COLUMN 2026.1.31

PLAYERS FILE 2026
HASHIMOTO KENTO

青赤復帰1シーズン目の悔しさをバネに
「自分が帰ってきた意味を結果で見せたい」

MF 18 橋本拳人

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

2020シーズン以来となるFC東京復帰。だが、覚悟を持って戻ってきた橋本拳人の青赤リスタートは、思いがけず苦しい一年となってしまった。すべてはチームのために。タイトル獲得のために。2025シーズンに味わった悔しい想いを晴らすべく、背番号18が大いなる巻き返しを誓う。


積み上げたという手応えはある。再び青赤のユニフォームを身にまとってプレーできる喜びを感じながら戦い続けることもできた。だが、だからこそ不本意な一年になってしまったとも言えるのだろう。復帰初年度を総括して、「思い描いていたシーズンにはならなかった」と悔しさをにじませた。

昨シーズン1月5日、2020シーズンの夏以来となる橋本拳人のFC東京復帰が発表された。アカデミーで育ち、ロシアのFCロストフへと旅立ったが、2022シーズンにロシアによるウクライナ侵攻を受けてFIFAの特例措置でヴィッセル神戸へ期限付き移籍。東京戦ではかつてとは異なるユニフォームで味の素スタジアムへ“凱旋”することになってしまったが、東京ゴール裏は「無事で良かった!頑張れ拳人」という横断幕で温かく“ファミリー”を迎え入れていた。そこからスペインのSDウエスカ、SDエイバルを経て、ついに橋本拳人が家族の元へ帰ってきた。

その理由は明白だった。「熱いオファーをもらって心が動かされましたし、相当な覚悟を持って帰ってきた。東京がなかなか優勝争いに加われていないなかで自分の力を出して、自分の力でタイトルを獲りたいという想いが増していた」と愛するクラブへの貢献を誓っていた。

松橋力蔵監督が就任して3バックを採用した昨シーズン前半戦、橋本拳人は負傷もあって開幕当初こそ出遅れたものの、その後はボランチでスターティングメンバーに定着。高宇洋とのコンビで最終ラインからつなぐビルドアップの出口になるなど、全体のバランスをとりながらプレーし、チームを支える役割としてさすがの存在感を見せていた。

だが、チームが思うように結果を残せなかったことでチームの安定とバランスを優先せざるを得なくなり、それに伴って彼の持ち味だった“ボックストゥボックス”のアグレッシブな動きが鳴りを潜めてしまう。後半戦に入ってチームが巻き返しに成功し、少しずつダイナミックにゴール前へ入っていく動きが増えていったが、最終的には得点ゼロ。チームの勝利に貢献したいという想いを強調するなか、シーズン後半には「そろそろ自分もゴールをとりたい」と本音が漏れたことがあった。

だからこそ今シーズンはピッチ内で攻守に存在感を出して、チームのタイトル獲得に貢献したいという想いを新たにする。

「攻撃にも守備にもアグレッシブに。受身にならずに自分から仕掛けていきたいし、もっともっとピッチ内で躍動する姿を見せたい。今シーズンは攻撃陣に優れた選手が揃っているので、彼らをしっかりサポートしたいし、自分が前に出ていくことで攻撃に厚みを加えられる。個人としてもチームとしても成長した姿を見せられると思っています」

その先に見据えるのは、もちろん東京でのタイトル獲得だ。ハーフシーズンの特別大会は「あっという間に終わってしまいそうな感じがあるので、一戦一戦を全力で勝ちにいきたい。そのためにはスタートダッシュが大事になる」と開幕から一気に走り抜けるイメージも固めている。

悔しさは燃料になる。糧にもなる。

「自分が東京に帰ってきた意味を、ちゃんと結果とプレーで見せたい」と語る橋本拳人が、青赤のファミリーとともに一丸となって頂点をめざす。

(文中敬称略)

Text by 青山知雄