REPORT 2026.8.15

8/15 神戸戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー

開幕戦に1-5で敗れてからしっかりとメンタルを切り替え、あらためてリスタートの勝利を手にしたい一戦。チームは巻き返しを期して明治安田J1百年構想リーグの王者でもあるヴィッセル神戸とのアウェイゲームに臨むことになった。

橋本健人選手が出場停止となった東京は今節、開幕戦からスターティングイレブンの3選手を入れ替え。ゴールキーパーはキム スンギュ選手、最終ラインは右から室屋成、アレクサンダー ショルツ、森重真人、バングーナガンデ佳史扶の4選手が並んだ。特別大会で1試合にスタメン出場していた佳史扶選手にとっては、2025シーズンの8月31日以来となるリーグ戦での出場機会となるだけに得意の左足キックに期待が掛かるところだ。ボランチは翌日に33歳の誕生日を控えた橋本拳人選手が高宇洋選手とコンビを組み、アタッカーは右に佐藤恵允選手、左には青赤でのリーグ戦初先発となる本間至恩選手を起用。開幕戦で先制ゴールを決めたマルセロ ヒアン選手が長倉幹樹選手と2トップを編成した。

また、ポルトガルのペナフィエルへの期限付き移籍から戻ってきた安斎颯馬選手が復帰後初のメンバー入り。来年1月からの新加入が内定し、JFA・Jリーグ特別指定選手に認定されている小湊絆選手がJ1リーグデビューを果たした2025シーズン8月以来のベンチ入りを果たした。

また、ノエビアスタジアム神戸は新シーズンからリニューアルされ、ピッチがハイブリッド芝から天然芝に変更。さらに今節は酷暑対策で可動式屋根を閉め、修復した空調設備を試験稼働させて温度低下の効果測定が行われることになった。

 1st―カウンターからチャンスを作り長倉のゴールで先制

試合は立ち上がりから強度の高いゲームが繰り広げられていく。神戸が予想どおりクロスボールを多用した攻撃を仕掛け、こぼれ球を拾って押し込もうとトライしてくる。東京が最終ラインからのビルドアップと鋭い縦パスを織り交ぜながらリズムを作り出していくと、試合の流れは徐々に東京へ傾いていく。

前半12分には佳史扶選手のクロスをファーサイドの佐藤選手がダイレクトボレー。続く同14分には長倉選手がペナルティエリア付近で仕掛け、ボールがやや足下から離れてしまったところをヒアン選手がシュート。これは枠を捉えることができなかったが、その後も東京が中間ポジションでボールを受けながらボールをつないで攻めるシーンが続いた。

前半21分には鋭いアタックから縦に仕掛けたヒアン選手が、中央でタイミングを見計らいながら抜け出しを狙っていた佐藤選手にラストパス。だが、わずかにステップが合わず、ゴールに蹴り込むことができない。

その後もロングボールとクロスを中心に攻める神戸、ビルドアップとカウンターを織り交ぜる東京という構図は変わらず。東京はしっかりと中央を締めながらボールの出どころを自由にさせない守備で対応することでチャンスを探っていった。

試合を動かしたのは、青赤得意の鋭いカウンターだった。前半35分、佐藤選手が右サイドをロングレンジのドリブルで持ち上がり、右足で狙いすましたグラウンダーのクロスボールを供給すると、これをファーサイドに走り込んできた長倉選手がワンタッチで蹴り込んでゴール! アウェイで冷静な戦いを見せていた東京が先手を奪うことに成功した。


しかし前半41分、ビルドアップの乱れから大迫選手のプレスを受けてスンギュ選手がボールをロストしてしまい失点。先制から間もない時間帯に試合を振り出しに戻されてしまう。

前半は1-1のまま終了。勝負の行方は後半に委ねられることになった。

2nd―長倉マルチゴールで勝ち越しも終盤の失点でドロー

ハーフタイム明け、アウェイに詰めかけた青赤ファミリーから熱い声援が飛ぶ。選手交代なく迎えた後半、ファーストシュートを放ったのは東京だった。後半6分、ヒアン選手が左からドリブルでカットインしてパス。佐藤選手が落としたところを高選手が右足ミドルで狙う。これはクロスバーを越えてしまったが、複数の選手が絡んだ攻撃からフィニッシュに持ち込み、得点の匂いを漂わせた。

ここから左アタッカーに入った本間選手が存在感を発揮する。室屋選手からの大きなクロスボールをファーサイドで合わせれば、森重選手とのワンツーでペナルティエリア内への抜け出しを狙うなど、中間ポジションでボールを受けて周囲と連携する彼の良さが立て続けに出ていく。

東京ベンチが動いたのは後半18分、ヒアン選手、佳史扶選手、高選手に代えて2トップの一角に仲川輝人選手、左サイドバックに石原広教選手、ボランチに常盤亨太選手がイン。一気に3枚替えを敢行して試合の流れを引き寄せに掛かる。

後半24分には右サイドでつないだボールから佐藤選手がクロス。相手ディフェンダーの頭に当たってコースが変わったところで中央の仲川選手が競り、このこぼれ球を長倉選手が頭で押し込んだ。副審のオフサイドフラッグが上がり一旦はノーゴールと判定されたが、VARのサポートが入ってゴールが認定されて東京が勝ち越しに成功。初勝利に執念の戦いを続ける青赤がアウェイで一歩前に出た。



ここでふたたびベンチが動く。前線で奮闘し続けた佐藤選手を安斎選手にスイッチ。攻守両面でハードワークできる背番号7をそのまま右アタッカーに投入する。さらに90分には本間選手に代えて左アタッカーに小湊選手がイン。最後の交代カードを切って勝利を手繰り寄せに掛かる。

8分間と表示された後半アディショナルタイム、ロングボールでパワープレーを仕掛けてくる神戸に対して受け身になる時間帯が続くと、90+3分に右サイドからのロングスローが流れたところを武藤選手に蹴り込まれて失点。再び試合を振り出しに戻されてしまう。

その後も神戸のパワープレーに押し込まれる時間が続いたが、何とかしのいでタイムアップ。攻守に気迫のサッカーを見せて特別大会王者の神戸と互角以上の試合を展開したが、二度のリードを奪いながら活かし切れず。アウェイで惜しくも勝点1を得るにとどまり、初勝利は次節以降へ持ち越しとなった。

 

松橋力蔵監督インタビュー

Q、試合の総括をお願いします。
A、90分間、選手はしっかりと自分たちらしさも表現してくれましたし、タフに戦ってくれました。それが最後、勝点3につながらなかったところは非常に残念です。もちろんこれは全員の責任ということで、私の責任でもありますし、今回遠征に来たこのメンバー全員でもう一回受け止めて、それを次の勝点3にどうつなげていけるかが大事です。そこに向けて、また良い準備をしていきたいと思います。

Q、2得点を挙げた長倉幹樹選手の評価をお願いします。また、この試合は勝点1を得たのか、それとも勝点2を失ったのか、どちらの気持ちが大きいでしょうか。
A、長倉選手は、昨シーズンに大きな怪我をしてから、なかなか自分の本来のパフォーマンスを出し切れないなかでシーズンを過ごしてきました。今シーズンはキャンプから順調にきているなかで、少し違和感などが出ながらも、今日はしっかりと90分間戦ってくれました。なおかつ2得点ということで、チームを本当に勝ちに導くための活躍をしてくれました。得点に限らず、相手のラインが低くなれば、ライン間でボールをしっかり受けてゲームのリズムを作ったり、難しい状況でしっかりキープをして次につなげ、次の我々の攻撃の機会を創出するというところで、トータルで非常に素晴らしい活躍をしてくれました。今、終わってからは、やはり勝点2を失ったという気持ちの方が非常に強いですが、これが意味のある勝点1になるようにしたいと思います。これは毎シーズンあるかもしれませんけども、何でもそうですが、しっかりと得たものをどう生かしていくかというところに、少しでも自分もシフトできればいいと思っています。

Q、今日の試合で安斎颯馬選手が戻ってきました。期待していた部分と、これから期待したい部分を教えてください。
A、安斎選手も途中からの出場になりましたが、十二分に彼の良さというものをしっかりと発揮してくれました。まだまだコンディションの部分では100パーセントではないというような日々は過ごしていますが、この戦いをする上で、このようなことは想定できた部分もあったので、私が想定したなかで彼は今回の出場になりましたし、そこでも十分、しっかりと力を発揮してくれたと思っています。

選手インタビュー

長倉幹樹選手

Q、まずは今日の試合、全体を振り返ってどうでしたか。
A、最後の最後、勝ち切れるかどうかというところで、勝利を持ってこられなかったのが悔しいです。

Q、2得点を決めました。まず1点目を振り返ってください。
A、チームとしてカウンターがきれいに刺さったかなと思います。

Q、2点目はいかがでしたか。
A、仲川輝人選手が潰れてくれたおかげで、あとはもう決めるだけでした。

Q、ゴール以外でも、ライン間に入ってボールを受けたり、ラストパスも含めて自身の特長がよく出ていたと思います。そのあたりはいかがですか。
A、チームとして自分がボールを受けられるところもありましたし、佐藤恵允選手やマルセロ ヒアン選手、本間至恩選手が良いところで受けられた場面もあったので、全員が良いボールを受ける体勢をとれていたのが良かったなと思います。

Q、前線や中盤とのコンビネーションは、キャンプからかなり高まってきているように見えます。手応えはどうですか。
A、得点も生まれましたし、得点にはなりませんでしたが良い攻撃もあったので、そういう連携の部分では徐々に良いものが出てきていると思います。

Q、最後の一歩、勝ち切るためには何が必要ですか。
A、やっぱり守り切るところですね。最後の最後、前回大会のチャンピオンである神戸は勝点を奪うという部分が強さだと思うので、そういう図太さというのは大事だと思います。

Q、来週はまたホームMUFGスタジアム(国立競技場)での試合になります。意気込みをお願いします。
A、もう勝利のみをめざして頑張ります。

バングーナガンデ佳史扶選手

Q、久々の出場となりました。試合を振り返ってどうですか。
A、チームとして、勝ちに向けてこの1週間やってきていましたし、内容を含めて勝ちにふさわしい試合だったので、結果が引き分けになってしまったことが本当に悔しい気持ちでいっぱいです。ただ、積み上げてきたものはしっかり出せた部分もあったので、良いところは継続しつつ、今回も出てしまった課題は修正して、次に向けてやっていかなければと思います。
1週間後にまた試合があるので、そこは絶対に勝ちが求められてくると思いますし、切り替えてやっていきたいです。

Q、自身のプレーについてはどうでしたか。
A、得点につながるプレーを意識して、より攻撃的に、ということは監督にも言われていました。ただ、直接的に得点につながるプレーを数字としては残せなかったので、そこは課題が自分の中に残りました。先週、アクシデントで橋本健人選手が退場してしまい、その試合が終わった後にも監督といろいろ話をして、今回スタメン出場という形になりました。本当にチームを勝たせたいという想いで今日のピッチには立ちましたし、久しぶりの試合だったというところもあって、本当に勝ちを求めてやっていたので、結果には残念な気持ちが強いです。

Q、キャンプから取り組んできたクロスボールだったり、本間至恩選手とのコンビネーションで崩したり、かなりいい部分が出ていたように見えました。手応えはどうですか。
A、そこはチームとしてキャンプから積み上げてきたものなので、今回は本間至恩選手と高宇洋選手、左を森重真人選手と組みましたが、キャンプからずっとやってきたことを出す感じだったので、パッと入っても全然違和感なくできました。本当に周りの選手がサポートしてくれたということが自分のなかでは大きくて、周りの選手にはすごく感謝していますが、だからこそやはり勝ちたかったという想いが強いです。

Q、次はホームに戻って、MUFGスタジアム(国立競技場)での金Jです。どんな戦いを見せたいですか。
A、開幕戦と今回の試合を含めて、チームとしてあと少しのところだと思うので、そこを突き詰めていき、ハマればすごい結果を出せるチームだと思っています。自分自身プレーしていても、開幕戦を外から見ていても、日頃の練習からでも、それは実感していますし、優勝できるチカラがあると思っています。ただそれはこの1週間、またしっかりと準備して、ピッチで証明してこそだと思うので、千葉戦に向けてしっかりと準備したいです。絶対に勝ちが求められてくると思いますし、勝つためにそれぞれが1週間しっかり自分と向き合って準備して、それを試合で出せるようにやっていきたいと思います。