INTERVIEW 2026.2.13

2/14 浦和戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー&プレビュー

前節・鹿島アントラーズ戦のレビュー

雪模様の味の素スタジアムで2025シーズンリーグ優勝チームの鹿島アントラーズを迎え撃った明治安田J1百年構想リーグ開幕戦。試合は悪天候に伴ってボールの視認性を確保するためにオレンジボールが採用された。

立ち上がりから積極的な姿勢を見せていく東京。前半2分にマルセロ ヒアン選手が果敢なプレスで相手の自由を奪うと、同10分には佐藤恵允選手が素早く寄せてボールをカットし、右サイドを突破してチャンスを作った。

ボールをつなぐサッカーを掲げながらも、鋭い攻撃を織り交ぜていく臨機応変さを掲げてきた“力蔵トーキョー”。思うようにポゼッションできない状況でもスピード感ある攻撃で状況打開を狙っていく。

前半から好パフォーマンスを見せたのは、開幕スタメンの座を勝ちとった常盤亨太選手。ボランチの位置で守備に貢献するだけでなく、相手ゴール前まで侵入してシュートを狙い、ボール奪取のファーストタッチを速攻につなげるパスにするなど、ボックストゥボックスの動きで攻守に存在感を披露していく。

試合が動いたのは前半41分。鹿島のビルドアップを狙っていたヒアン選手が高い位置で狙いすましたカットでボールを奪うと、ロストした鹿島の三竿選手がヒアン選手を引っ張って決定機阻止で一発退場。東京が数的優位な状況となる。そしてこのファウルで得た直接フリーキックのチャンスを遠藤渓太選手が右足で鋭くゴール右下に突き刺し、前半44分に東京が先制点を奪うことに成功した。

しかし、前半アディショナルタイムに入った直後、コーナーキックからの混戦を押し込まれて失点。得点直後という気をつけなければならない時間帯にセットプレーから痛恨の同点ゴールを許してしまう。

後半は一人多い東京が鹿島を圧倒する展開になったが、多くのチャンスを作りながらゴールネットを揺らせないまま時間が経過していく。東京は佐藤龍之介選手、山田楓喜選手、橋本健人選手ら途中出場した新戦力がピッチで持ち味を発揮したが、鹿島の粘り強い守備を崩し切れずに1-1のままタイムアップ。特別大会のレギュレーションでPK戦へと突入した。

お互いに3選手が決め合ったのち、鹿島の4人目小池選手のキックを青赤の守護神キム スンギュ選手がセーブ。東京は橋本健人選手が決めてリードを奪うと、最後は佐藤龍之介選手が豪快にど真ん中へ蹴り込んで勝利。失点時間や展開、決定力不足という課題は残したものの、まずは開幕戦で王者・鹿島を破って勝点2を獲得。優勝という大目標に向けて、東京が味スタで好スタートを切った。

今節のプレビュー

勝点3は手にすることができなかった。課題も明らかになった。だが、着実な積み上げを感じられたゲームでもあった。開幕戦で鹿島アントラーズから勝点2を獲得したことをポジティブに捉え、青赤軍団が浦和レッズとの明治安田J1百年構想リーグ第2節に臨む。

キャンプから取り組んできたポゼッションサッカーとハイプレスからのショートカウンター。状況判断が求められる臨機応変なスタイルを追求していこうとしている意識が、開幕戦のピッチに立った選手たちから明確に感じられた。松橋力蔵監督も「徹底してつなぐことが大事なのではなく、状況に応じた判断が必要。キャンプから様々な局面を想定して目線を合わせるトレーニングを積み上げてきたので、最後は選手たちがジャッジする部分ではありますが、ある程度はチームが描く“絵”として出せた部分はあった」と手応えを口にする。

まずハイプレスの意識が今シーズンの初ゴールを呼び込んだ。立ち上がりから前線の選手がハードに追い回すと、マルセロ ヒアン選手の鋭い寄せが相手選手のレッドカードを誘発。球際で激しく戦う部分をベースにしながら結果につなげることができた。キャプテンの室屋成選手は「自分たちはチャレンジャーなので、本当にタイトルを狙うのであれば、ああいう戦う姿勢が全試合に必要。課題も見えつつ、勝ちながら修正していくことが大切になる」と気を引き締めながら前を向いた。

チーム全体が見せた戦う姿勢、退場を誘発したシーン、そして先制点を奪うところまでは良かった。だが、直後にコーナーキックを与えて同点ゴールを許してしまったところは大きな反省点だ。鹿島のしたたかさを肌で感じたところでもあった。こういったスキを見せないようにしていくことが、勝負強く勝てるチームになっていけるかどうかを左右することになるだろう。

そしてもう一つ、数的優位な状況で攻め込み続けた後半の決定力についても課題を残した。しっかり決めるところを決めていかないと、これまでのように悔しい結果を招くことになりかねない。もちろん一人減って守備意識を高めた鹿島を崩すことは容易ではなかったが、それでもチャンスは多く作った。そこについては指揮官も「最後に決め切れないところ、合わせ切れずに相手に渡してしまったところがあった。そこは今週しっかりと踏み込んでトレーニングをやってきた」とチームとともに課題解決に向き合ってきただけに、勝負強さを身につけていこうとするチームの成長にも注目していきたいところだ。

対する浦和は、開幕戦でジェフ千葉に2-0で勝利。前線のスピードを活かした攻撃、従来よりも意欲的な前線からの守備というアグレッシブさを前面に出して好スタートを切り、味の素スタジアムに乗り込んでくる。東京としては浦和が武器にしてきた堅守をどうやってこじ開け、相手の出方を見ながらウィークポイントを突いていけるかが勝利のカギを握る。

やはりポイントは先制点だろう。今シーズン、浦和から完全移籍で青赤に正式加入した長倉幹樹選手は「浦和の守備が堅いのは自分も一緒にやっていたので感じている。先制点が大事になると思うので、ポゼッションと裏のスペースをどちらも意識しながらゴールを狙っていきたい。中高とアカデミーでお世話になったクラブですし、浦和ではあまり自分のプレーを見せられなかったので、今回は自分のプレーを見せる機会になる」と恩返し弾に意欲を燃やす。

また、鹿島戦に続いてホームで戦えることがチームにとっても大きな後押しとなる。室屋選手は「みんなモチベーション高くやれていますし、鹿島戦と同じような気持ちで臨めると思う。味の素スタジアムの雰囲気がチームに自信を与えてくれる。楽しみです」と笑顔で前を向いた。

勝って兜の緒を締めよ──。松橋監督が「本当に一番上に立とうと思うのであれば、勝ち負けで一喜一憂するのではなく、目の前の一戦に懸けていくことが大事になる」と強調する。スタジアムの大声援を背に受け、すべての経験を糧にしながら、青赤軍団が一戦必勝の構えで開幕連勝を誓う。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、鹿島アントラーズ戦では、キャンプで取り組んでいたハイプレスがかなり機能していたと思います。A、そこは非常に素晴らしかったですが、そこから得点をとれていないことが問題です。プレスでボールを奪うだけではなく、そこからどのようにして得点をとるのかが重要だと思っています。そこで得点に結び付けられれば、勝点を積み上げられる可能性が高くなります。そしてゴール数が増えれば、自分たちの立ち位置というものも変わってくると考えています。今シーズンは短期決戦なので、決め切ることがより重要になると思っています。

Q、ボールをつなぐシーンと裏をシンプルに狙うシーンの両方が出ていました。やっていこうとしていることがしっかりと出ていたと思います。
A、徹底してつなぐことが大事ではなく、状況に応じて判断することが大事だと思っています。今シーズンはキャンプから様々な局面を想定して目線を合わせるトレーニングをずっと積み上げてきました。昨シーズンのようなシーンを減らしていきたいです。

Q、浦和レッズの印象はいかがでしょうか。
A、前線にはスピードのある選手もいて、ジェフユナイテッド市原・千葉戦の序盤に2点をとって勝利していました。非常にタレントが揃っている印象があります。ですが、明日の試合で我々に対してどのように出てくるのかは、別の話だと思っていて、千葉戦が必ずしも参考になるとは思っていません。大きく何かが変わっているわけではないですが、アグレッシブにくると思っています。

Q、今週の浦和戦に向けて、どのようなことを意識して取り組みましたか。
A、まずは失点のところにフォーカスしました。得点直後に自分たちのバランスを整え切れずに、次のワンプレーでコーナーキックを与えてしまう隙を与えてしまうことが、失点につながった一つの要因だと思います。セットプレーの対応もあると思いますが、隙を見せないことが重要です。そのことを踏まえながら、浦和戦に向かうための準備をしてきました。

選手インタビュー

長倉幹樹選手

Q、鹿島アントラーズ戦ではPK戦の末、勝利を掴みました。
A、90分で勝ち切りたかったというのが正直な気持ちです。崩し切れるシーンが少なかったですし、崩し切れても最後に決め切ることができなかったことが反省点です。無理矢理シュートを打つのは違いますが、ゴールから遠くても、打てるのであればシュートを打つ意識は持つべきだと思っています。試合後に映像を見た時に、シュートを打っていたら結果が変わっていたのかなと思うシーンもありました。 

Q、マルセロ ヒアン選手とのコンビネーションについては、いかがでしょうか。
A、数は多くなかったですが、昨シーズンから一緒に組むことはあったので、コンビネーションが悪いとは思っていません。ですが、鹿島戦ではフォワードの二人が得点を決めることができなかったので、どちらかが得点をとらないと勝利は遠ざかってしまうと思います。一緒に出場するのであれば力を合わせて得点を奪いにいきたいです。ヒアン選手は献身的に守備をしてくれていて、能力的にも多くの得点をとれる選手なので、もっと特徴を活かせるようにすることが、僕に与えられている一つの役割でもあると思うので、そこもしっかりとやるべきことをやっていきたいです。

Q、浦和は守備の堅いチームです。そのチームから得点を奪うにはどのようなことが大切になりますか。
A、相手のプレスをうまく剥がせれば、心理的にも体力的にも優位に試合を進められると思います。なので、相手のプレスをどのように剥がすことができるのかが試合を左右する重要なポイントになると思っています。複数人が関わることで、プレスを剥がしやすくなると思うので、自分も含めて三人目の動きを意識していきたいです。

Q、開幕戦から2戦連続で、味の素スタジアムで試合ができることについていかがですか。
A、短期間の大会なので、優勝するためには最初から勢いに乗ることが大切だと思っていました。開幕から連続してホームで試合ができることは嬉しいです。味の素スタジアムで戦う時は強力な後押しもあるので、その環境で連続して試合できることはありがたいですし、その後押しをしっかりと自分たちの力にして勝ち切りたいと思います。前回はPK戦での勝利だったので心から喜ぶことができなかったです。ファン・サポーターのみなさんも、心から喜べていないと思うので、明日は90分間でしっかりと勝利してみんなで喜びたいです。

常盤亨太選手

Q、開幕戦でのスタメン出場はプロに入って初めてのことだったと思いますが、プレシーズンから準備はできていましたか。
A、昨シーズンのことが自分のなかで相当悔しくて、シーズンが終わった瞬間にもう2026シーズンは絶対に自分が開幕スタメンで出るという目標を立てていました。そのために何ができるかということをシーズンオフにずっと考えていて、それこそシーズン中以上にサッカーに向き合ってきました。そして、開幕戦に出ることが最初の目標だとしたら、その手前に「ここまでにこれをクリアしよう」という目標を三つぐらい立てました。それを段階的にクリアしていった結果として、シーズン前に良いコンディションが作れて、キャンプで良い感覚と手応えを得られました。本当にしっかりと立てた目標をクリアしながら段階を踏んでいって、開幕スタメンで出場することができたと感じています。

Q、チームの始動のタイミングで、やるべきことが頭の中で整理できていた、と。
A、自分が何をしなければいけないか、何が課題なのか、何を求められているかということを全部具体的に明確にした感じです。昨シーズンは練習試合の出場がメインだったので、練習試合と練習中の映像を見て、原点回帰ではないですが、自分の強みは何かとあらためて自己分析をしました。そして、自分に足りないところと何ができれば試合に出られるのかということに優先順位をつけて、整理することができたら、スッと腑に落ちました。考えが整理されれば、あとはやるだけなので。

Q、いざ開幕戦の鹿島アントラーズ戦に出場してみて、自分の中で準備してきたものはどれだけ出せましたか。
A、そこは逆に昨シーズンの経験が活きたと思っています。昨シーズンの天皇杯の浦和レッズ戦で、準々決勝の試合にいきなり出場して、前半はひどくて、試合の入り方で力が入り過ぎていたり、目の前に集中し過ぎていたりしました。その次に出場したリーグ戦の名古屋グランパス戦は良いパフォーマンスが出せて、自分のなかでは本当に手応えがありました。その時の成功体験ではないですけれど、その浦和戦のうまくいかなかったところと名古屋戦の成功体験をすり合わせて、自分はこういう状態の時が一番良いんだという感覚を得られていました。開幕戦は、自分でその状態になるように持っていけていたので、そこは本当にうまく試合に入れました。自分のプレーも出せた自信もあります。ただ、プレシーズンのほうが正直もっと良いプレーができていたと感じました。公式戦特有の緊張感とか開幕戦で相手が昨シーズンのリーグ優勝チームとか、そういった要素はありましたが、もっとできるなと思いました。

Q、逆に言えば、次に向けては変な力みが抜けて、もしかしたら見えてくるものが増えたり、余裕も出てくるのではないですか。
A、実は、そこが自分の難しいところで、力を抜き過ぎてもダメですし、何かを変えたらやはりおかしなことになると思っています。それで調子が出る人もいると思いますが、逆に緊張し過ぎてしまったりするので、平常心でいくことがいいかな、と。あとは、2試合目になって相手が自分の映像を見て分析されると思います。正直、鹿島も多分自分が出てくると思っていなくて、自分の特長が分からないからこそ良さが出せたのではないかと思っています。相手がしっかりと自分の良さを分かったなかで、そこを消そうと対策された時に何ができるかということが、この2試合目で問われるところです。そういった意味では、「やっとプロの世界に入ったのかな」という感覚もあります。ある意味、鹿島戦より浦和戦のほうが難しいのかなと思っています。開幕戦は失うものもないですし、自分としては思い切りやれた部分もありました。ただ、2試合目はいろいろ考えたり対策されて良さが消された時に、自分はそこに対して何ができるかが重要になってきます。難しくなって考え過ぎたら絶対に動けなくなるので、より難しくはなると思いますが、そこがサッカーの楽しさでもあるなと思っているので、そこをいかに自分らしくできるかが重要だと思います。 

Q、明日の浦和戦、昨シーズンの対戦で出場したことも踏まえて、ポイントをどう考えていますか。
A、浦和が、開幕戦は結構前線から相手を捕まえにいっていたので、ハイプレスを志向しているのかもしれません。そこに対して、ビルドアップのところで簡単に蹴るのではなくて、捕まえにきた相手をひっくり返せれば広大なスペースが背後にあると思うので、ビルドアップの部分は自分に求められているところです。また、浦和の前線の選手はスピードがあって、ドリブルなど個で剥がせる選手が多い印象です。そこで自分が守備の部分で相手をどれだけ潰せるかというところは重要です。鹿島戦以上に、個で相手がボールを持つ時間が長いと思うので、そこで潰し切って、潰すだけではなくて攻撃に繋げられるかもポイントになると思います。相手の両サイドバックも攻撃参加してくるので、相手を潰し切って、前にボールをつけて自分も出ていって仕留める。その二つがポイントかなと思っています。