COLUMN 2026.1.28

PLAYERS FILE 2026
BANGNAGANDE KASHIF

いざ、完全復活へ
「自分が一番願っています」

DF 6 バングーナガンデ佳史扶

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

2024シーズンに負った負傷が尾を引き、約1年半に渡ってベストなコンディションでピッチに立つ機会がなかったバングーナガンデ佳史扶。何度も悔しさを味わってきた彼が、ついに新シーズン始動からフルでチーム練習に合流し続けている。その裏側に隠された想い、そして思い描く自身の姿とは──。


近年のバングーナガンデ佳史扶は、誰よりも苦しい時間を過ごしてきた。

トップチームに昇格してから2025シーズンまでの6年間、レギュラーをつかみかけたシーズンは何度もあった。しかし、何度も怪我に泣いてフルシーズンを戦えたことは一度もなく、青赤の左サイドの代名詞である6番を初めて背負った昨シーズンも同じ。2025明治安田J1リーグはわずか8試合の出場にとどまり、人知れず悔しさを噛み締める日々を過ごした。

それでも今シーズンの始動日に見た表情は晴れやかだった。「昨シーズンの終わりには年明けのタイミングで練習に合流していることを目標にトレーナーチームと取り組んでいたので、今日の練習にフルで参加できたことは大きかったです」と話し、今シーズンこそは──という想いがヒシヒシと伝わってきた。

離脱していた期間、負傷箇所のリハビリはもちろん、自分と向き合うことでメンタル面での成長を大きく感じられたという。おなじみの弾けるような笑顔で「相当強くなったと思いますよ」と言い、その変化を確かな言葉にする。

「サッカー人生を考えてもそうですけど、人間としても、この1年半は一番自分と向き合えた期間になったと思います。サッカーがやりたくてもできなかったし、できていても常に不安を抱えながらやるということは、今まであまりない経験だった。うまくいかない時に自分や周りにどう接するのかなど、心の持ち方はすごく成長できたと思います。ちょっとした出来事でブレなくなったし、メンタルの浮き沈みは自然となくなっていきました」

ピッチを全力で走る、ボールを思い切り蹴る、対峙する相手に真剣勝負を挑める──その喜びを再び味わっている佳史扶は、新シーズンに向けて鼻息を荒く、それでいて冷静に自らと向き合う。

「今はサッカーができることが本当に幸せだし、めちゃくちゃ楽しい。まずはそこへの感謝を忘れず、自分にとってはこのハーフシーズンが勝負だと思っている。一日一日、自分の身体としっかり向き合ってやっていきたいです」

そして最後に「みんなが佳史扶の左足を待っているよ」と声を掛けると、とびっきりのスマイルで返してくれた。

「僕も待っていますよ、味スタでそれを出せる日がくることを。僕が一番願っています」

慌てずに、焦らずに。でも着実に前へ進む6番が、味の素スタジアムで躍動する日を心待ちにしている。

(文中敬称略)

 

Text by 須賀大輔