INTERVIEW 2026.5.15

5/16浦和戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー&プレビュー

前節・東京ヴェルディ戦のレビュー

夢をつなぐ意地の勝利。同じ味の素スタジアムを本拠地とする東京ヴェルディを相手に後半アディショナルタイムの決勝弾で勝点3を獲得した。

シーズンラスト3試合に突入し、特別大会における味スタでの最終戦。勝点5差をつけられている首位の鹿島アントラーズを追撃して逆転優勝の可能性を残すには、とにかく連勝街道を突き進むしかない一戦。試合は序盤から東京Vが積極的なプレスと球際の強さを発揮してきたなか、青赤が徐々にペースを握っていく。

遠藤渓太選手からの大きなサイドチェンジに佐藤恵允選手が抜け出して放った強烈なシュートがクロスバーを叩き、佐藤龍之介選手の狭いエリアを切り裂くスルーパスからマルセロ ヒアン選手が右足で流し込んだボールはわずかにゴール左へ外れたが、相手を見ながら青赤の各選手がライン間で巧みな位置取りを見せて主導権を握っていく。

前半29分に相手ゴールキーパーからのロングボールをつながれて先制点を許してしまったが、東京は攻め手を緩めることなく相手ゴールに襲いかかっていった。

そして前半41分、佐藤龍選手が中央からタイミングを見計らってスルーパスを供給すると、飛び出した選手は室屋成選手。ペナルティエリア内で鋭いターンから縦に抜けて右足一閃! 頼りになるキャプテンの流麗かつ豪快なフィニッシュで試合を振り出しに戻した。

後半もお互いに球際で激しいバトルを見せていくなか、7分間と表示された後半アディショナルタイム、橋本拳人選手を前線に上げるパワープレーなどで押し込み続けた東京に歓喜の瞬間が訪れる。その立役者は途中出場していた長倉幹樹選手だった。

佐藤恵允選手が放ったシュート性のキックを技ありのトラップで前方へ持ち出すと、左足で冷静にゴールキーパーの鼻先を越えるループシュートを流し込んで決勝点。背番号26の冷静なフィニッシュで味スタは熱狂の渦に。地域リーグラウンドのホーム最終戦を制し、きっちりと勝点3を獲得し、アウェイでのラスト2試合に逆転優勝の可能性を残した。

今節のプレビュー

「もう勝つだけ。俺たちにできることは勝つことだけです」

チームが置かれた状況を佐藤恵允選手が端的に語る。ラスト2試合で首位まで勝点4差。最終節に待ち構える鹿島アントラーズとの直接対決に夢をつなぐためには、今節で浦和レッズに90分間で勝利して勝点3を積み上げなければならない。

“一戦必勝”の態勢はこれまでと変わりはない。まず日曜日に試合を控える鹿島に対して勝点1差に詰め寄り、プレッシャーを掛ける場所に立つことが肝要だ。松橋力蔵監督が言い続けてきた“優勝にふさわしいチーム”になれるかどうかを問われる覚悟の一戦。指揮官は「今までと変わりはありませんが、熱が入るゲームになる」と話し、選手たちには「優勝するぞ」とシンプルに目標を再認識させたという。

その言葉を受けた遠藤渓太選手は「優勝をめざしているチームであれば確実に勝たなければいけないゲームになる。あまり鹿島のことは考えず、目の前の試合に勝つことだけを考えたい。シーズン終盤の数試合は簡単に勝てるものではないけれど、ピッチに立った選手全員が自信と勇気、責任を持って向かっていきたい」と意気込んだ。

そして15日、長友佑都選手のFIFAワールドカップ2026™に臨むSAMURAI BLUE(日本代表)への選出が発表。フィールドプレーヤーとしては日本代表歴代最多となる5度目の本大会出場を決めた。25日から代表合宿がスタートしてしまうことで明治安田J1百年構想リーグのプレーオフラウンドに出場することができず、青赤のユニフォームを着て特別大会を戦える試合は、今節と最終節の2試合のみ。長友選手は「5回目の選出になりますが、こんなに緊張したことがないというくらいに緊張しました。応援してくれたみなさんには感謝の気持ちしかありません。でも、僕たちには(特別大会で)優勝の可能性が残っていて、明日の浦和レッズ戦は重要な試合になります。頑張りましょう!」と、まずは地域リーグラウンド首位突破への想いを口にした。

対する浦和は今シーズン、PK戦での敗戦を含む7連敗を記録するなど苦しんだ時期もあったが、4月末に田中達也監督が暫定的に就任すると、そこから4連勝中と一気に復調。選手たちに与える役割を整理し、攻守の切り替えが鋭さを増すなど、戦えるチームへと生まれ変わった印象だ。

松橋監督と田中監督はアルビレックス新潟時代にコーチと選手、さらには指揮官とアシスタントコーチとして一緒に戦った経験を持つ間柄。東京戦を控えた田中監督が「(松橋監督には)選手を信頼するというところを教わった。一番近くで見させてもらって、かなり影響されている」と話せば、松橋監督も「最後まで何かを追求し続けている選手だった。指導者としても研究熱心で、僕自身もすごく刺激を受けたコーチの一人」と懐かしむ。

こういった再会があるのもサッカーの素晴らしさではあるが、東京としてはアウェイで何としても勝点3を持ち帰らなければならない。相手が球際激しく来るならば、それを上回る強度で試合を支配していくだけ。我々のカウンターをケアしてくるならポゼッションでの打開を、前からプレスにくるなら引き込んでの速攻を、そして即時奪回には即時奪回を──。どちらが勝利に飢えているかを見せる試合になる。まずはこの試合にすべてを懸けて戦う。2019シーズンの優勝争いを知る橋本拳人選手は「次のことは考えず、この試合に200パーセントの力を注ぎたい」と覚悟を固めていた。

気迫とプレーのすべてで浦和を凌駕し、ホームのようなスタジアムの雰囲気を作り上げて青赤ファミリー全員で夢をつなぎたい。覚悟と強さを証明する一戦で、青赤軍団が埼玉スタジアムを熱狂させる。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、地域リーグラウンドもラスト2試合になりました。勝たなければならない状況は変わりませんが、明日の試合に向けて考えていることを教えてください。
A、これまでと何も変わらず、僕たちのできることはしっかりとやらなければならないです。ただやはり熱が入る試合になると思います。

Q、浦和レッズ戦に向けて選手にどのようなことを伝えましたか。
A、この試合に向けて、特別に伝えたことはありません。選手たちに伝えたのは目標としていることを口にしただけで、続けようということや、このままでいこうということではなく、我々の目標は優勝なので、「優勝するぞ」という話だけしました。

Q、優勝にふさわしいチームになるために、この試合を乗り越えられるかというところもポイントになってくるのではないでしょうか。
A、“ふさわしさ”のなかにはいろいろな意味があるので、それも一つかもしれません。選手たちはここまで優勝にふさわしい姿勢、態度、言動、行動がしっかりととれていると思います。

Q、浦和レッズは田中達也暫定監督が就任してからどのような印象ですか。球際も激しくなり、生まれ変わった印象もあります。
A、やることがはっきりして整理されたなかで、個々の選手の力がすごく表に出るようになったと思います。もともと手強い相手ですし、アウェイでの試合となるので、相手サポーターの熱も加われば、浦和の強さというものはさらに一段階上がってくると思います。ラスト2試合はアウェイでの連戦となるので、その1試合目をしっかりと乗り越えて、次に向けて進めるように準備するだけです。

Q、アルビレックス新潟にいた際に、田中達也暫定監督と一緒に過ごされています。明日の試合で再会しますが、どのような指導者でしょうか。
A、突然のことで、この試合で対戦することは想像していなかった部分もあります。ここまで非常に素晴らしい仕事をしていると思います。サッカーが大好きな人間で、僕も刺激を受けました。(田中達也暫定監督が)現役の選手として、最後のシーズンに僕がコーチとして彼と関わるなかで、なかなか試合に出場できないなかでも、努力を惜しんだり、行動をやめたり、考えることをやめたりということは一切なく、常にコーチとして質問を受けるような状況にありました。本当にサッカーが大好きで、最後の最後まで何かを追求し続けている選手だという印象した。彼の現役最後のシーズンに立ち会うことができてすごく幸せでした。その後、トップチームで一緒に仕事をするようになりましたが、本当にサッカーのことが常に頭のなかにある指導者でした。研究熱心で、勉強熱心で、人間としての徳も持っています。僕自身もすごく刺激をうけたコーチの一人です。

Q、松橋力蔵監督から指導者として大切なものを学んだというコメントを田中暫定監督もしています。
A、何を学んだのか分からないですが、常に同じ目線で話していました。そのなかで僕としてもヒントを得ることができましたし、何よりも彼とサッカーの話をしていることがすごく楽しかったです。本当に素晴らしい指導者です。

選手インタビュー

橋本拳人選手

Q、レギュラーシーズンもラスト2試合となりました。
A、もう次のことを考えずに、この試合に200パーセントで挑みたいと思っています。浦和レッズとの前回対戦はもうかなり前になってしまうので記憶が薄いところです。監督が変わって、ガラリと良くなったという印象ですね。

Q、サッカーの面では、浦和が変化した部分を感じますか。
A、それぞれの立ち位置が整理されていて、前の監督よりもボール保持を試みている印象です。個人個人の良さが存分に引き出されていると感じます。

Q、中島翔哉選手など、今までベンチスタートになることが多かった選手がスタートから起用されて躍動しているようです。
A、自由にやらせたら厄介な選手ですし、マテウス サヴィオ選手や金子選手など二列目のタレントはすごく豊富だと思うので、そこを自由にさせないことが一番のカギになるかと思います。

Q、監督が変わってから失点していない(前々節まで3試合連続無失点)という守備の固さも現在の浦和の特長です。そこをどうこじ開けていきたいですか。
A、マチェイ スコルジャ前監督でおそらく守備のところはすごくやっていたと思うので、そこと攻撃をうまく融合して、良いサッカーをしていると思います。そこをこじ開けるためには、僕たちの強みであるカウンターアタックもそうですし、今は相手を見ながらボールを保持して隙を突いていく攻撃もできています。必ず隙はあると思うので、そこを突きたいと思っています。

Q、今シーズンの集大成をこの2試合で見せるところにも繋がっていくのではないですか。
A、そうですね。他力にはなってしまいますけど、僕たちは勝たなければ次はありません。もう全力で決勝戦のような気持ちで臨みたいと思っています。

Q、ずっと溜め込んでいるゴールへの想いもあると思います。ここ最近は毎週言われています。
A、期待してもらっていることは嬉しいです。ただ、僕の仕事は点をとることではありません。もちろんチャンスがあれば狙っていきますし、2列目や3列目から飛び込むことは自分の武器でもあるし、そこの感覚は試合ごとに良くなってきています。あとは決めるだけというチャンスがきているので、こういった大事な場面で決めてチームに貢献したいという想いは強いです。

Q、一緒に戦ってきたファン・サポーターも同じ気持ちで戦ってくれていると思いますが、彼らにどのようなことを求めたいですか。
A、アウェイゲームですが、たくさん駆けつけてくれると思います。埼玉スタジアム2002は少し独特なスタジアムで、飲み込まれそうになる時もあると思うのですが、ファン・サポーターの声援が僕らの後押しになるので、一緒に喜び合いたいと思っています。

室屋成選手

Q、前節では、先制され難しい試合になりましたが、逆転勝利することができました。
A、前半のうちに追いつけたことがとても大きかったですし、後半は自分たちが支配する時間が多かったので、失点しないでゲーム進められればどこかで1点はとれるかなと思っていました。そのなかで長倉幹樹選手が決めてくれて良かったです。この前の試合は内容よりも、自分たちのメンタリティや、本当に勝ちたいという気持ちを見せたいと思っていたので、それがしっかりと形になったことがチームとしてもすごく大きかったです。それは、東京Vに勝つこともそうですが、優勝争いへの望みをつなぐという意味でも本当に大きな勝点3だったと思います。

Q、前半終了間際のゴール含め、サイドバックの選手がしっかりとゴール前に入っていけていることはチームとしても状況が良い証拠だと思います。
A、やはりチームとしてボールを握れているからこそ、自分が前線に上がれる時間が増えているわけで、チームとしての戦い方や、その恩恵を受けています。今はそれがチームのストロングポイントにもなっていて、前線の選手もバランスよく色々な選手が得点を決めているので、どこからでもチャンスを作れるチームになっているのかなと思います。個人的なところでも、得点シーンだけではなくて相手にとって危険な場所に入っていきシュートを3本ぐらい打てました。毎試合、ボックス内でパスを受けることができていますし、自分自身も“この位置にいたら点がとれそうだな”という感覚も試合を重ねるごとに研ぎ澄まされてきているので、攻撃に厚みを加える部分でも良い感覚で攻撃参加できています。

Q、チームとして勢いのあるなかで迎える浦和レッズ戦になります。
A、まずは劇的な勝ち方をした後なので、気を抜かずに戦う必要があります。浦和は監督が変わってから、すごく自信を持ってプレーしている印象があります。アウェイなので本当に難しい試合になると思いますが、自分たちからアプローチを変えることはしなくても、今はチームの良さをしっかりと出していけば必ず勝てると思っています。

Q、浦和の前線の選手には強力なアタッカーが多くいます。
A、浦和は能力がある選手がたくさんいるので、守備の部分では気を付けないといけません。ただ、常に受け身になるのではなく攻守のバランスをしっかりと試合中に見極めて、攻撃するところと守らなければいけないところを、しっかり見極めたいなと思います。

Q、ここから優勝を掴みとるために、最後はどのようなことが重要になると思いますか。
A、今の自分たちのメンタリティや、姿勢を変える必要はないと思っています。自分から特別に何かを、チームに言う必要は特に感じていないので、このまま自分たちの力を信じていけばいいと思います。チーム全体としてすごく成長している感覚があるので、今シーズンのラスト4試合でその成果をしっかりと発揮できるように準備をしていきます。

Q、最後になりますが、前節も大きな声援を送ってくれた、ファン・サポーターへメッセージをお願いします。
A、本当に試合前からすごく良い雰囲気を作ってくれているので、自分たちはその声援に対して、しっかりとプレーで応えるので引き続き最高の応援をお願いします。