マッチレビュー&プレビュー
前節・柏レイソル戦のレビュー
アウェイの川崎フロンターレ戦で快勝を収め、3連勝を記録して味の素スタジアムに戻り、柏レイソルを迎え撃った青赤軍団。前節の勢いそのままにホームで連勝記録を伸ばすべく、立ち上がりから強烈なプレスと厚みのある攻撃で一気呵成に相手陣内へと攻め込んでいく。
いきなりのビッグチャンスが訪れたのは開始4分。マルセロ ヒアン選手の力強い持ち上がりから、青赤復帰後初のスタメン出場を果たした佐藤龍之介選手がフリーでシュート。しかし、これは相手ゴールキーパーの正面を突いてしまい、早い時間に先制点を奪うことはできなかった。
その後も高い位置での連動した寄せから即時奪回や、巧みな立ち位置でのプレス回避など攻守に主導権を握る東京。前半14分には佐藤龍選手の二度追いからヒアン選手の縦突破を経由して長倉幹樹選手がシュート。続く同17分には橋本拳人選手の出足鋭いカットから複数選手が襲いかかり、最後は佐藤龍選手がミドルシュートを放つ。だが、いずれもわずかにゴール左に外れてしまい、またしてもネットを揺らすことができない。
東京が序盤に多数の決定機を作っていくなか、柏も少しずつ対応して立ち位置を変更。両者の持ち味が発揮される球際の激しいゲームが繰り広げられていく。
スコアレスで前半を折り返して迎えた後半9分、小見選手の右サイドからのクロスボールからニアで垣田選手に合わされて先制を許すと、同37分には左サイドを崩されたこぼれ球を瀬川選手に蹴り込まれて追加点を奪われてしまう。
後半、柏に流れを引き寄せられてしまっていた東京だったが、終盤に猛攻を仕掛ける。橋本拳、長倉、そして途中出場した仲川輝人の各選手が立て続けに決定機を迎えたが、相手ゴールキーパーの好守に阻まれて決めることができない。
試合はこのまま0-2でタイムアップ。攻守に東京らしさを発揮しながら得点を奪うことができず、特別大会で初となる無得点、そして初の敗戦を喫し、開幕からの連勝が3でストップする結果となった。
今節のプレビュー
真価が問われる一戦だ。
“俺たちの国立”で行われる今節の横浜F・マリノス戦は、松橋力蔵監督とチームがめざし続けている“優勝にふさわしいチーム”となっていくために、そして優勝へ向けて前進するために、絶対に乗り越えていかなければならないゲームとなる。
初めての敗戦を喫した前節も、序盤から攻守に主導権を握る戦いを繰り広げることができた。ハイプレスで相手を押し込み、球際のバトルを制し、積極的な守備から決定機につなげるシーンも多く作った。しかし、そのチャンスを活かし切ることができずに試合の流れを失い、最後に悔しい結果を受け入れざるを得ないことになってしまった。
チームとして着実に積み上げているものはある。開幕4試合のシュート本数はリーグ最多。ゴール期待値も4位という数値を記録してきた。チャンスを多く作っているというイメージは明確にデータにも表れている。
だが、そこに指揮官が警鐘を鳴らす。
「ゴール期待値を見て、『いけるぞ』と思ってはダメ。上位に入るチームはほとんどがそれを超えたゴール数を記録している。もちろんフィニッシュ数が一番多いことを逆算すれば、チャンスを作り上げていることにもなりますし、その要因として高い位置からの守備が成立していることもある。それは自分たちがプランしてしっかり準備をした結果ですし、タイトにくる相手にデュエルで勝っていくところは活かせていけるところはあります。前線だけではなくてディフェンスラインやゴールキーパーも含めたなかで、同じ目線、同じ強度、同じタイミングでプレーできているので、その合算がそういう数値につながっているとは思います。ただ、最後のところで自分たちのゴール期待値を超えていくようなトライ、チャレンジをしていかなければならない。入るまで打ち続けなければいけないし、入るまでチャレンジしていく必要がある」
ゴール期待値と実際の得点との差分──。それこそが勝負強さであり、増加しているゴール期待値を上回る得点を記録できれば、本当に『+1 GOAL』を奪えるチームに成長していくことになる。内容に満足することなく、優勝という明確な目標を掲げているからこそ、そこへのこだわりを強くする。
柏に敗れて迎えた今週のトレーニング、松橋監督は選手たちに「みんなで優勝しよう」と話しかけた。もう一度、自分たちの目標を再確認して、どこに向かっていこうとしているのかを目線合わせした。
優勝するチームは連敗しない。めざすべき場所に辿り着くためには、絶対に勝利しなければならない試合となる。“優勝にふさわしいチーム”となっていけるかどうか、その実力が試されるゲームだ。
開幕からの5試合中4試合をホームで戦えるメリットは大きい。ここまで3勝1敗という結果を残してきたからこそ、ここでしっかりと勝利を手にしてスタートダッシュをより明確なものとしてアウェイ3連戦に向かいたい。
今シーズン初となる“俺たちの国立”でのリーグ戦。青赤軍団が一丸となって自分たちの進化と真価を証明する。
松橋力蔵監督インタビュー

Q、前節での今シーズン初の敗戦を受けて、今週は選手たちへどのようなことを伝えてきましたか。
A、最初のミーティングでもう一度、自分たちの目標を伝えました。「みんなで優勝しよう」と。そこからスタートして、もう一回、自分たちのここまでの試合でどこに向かってきたのか、みんなで再確認をして入りました。
Q、勝っていくチームというのは連敗をしないというところが必要になりますが、前節の柏レイソル戦で出た課題をどのように捉えて修正してきましたか。
A、チームへのフィードバックという意味では、“しなくてはいけない部分”もありますが、そこは常に相手との関係性のなかで生まれるものです。ただ、やはり前からハイプレスをかけてマンツーマンでいった時に、おそらくあのようなタイプのゲームになるなと想定していたなかで、その前の4日間で対応する準備はしたものの、しっかりと発揮できませんでした。
しかしながら、負けたところから逆算する方法も一つですが、前半もしくは1試合を通して考えると、あのスコアを悪いなりにも覆すことができた試合だったと思います。そこを常に求めていかなければならないということは話をしていました。良い攻撃がなかなかできないなかでも、特に前半は良い守備が非常に光っていた部分があったので、そこでチャンスが我々に転がっていればというところは当然あります。ただ、「たられば」をずっと言っていても仕方がないので、そこはもう入るまで打ち続けなければいけないですし、入るまでチャレンジしていかなければいけません。
シュート数という意味では、リーグでも今一番打っているチームでもあり、その可能性が入れば高くなるし、入るチャンスを作っているところはしっかり目を向けてやっていかなければならないと思います。あとはタイトにくる相手に対して、デュエルで勝っていくところは選手とも話しながら、今節に活かせるのではないかと思っています。
Q、横浜F・マリノスは、開幕から少し調子が悪かったチームの一つだと思いますが、前節は勝利をして、ここからというところです。どうご覧になっていますか。
A、本当にらしさがしっかり出ていたゲームだったと見ています。前の選択肢をチョイスするのが非常に早いですし、クロスに対して最後の選手が確実に入ってくるところに迷いも全くないので、そこはしっかり警戒しないといけないと思っています。
Q、前節も含めて、ハイプレスできた相手の裏をとることに関して、特に前半はうまくいっていた部分があったと思いますが、そのあたりのバランスはどうですか。
A、ピッチの中でしっかりとやれていないわけではなく、自分たちも後ろからゴールキーパーをうまく使いながらしっかりとビルドアップできています。相手がそこに対応してきた場合の方法論というのは持っていないわけではないので、そこがパッと合わせられていなかったというのはもちろん課題だと思います。
本当にダメだった時に蹴る勇気ではないですが、そこはもっと持っていても良いのかなという感じはします。ただ、それが可能性のないものばかりではダメだと思います。少しでも可能性のあるフィードであったり、自分たちのボールになる確率の高いボールというのは、『遠くに速く』ではなくて『近くて高く』蹴りたい。その時間をうまく使うことによって、もしかすると高くてバウンドしていると相手が処理をミスしてボールを引っ掛けられるチャンスは増えると思いますが、遠くに速いボールだと、もう完全に守備になってきます。単純な言い方ですが、確実に自分たちのボールになる可能性を少しでも上げられるようなボールも必要だと思います。逆にこれは自分たちが相手のボールを奪ってからの質にも関わってくる部分なので、そういうところもしっかり求めないといけないと思います。
選手インタビュー
長友佑都選手

Q、今節は、MUFGスタジアム(国立競技場)での横浜F・マリノス戦になります。
A、国立競技場は夢の舞台であり、憧れの舞台です。あのピッチに立つと自然とモチベーションが上がり、情熱が湧いてきます。それによって高いパフォーマンスが発揮できています。自分自身も相性が良いと思っていますし、チームとしても相性が良いので、素晴らしい試合が見せられると思っています。開幕から3連勝して柏レイソルには負けてしまいましたが、ずっと勝ち続けるチームも多くないので、課題を次の試合にしっかりと活かしたいです。気持ち的にもすごく燃えているので、しっかりと最高のパフォーマンスをみせたいです。
Q、連敗しないことが重要になるなかで、今週はどのような準備をしてきましたか。
A、すごく引き締まった良い練習ができていました。みんな負けた悔しさはあると思いますが、その気持ちがよりチームを引き締めたと思います。その姿勢が見えたので今週は非常に良いトレーニングができたと感じています。
Q、監督や選手から、負けを引きずらずに優勝に向けて前進していくという話が多く出ています。
A、それは本当に思います。優勝するチームも全試合勝ち続けられることはほとんどないと思っているので、この負けを次にどのように繋げるかが重要です。クラブから監督や選手に“優勝”という明確な目標が伝えられています。だからこそ、負けを引きずらずに「もう一回前を向いて戦おう」、「もう一回前に進むぞ」というエンジンがさらにかかっています。
Q、勝敗を分けるところはどのような部分になりますか。
A、サイドの攻防が鍵になると思っています。横浜FMにも強力なサイドアタッカーがいて、そこを起点に攻めてきます。相手が起点にしたいクルークス選手などをしっかり止め、逆に前線に出て攻撃にも絡んでいくことをしていきたいです。サイドを圧倒的に支配して、どこにでも長友がいるな。と、思わせるぐらい動いてチームの勝利に貢献したいです。
佐藤龍之介選手

Q、柏レイソル戦では今シーズン初の敗戦となりましたが、監督からも優勝をめざすチームであろうという話があったと聞きました。
A、僕は初めて監督がそういうことを口に出したところを見ました。チーム全員が同じ認識になっていることも良いことだと思っています。一回の負けでその目標を下げることや変える必要もないと思います。目線も揃っているので、チームの士気も上がっていると感じています。
Q、柏戦では決め切る最後の質の部分で結果が変わってしまったと思います。
A、僕にもチャンスはありましたし、チームとしても前半は惜しいシーンが何本もありました。そこを決め切ることができなかったことで流れが変わってしまい、後半はあのように試合を支配されてしまい、東京側は疲弊する展開になってしまいました。試合を通して振り返れば課題も多くありますが、トータルすると悲観するべき内容ではなかったと思うので、次の試合に向けて、チーム全員で目線を合わせて試合に臨みたいです。
Q、勢いのあるチームとの試合は難しくなると思います。
A、間違いなく難しい試合にはなると思いますが、僕たちは開幕から良い試合をしていて、1試合負けたからといって調子が悪くなったかといえば、そうではないと思っています。自信を持って試合に臨みたいです。
Q、相手の守備陣を攻略するために、自身としてどのようなことが必要になると思いますか。
A、僕が前線でボールに関わることが一番重要だと思っています。もっとボールを受けに行くことも必要ですし、もっと前線の選手と関われるシーンも増やしていきたいです。東京にはスピードのある選手も多くいますし、前線で起点になれる選手も多くいるので、そういった選手の個も活かしながら相手を上回っていきたいです。
Q、MUFGスタジアム(国立競技場)は佐藤龍之介選手にとっては、プロ契約を結んだ記者会見を行った舞台でもあります。
A、SAMURAI BLUE(日本代表)ではベンチでしたし、まだ国立競技場のピッチに立ったことはないので、そこでプレーできる可能性があると考えると楽しみです。ピッチに立ったらまずは楽しみたいと思っています。FC東京の選手として、国立競技場のピッチに立つことは憧れですし、簡単なことではないと思っています。出場すればしっかりと噛み締めながら、楽しみたいです。



