COLUMN 2026.1.29

PLAYERS FILE 2026
DOI KANTA

課題克服と日々の積み上げで
ショルツを超える日を

DF 32 土肥幹太

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

2025シーズンは出場機会を得ながら結果を出せなかったリーグ前半戦を経て、後半戦はベンチを温める機会が増加。土肥幹太にとってプロ3シーズン目は悔しさが残る1年となった。だが、そのなかで学びとなったのが、アレクサンダー ショルツの存在。肉体改造などの地道な積み上げを図りながら、“先人超え”をめざす若きセンターバックの胸中に迫った。


青赤を着てピッチに立つことの重みを知った──。だからこそ、その場所に立ち続けるための日々を過ごしている。

2023シーズンのトップチーム昇格後、土肥幹太は出場試合を右肩上がりに増やしてきた。プロ3シーズン目の昨シーズンは序盤こそ出場機会をつかんだが、ショルツが加入した6月以降はベンチを温める機会が徐々に増えていく。終わってみれば、リーグ戦の出場は21試合にとどまっていた。

ピッチに立ち続けることで、弱点も課題もすべてを晒された。多くの失点に直結したことで、明確となった課題がある。

「何回かはチャンスをもらえたけれど、クロス対応の課題はやはり残った。そこをどこまで詰められるかだと思う」

一朝一夕で身につくものではない。現在もその課題克服に取り組む真っ只中だ。守備はセンスだけでなく、経験と積み重ねがモノを言う。

「自分のやるべきことをやり続けていく。ヘディングや筋トレを続けていけば、自ずと成果が出てくると思う。周りに目を向けず、自分自身に矢印を向けていきたい。全体練習だとヘディングの場面は限られてくるので、練習後の積み重ねが大切になってくる。ここ最近は山下GKコーチも入ってきてくれる。そうやっていろいろなスタッフの力を借りながらやっていきたい」

不断の努力は裏切らない。まだまだ肉体改造中だが、体重は6キロ増え、少しずつ見た目も変わってきた。何よりもめざすべきロールモデルと出会ったことは、土肥にとって大きな学びとなった。6月以降、練習中からショルツを目で追い続けてきたのだ。

「自分にとってお手本のような選手が来た。守備だったらゴール前の危機察知能力が長けていて、一番危ないところに必ずいる。攻撃で間を通すパスの本数は、練習から自分と比べても多い。そこは自分もどんどんチャレンジして成功確率を上げないといけない。そうしたところは常にチャレンジしていきたい」

そうした視線を感じたからだろう。ショルツ自身も土肥を気に掛け、練習中に互いのミスを数え合って遊び心を刺激してきた。活きた教本から学びを得るのは、いずれ超えるためだ。

「課題を克服していくことで、いつかチャンスがもらえると信じてやり続けたい。練習からしっかり見せることができれば、リキさん(松橋力蔵監督)は見てくれている。あとはチャンスが巡ってきた時にいかに結果につなげられるか。センターバックなので、練習試合であってもまず一番に無失点にこだわりたい。そうしたうえで、攻撃で違いを生み出すようなプレーをしていきたい」

土肥は「足を止めずにやり続けたい」と言い、秘めたる目標を口にした。父・洋一さんもかなえられなかったリーグ優勝は、父親から託された一つの使命だ。ただし、その歓喜の瞬間をピッチで味わうことができなければ、意味がないという。

「本当の意味で優勝メンバーになるためには、ショルツを超えなければいけない。このチームでピッチに立ち続けたらその先が見えてくる。このチームでポジションを奪うことがすべての近道になると信じて頑張りたい」

丁寧に過ごす日々の先につながる場所がある。そう信じて、高い壁を乗り越えていく。

重圧に押し潰される?

いやいや、不敵に笑って跳ね返すのが土肥洋一のDNAを受け継ぐ男が見せるべき姿だろう。

(文中敬称略)

Text by 馬場康平(フリーライター)