COLUMN 2026.1.31

PLAYERS FILE 2026
HIGASHI KEIGO

限界までトップパフォーマンスをめざす
勝負の一年に『すべてを捧げたい』

MF 10 東慶悟

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

2025シーズンはハイパフォーマンスを見せていたキャンプ終盤に負傷。その影響もあってトップコンディションを取り戻せず、不本意な一年間を過ごす形となってしまった東慶悟。今年で36歳。酸いも甘いも噛み分けてきた背番号10がサッカーができる喜びを感じながら、すべてを懸けて、すべてを捧げて、トップパフォーマンスを取り戻すべく新シーズンに臨む。


「今年で36歳、プロ18年目。あっという間でしたね」

人生の半分をプロサッカー選手として過ごすことになった。東慶悟は噛み締めるように言葉を漏らした。

「要所要所でターニングポイントと呼べる出来事も経験したし、いろいろあったなって思う。今思えば早かったけど、苦しい時もあったし、もちろん良い時もあった。東京では長くやっているので、ファン・サポーターの人たちはそういったところもずっと見てきてくれたのかなって思う」

厳しい競争社会を生き抜いてきた男は、ふと後ろを振り返ってみた。

「幸せでしかない。辛いことも一杯あるけど、周りから見たらそれは見えない部分でもある。それを語るわけでもない。この環境で大好きなサッカーができることは幸せだと思う」

そう語るように、すべてが幸せなわけじゃない。時には我慢も強いられる。

「一年中、我慢だらけなところもある。サッカーのための毎年、毎週、毎日がある。ああいうことをしたいけど身体がしんどくなるからやめておこうとか、あれを食べたいけどパフォーマンスが落ちるから控えようとか。その積み重ねで今がある」

J1リーグ通算400試合出場を超えた。ただし、ここ数シーズンは苦しい思いが勝っているかもしれない。2025シーズンは開幕前のキャンプで抜群の動きを見せていた。だが、その最終日に負傷すると、「あのままいけば良いパフォーマンスで開幕を迎えられたかもしれない」という後悔が尾を引いた。復帰後も再び筋肉系のケガで戦列を離れ、同じようにコンディションを上げ切ることができなかった。リーグ18試合に出場したが、納得いくパフォーマンスは最後まで見せられなかった。

「すごくもったいなかった。キャンプはコンディションも本当に良かったし、一年間やれる気持ちも身体も整っていた。でも、キャンプは最後の最後で怪我をした。それを言い訳にしてしまう弱い自分がいた。常に反省なので、これだけ長くやっても結局正解なんて分からない」

だから、言い訳は捨てた。年齢に抗うように、自身のトップパフォーマンスを限界まで引き出すという。

「もう一回コンディションを上げたい。やっぱりトップパフォーマンスに照準を合わせていかないといけないし、そんな甘い世界じゃない。昨シーズン、それを感じた。いくら違うところで勝負すると言っても、そこまでの能力は俺にはない。若手と同じぐらいというのは難しいかもしれない。でも、動ける身体は作って勝負したい」

ピッチの上では年齢もキャリアも関係ない。年上の長友佑都や森重真人、同い年のキム スンギュも同じ土俵で一回り以上も年齢の離れた選手たちと定位置を争っている。

「結局は繰り返し。いくらキャリアを積んでもピッチの上では何も関係ない。ルーキーやFC東京U-18の選手たちと同じ気持ちでやらないといけない。この半年間はチャンスがあるので、チャレンジして無理なら仕方ない」

青赤の背番号10が、吐き出した言葉には覚悟がにじんだ。「自分を追い込んで、サッカーに捧げたい」。

幸せだと思えるサッカー人生のために、毎年、毎週、毎日を繰り返す。

(文中敬称略)

Text by 馬場康平(フリーライター)