だが、小林将天にとっての2025シーズンは、確固たる成長と充実感を覚えることのできた一年となった。

2028年のロサンゼルスオリンピックをめざす世代だ。2025シーズンはロス五輪に向かうU-22日本代表に選出されてイングランド遠征に参加し、年末にはオフを返上して代表活動へ。水戸で開催されたIBARAKI Next Generation Matchに出場し、そのままサウジアラビアのジッダでのAFC U23アジアカップへと旅立った。同大会ではU-23カタール代表とのグループステージ第3戦に先発出場してクリーンシートで勝利に貢献。出番はこの1試合だけとなったが、持ち前の明るさと熱量でムードメーカーとして強い存在感を見せ、アジアの頂点に向かうチームをしっかりと盛り立てた。

「どうやって自分のキャラクターや個性を前面に出していくか。それはプレー中だけではなく、オフザピッチでもそう。どうすれば自分の長所をフルでチームに還元できるかを感覚的に掴めた2025シーズンでした。とにかく周りとしゃべることが好きなので、本当にコミュニケーションの量だと思っています。代表でも短期間でチームを作る時にはコミュニケーションが重要になりますし、本当にピッチ外から戦いが始まっていると考えています」

ただのお調子者ではない。常に頭をフル回転させて、言葉と行動で示そうとしている。東京でもU-23日本代表でもトレーニングから熱量を高め、明るさと厳しさを両立させながら個人とチームのレベルアップに励んできた。

「代表戦というピリついた状態で緊張感のあるゲームを経験できたのは、自分にとって本当に貴重な時間でした。一つひとつの技術レベルは少しずつ積み上げてきたものがありますし、東京でも(キム)スンギュさんと一緒に練習できていて、試合中の考え方とかもいろいろと身についてきている手応えもあります」

昨シーズン7月、アウェイの柏レイソル戦で東京では初となるベンチ入りを果たし、ずっと外で見ていた光景を初めてベンチから目の当たりにしたことで、自分がめざすべき場所を再確認できた。そして同じ柏戦で青赤デビューを果たしたキム スンギュが、彼にとっての最高のお手本となっている。豊富な経験を武器に韓国代表として4度目のFIFAワールドカップ出場を狙う守護神から学ぶことは多い。

「スンギュさんからは『自分をしっかり強く持て』ということを言われています、試合中は絶対に折れるなと。どんな状況でも絶対に油断しちゃいけないし、しっかりと準備してやり続けることの大切さと心の強さですね。代表でも同じような状況が出てくると思うし、試合に対する臨み方は本当に参考になるところが多い。それをこの年齢で学べていることも大きいです」

サウジアラビアでアジアの頂点を勝ち獲って帰国の途に就いた。ここから沖縄キャンプを打ち上げたチームに合流し、激しさを増すゴールキーパーのポジション争いに臨むことになる。自分が思い描くゴールキーパーとしての将来像は明確だ。

「常にアグレッシブな姿勢を持ちつつ、スンギュさんのような安定感やゴールキーパーとして信頼されるような立ち振る舞いができるようになりたい。どんなときも強い気持ちでプレーしようと思っています」

U-23日本代表との両立が求められるであろう2026シーズン。小林将天がピッチ内外で存在感を高めるべくさらなる成長を誓う。

(文中敬称略)

Text by 青山 知雄