COLUMN 2026.2.03

PLAYERS FILE 2026
MARCELO RYAN

感謝と恩返しで決意した完全移籍
背番号9で多くの“敬礼”パフォーマンスを

FW 9 マルセロ ヒアン

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

2025シーズン、サガン鳥栖からの期限付き移籍で公式戦35試合に出場して13ゴールを挙げたマルセロ ヒアンが東京に完全移籍。背番号を9に変更し、さらなる進化を誓っている。そこにあった想い、そして抜群の決定力でフィニッシャーとして価値を高めるために彼が考えていることとは。


期待の青赤1シーズン目。23歳を迎えたストライカーはJリーグYBCルヴァンカップ2回戦のRB大宮アルディージャ戦でハットトリックを達成し、2025明治安田J1リーグでは第14節のアルビレックス新潟戦と第20節のセレッソ大阪戦、さらには天皇杯準々決勝の浦和レッズ戦でそれぞれ2得点。固め獲りを連発して大器の片鱗を垣間見せた。たびたび怪我で離脱しながらの公式戦13ゴールは、マルセロ ヒアンという若きポイントゲッターの実力を証明するのに十分な数字と言っていい。

しかし、細かな負傷でチームを離れている時間の多さが心に引っかかっていた。「怪我をなくせば、もっとチームに貢献できたのに……」と。

昨シーズンのヒアンに浮かない表情が多かったのは事実だ。ただ、それによって嫌気が差すことはなく、より東京に馴染もうとする遠因になっていた。

「怪我をすると非常にネガティブな気持ちにもなります。そんな時、通訳の飯野(一徳)さんを始め、周りの人が早く戻れるように気遣ってくれた。そのことにとても感謝しています」

難しいチーム状況下で得点を重ねたヒアンだけに、流出の危機に憶えていたファン・サポーターも少なくはなかったはず。しかし日本での成功を夢見る彼は「心の中ではずっとFC東京に残ろうと思っていました」と吐露し、今オフに覚悟の完全移籍が実現した。

「みなさんが(移籍を)心配してくださったことには感謝しています。ですが、私は日本で長くプレーしたいと思っていましたし、FC東京で一年プレーしてみて非常に良いチームだと思い、完全移籍を決断しました」

東京の一員として足場を固め、背番号を9に変更したヒアンは「私たち選手は成長を続けないといけない」と言い、2026シーズンにさらなる進化を誓っている。ビルドアップを重視し、ボールを動かしてグループで前進しながらのフィニッシュに加えて、一発で背後を狙うロングパスからのゴールも狙う。「私に何が必要なのか、どこを修正しなければいけないのかを松橋力蔵監督、コーチと話し合う」と、双方に対応した選手となるべく研鑽を重ねていくつもりだ。

そのポテンシャルを披露するに留まらない成長を志すのは、誰しもが認めるストライカーへと成長し、良い環境を整えた東京に恩返しをするためでもある。

「できるだけ多くのゴールを決めることで貢献したい。実は目標にしている具体的な得点数が明確にありますが、いまは私の胸にしまっておきます。いずれ、結果が出た時にお伝えしますね」

完全移籍に向けた話し合いではクラブと考えが一致したというヒアン。青赤との相思相愛を確かめて迎えた2026シーズンは、より多くの“敬礼パフォーマンス”を披露し、自身の価値を高めながらチームへの貢献を誓う。

(文中敬称略)

Text by 後藤 勝(フリーライター)