INTERVIEW 2026.3.21

3/22 東京V戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー&プレビュー

前節・ジェフユナイテッド市原・千葉戦のレビュー

開幕ダッシュを優勝争いへとつないでいくために、しっかりと結果を求めていかなければならないアウェイ3連戦の2試合目。松橋力蔵監督が試合前日に「総力戦になる」と話していたとおり、東京は前節からスタメンを6選手入れ替えて試合に臨むことになった。

ミッドウィーク開催を挟んだ過密日程となることを受けて送り出したフレッシュな選手たちがフクダ電子アリーナのピッチで躍動。チーム全体が球際の激しさと素早く攻守を入れ替えるサッカーを見せて相手を圧倒していく。

なかでも今シーズン初スタメンのボランチ小泉慶選手は、常盤亨太選手とのコンビで攻守の大黒柱として機能。抜群の運動量で攻守に絡み、二人で交互に最終ラインに落ちる新しいビルドアップの形に加えて、機を見た攻め上がりで4-3-3に近い可変システムも実現。同じく今シーズン初スタメンの仲川輝人選手も2トップを組んだ長倉幹樹選手とタイミング良く中盤でボールを受けて攻撃の潤滑油となり、前半は終始東京ペースで進んでいった。

試合が動いたのは前半26分。遠藤渓太選手のドリブル突破から常盤選手がミドルシュート。これが相手の手に当たり、VARのサポートが入った末にPKの判定に。このチャンスをアレクサンダー ショルツ選手がきっちりと沈めて東京が先制点を奪う。

後半、千葉が巻き返しを図ってハードに向かってきたことで少し流れを奪われ、同34分にロングボールの流れからこぼれ球を押し込まれて同点とされてしまう。だが、開幕戦と前節でゴール直後に失点を喫していた手痛い教訓が、ここで電光石火の勝ち越しゴールを呼び込むことになる。

右サイドで佐藤恵允選手から強めのパスを受けた野澤零温選手が流れるようなトラップで前方へ持ち出して縦へ突破すると、この折り返しを後方から走り込んだ佐藤龍之介選手が豪快に右足で蹴り込んで勝ち越しに成功。ふたたび東京が一歩前へ出た。

今シーズン初出場で松橋監督から「待たせてごめん」と声をかけられていた野澤選手は、「昨シーズン、あれだけ我慢して使ってもらったのに、そう言わせてしまったことを逆に申し訳ないと思っていた。リキさんの『ごめん』という言葉を『ありがとう』に変えたいと思ってピッチに入った。いろいろな人の想いを背負ってプレーしたいと思っていたので、一つ結果を残せて良かった」と笑顔で振り返った。

そして得点を決めた佐藤龍選手にとっては、直前のボールロストが失点に絡んでしまった状況を受けての一撃。「いつもより想いを持って(ゴール前に)走った。取り返さなければと思っていた」という気迫でチームに勝利を呼び込む値千金の決勝ゴールをねじ込んだ。

後半アディショナルタイムに相手の決定機がポストを叩くシーンもあったが、東京は各選手が攻守両面でしっかりと持ち味を発揮して2-1で勝利。この結果、PK戦での3勝含む6勝1敗で勝点を15に伸ばし、明治安田J1百年構想リーグEASTグループで2位に浮上した。

今節のプレビュー

ジェフユナイテッド市原・千葉から勝利を収めた直後、ゴール裏に詰めかけた青赤ファミリーから次節に向けた熱いチャントが響き渡った。その想いは選手たちの胸にしっかりと届いている。それは、彼らの耳に届いた歌詞を上回る熱量で。

アカデミー育ちの常盤亨太選手は言う。「ヴェルディだけには負けられない。でも、その表現だと引き分けも含まれてしまう。だから僕は絶対に勝ちたい。この試合は勝たなければいけない」と。

明治安田J1百年構想リーグEASTグループ、FC東京は第7節を終えて首位に勝点4差の2位につける。今シーズンのターニングポイントとなるアウェイ3連戦で連勝を収めて迎えるのは、アウェイの東京ヴェルディ戦。味の素スタジアムで行われる意地と誇りを懸けた大一番だ。首位の鹿島アントラーズに食らいついていくためにも、絶対に勝利しなければならない重要な試合となる。

前節の千葉戦はボランチが最終ラインに落ちるという新しいビルドアップを披露。相手の出方に応じて戦い方を変えることを求めてきた松橋監督が、また一つチームに新たな武器を加えた形だ。相手のプレスを回避するポゼッションにパターンが増え、裏のスペースを突く鋭いカウンター、ブロックを崩すためのダイレクトプレーなどと合わせて、的確な状況判断をベースにした臨機応変なサッカーを見せられるように進化してきた。それは戦術のためではなく、あくまでゴールのため、勝利のため、そして優勝に向かっていくためのもの。目標を明確にしたことで、指揮官も選手たちも目線を合わせて戦えている。それが今のチームが持つ何よりの強みでもある。

今節は絶対に勝たなければならないゲームとなる。前線からのハードワークを特徴とする東京Vに対して、彼らが向けてくる“矢印”をどう折っていくかが勝負のポイントになるだろう。松橋監督は相手のスタイルについて「そこは百も承知。非常にアグレッシブで、本当に(城福浩)監督の色が出ているチームだと思う。自分たちが持っているもの、準備してきたものをしっかりとぶつけていきたい」と意気込む。アウェイ3連戦の3試合目。千葉戦でフレッシュな選手たちが活躍した流れを受けて、今節も総力戦で勝利を掴みにいくことが求められる。

また、今週木曜日に発表されたSAMURAI BLUE(日本代表)のヨーロッパ遠征メンバーに、国内組唯一のフィールドプレーヤーとして佐藤龍之介選手が選出された。FIFAワールドカップ26の最終選考となる場での代表入りで大きな夢をつなぐ機会となる。東京Vとの一戦を控えた状況での吉報に「この試合で自分のプレーを見せることが代表につながっていくと思う。自分自身も良い状態だし、ミスを恐れずに果敢に挑んでいく姿勢がゴールにつながっていると思うので、それをこの試合で発揮したい。この試合は絶対に勝たなければならないし、その試合で自分がゴールを決めることができたらうれしい」と好調さとともに“ダービー男”への意欲を燃やしていた。

“優勝にふさわしいチーム”となっていくには、まだまだ道半ば。だが、絶対に立ち止まるわけにはいかない。明確に掲げた大きな目標に向かってしっかりと歩みを進めなければならないのだ。4連勝を懸けた今節、目の前のライバルを全力で蹴散らし、東京が青赤であることを実力で証明してアウェイ3連戦を勝利で締め括りたい。一戦必勝。俺たちの味の素スタジアムで青赤一丸となって歓喜を掴み取る。その先にある未来を自分たちの手で引き寄せるために──。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、チームとして3連勝をして迎える試合になります。選手たちにはどのような話をしましたか。
A、まず、その試合を制する前に、(準備期間である)この3日間を制しようと話しました。勝負の場に立つ前に、自分たちに何ができるかというところで、短い時間のなかで多くのことができるわけではないですが、回復も含めて選手たちには取り組んでもらいました。これまでを見ても、彼らは3連戦に入る前に話していたことをしっかりと体現してくれていました。明日の試合でも、僕は彼らを信じています。

Q、チームとしては色々なことができるようにならなくてはいけないと考えているなかで、新しいビルドアップの方法も機能していると感じています。
A、今に始まったことではなく、今シーズンは色々なことにトライしています。トライし切れていない部分も当然ありますが、最後のところを選ぶのは選手の主体性で、その構造を提案や提示することが大事です。その主体性を欠くようなところまで持っていってしまうと、オートマチックになってしまい、偏り始めてしまいます。相手のプレスの方向一つで判断は変わると思いますし、僕が提示していることはその状況が違えば全く無意味になるものです。彼らが何を選ぶのか、そこに対する連動性がどう生まれるか、という最後のところは(選手が主体的に判断する余地を)残さないといけないですし、どちらかといえばそちらの方が大きくなっていった時に、“真の力”になるのではないかなと思っています。

Q、ピッチ内で選手たちが判断してプレーするシーンが増えてきている印象があります。
A、それは試合を重ねていくなかで、おそらく彼らの目に飛び込んでくるその状況が教えてくれると思いますし、相手が引き出してくれていると思うので、そういうところをうまく自分たちでも活かしていかなければいけないと思います。

Q、選手たちが“優勝にふさわしいチーム”、“優勝するために”という目的から逆算したようなコメントを多く口にするようになりました。選手たちの意識をどのように感じていますか。
A、まだ道半ばです。「本当にふさわしいとは一体どういうことなのか」というところを、選手全員が、その時その時で考えてくれていると思います。そこにみんなが目を向けているからこそ、そこに頭を持っていくからこそ、一つの進むべき道は見えてくると思います。その行く先はみんな一緒ですが、そこに辿り着くまでのふさわしさというものは、個々でも捉え方が違います。向かう先がはっきりしているからこそ、みんなそこに向けてしっかりと取り組んでくれているのだと思います。

Q、東京ヴェルディの印象はいかがでしょうか。
A、非常にアグレッシブで、監督の色が出ているチームだと思います。素晴らしい監督で、経験もキャリアとしても非常に尊敬できる方なので、胸を借りるとかではなくて、自分の今持っているもの、我々が準備してきたものを発揮してぶつかっていきたいです。

Q、味の素スタジアムを含めて普段とは違う雰囲気になると思います。
A、当然熱くなる場面はあると思うのですが、先ほども言ったように、その試合を制する前にこの3日間をどう制したかということが、その場で結果として出るのではないかと思っています。

選手インタビュー

長倉幹樹選手

Q、ここまで全試合にフル出場していて、走行距離、スプリント数ではJ1リーグでも1位の数値を記録しています。
A、ゴールを決め切ることができていなくて、チームに迷惑をかけてしまっていると思っています。走行距離やスプリントの数はそこまで気にしていないです。チームの勝利のために何ができるのかを常に考えてプレーしているので、チームが勝っていることが一番重要です。そのために何ができるのかを考えてこれからもプレーしていきます。

Q、ジェフユナイテッド市原・千葉戦ではしっかりと勝ち切ることができました。内容としても相手を圧倒することができていたと思います。
A、水戸ホーリーホック戦で試合を難しくしてしまった要因は、相手のサッカーに付き合ってしまったことだと思っています。前からプレッシャーにくる相手に対して、シンプルに裏をとる攻撃や、前線でしっかりとボールを収めることができれば、相手が前線に人数をかけている分、逆に数的優位を作りやすくなると思いますし、相手も前からのプレスをかけにくくなると思います。千葉戦は準備期間が短かったので何かを準備する時間はなかったですが、今までやってきたことを振り返り、初心に帰るということではないですが、しっかりと自分たちのやりたいことを表現しようと話しました。それが表現できた結果が勝利につながったと思います。 

Q、1週間で3試合を戦う連戦の最後の試合が東京ヴェルディとの試合になります。
A、自分たちだけではなく、クラブとして絶対に負けてはいけない相手です。東京Vはアグレッシブにくるチームだと思っているので、勢いに飲まれないように自分たちのプレーをしたいです。これまでの試合でも前半から多くのチャンスを作れているので、そこをしっかりと決め切ることができれば勝利することができると思います。前半のキックオフ直後からしっかりと自分たちのペースを作り、決めるべきところをしっかりと決め、前半から1点だけではなく2点、3点と得点を奪いにいきたいです。自分自身としても前回対戦時に得点できていて良い印象もあるので、得点できればいいと思っていますが、この試合は個人の結果より、チームの勝利が何より必要だと思っているので、そのためにプレーしたいです。 

Q、今回はアウェイという扱いになりますが、会場は味の素スタジアムです。多くのファン・サポーターが来場すると思いますが、メッセージをお願いします。
A、僕たちは誰が出場してもチームが勝利するために全力でプレーをします。今回はアウェイチームとして試合に臨みますが、味の素スタジアムは僕たちのホームスタジアムです。いつもどおり自分たちのホームだと思えるような雰囲気を作ってくれると嬉しいです。その熱量以上の熱さで戦い、みなさんに勝利を届けるので、応援をお願いします。

稲村隼翔選手

Q、まずは前節のジェフユナイテッド市原・千葉戦を振り返ってください。前半はパーフェクトと言っていい内容だったのではないですか。
A、相手のプレッシャーもそこまで強いわけではなかったので、あれくらいのプレッシャーであれば、自分もアレクサンダー ショルツ選手も橋本健人選手もプレスを回避できていました。ただ、ピッチ内でプレーしている立場だと、やはりどの試合を見ても前半でもっと点をとっておきたいという課題はあります。あれだけシュートを打っていてチャンスもあるなかで、逆に相手はシュートが1本だったと思うので、前半でゲームを終わらせることはすごく大事だと思います。そこは千葉戦の内容が良かったとしても、もっと求めたいところでした。

Q、プレス回避という観点で言うと、特にご自身のところで、横や後ろではなく前にボールをしっかりと運べているところが大きかったと感じました。
A、今、松橋力蔵監督からもどんどん前に進んでいこうということはチームとして言われていますし、それが自分の特長でもあります。橋本健選手と遠藤渓太選手とも良い関係で相手を崩せていたと思います。あとは、本当にボランチの2選手のポジショニングのお陰です。常にボールを受けられてリスクも管理できるところに立つなど、気を遣ってポジションをとってくれていました。自分も自由に動かしやすかったですし、攻守ともにボランチの二人が主導した試合だったと思います。

Q、話は戻りますが、攻守において試合を支配する部分は整ってきて、だからこそ課題は決定力のところという印象です。
A、浦和レッズ戦もそうだし、柏レイソル戦も水戸ホーリーホック戦もそうです。水戸戦は少し難しい展開でしたが、浦和戦も柏戦も前半で3-0にしてもおかしくないゲームでした。そこは長倉幹樹選手を含めて前線が決めてくれ、と後ろの選手は思っています。ただ、逆に言えばあれだけチャンスを作れていることはポジティブに捉えていいと思います。昨シーズンの東京を見て感じたことと自分が実際にプレーしてみて、本当にそこはチームとして変わったと思っています。

Q、チームとしてコンパクトな陣形は変えずに、状況に応じて前から行くのか相手を引き込むのかという戦い方がチームとして意思統一されて、攻守の連動がスムーズになってきたように見えます。
A、そこは、常盤亨太選手の存在がだいぶ大きいです。常にボールを奪えるポジションにいるし、バランスも見られるし、両サイドのミッドフィルダーはもうどこまででも走れるし戻ってこられる。そこは本当に今の東京の強みだと思います。理想を言えば、千葉戦の失点シーンのところもそうですが、僕とショルツのところでガチッと構えて、ボランチを越えられたらもう全部奪い切れるよ、というぐらいの強さは出したいなと思います。

Q、アウェイかつ1週間で3試合を戦う連戦の締め括りが東京ヴェルディとの一戦です。FC東京U-15深川に所属していた稲村選手にとっても意識する相手ではないですか。
A、東京に在籍していない時もすごく楽しみにしていたゲームでしたし、現地で観たいなと思っていました。だから、実際に自分がその試合でプレーできる可能性があるということは本当に楽しみです。スクールに通っていた時もU-15深川の時も緑の物は身に着けないと意識していましたし、この一戦のそういう伝統や歴史みたいなものはすごく大事だと思います。本当に楽しみにしています。

Q、相手の印象はどうですか。
A、城福浩監督のもと練習では相当走っていると聞くので、おそらくそこで僕たちを上回ろうとしてくると思います。一方で、東京もアグレッシブさは高いと思うので、本当に圧倒して勝ちたいと思います。

Q、味の素スタジアム開催ですが、今回はアウェイゲームです。ファン・サポーターに期待すること、逆に自分たちが期待してほしいことがあれば教えてください。
A、ファン・サポーターの人たちには、ウォーミングアップ中から一緒に戦ってほしいと思います。ホームゲームでも相手の応援がずっと聞こえる時が多いので、そこは盛り上げてほしいと感じています。自分たちもウォーミングアップの時から高めていきたいので、そこから一緒に戦ってほしいなと思います。試合中に関しては、先日の水曜日のナイトゲームでもあれだけアウェイのスタジアムに来てくれて、試合が終わった直後にも「負けられない」というメッセージを伝えてくれて、選手のみんなにもみなさんの気持ちや熱は伝わっています。東京V戦では、自分たちも熱量を出して戦いますし、それ以上の熱量で一緒に戦ってほしいです。