COLUMN 2026.2.05

PLAYERS FILE 2026
SATO RYUNOSUKE

数々の称号と記録を手に戻ってきた
若武者が世界の大舞台を狙う

MF 23 佐藤龍之介

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

出場機会を求めて覚悟の育成型期限付き移籍を志願した佐藤龍之介。ファジアーノ岡山での躍動が新たな扉を開き、多くの表彰や記録を手にすることになった。大きなターニングポイントとなった一年を経て青赤に復帰を果たした今シーズン、さらなる成長と大きな目標を掲げて勝負のシーズンに臨む。


AFC U23アジアカップ2026 MVP&得点王、2025Jリーグベストヤングプレーヤー賞、Jリーグ優秀選手賞、そして日本代表デビューとFIFAワールドカップ26アジア最終予選最年少出場──。佐藤龍之介が数々の称号と記録を引っ提げて、ファジアーノ岡山への育成型期限付き移籍から戻ってきた。

アジアでの激闘を終えて1月28日からチーム練習に合流。同日午後には味の素スタジアムへ移動してチームの公式撮影に臨み、再び青赤のユニフォームに袖を通して「懐かしい想いが湧きましたし、このユニフォームを着て早くピッチに立ちたいと改めて思いました」と笑顔を浮かべた。

覚悟の期限付き移籍だった。思うように出場機会を得られなかった2024シーズンの悔しさに危機感を強めて武者修行を決意。東京ではボランチやトップ下などゲームメーカー的な起用が中心だったが、岡山では主に左右のウイングバックとしてプレー。ハードワークを見せて明治安田J1リーグで28試合6得点という数字を残し、記録にも記憶にも残るプレーヤーとして岡山でも愛された。本人は「もともと攻守の切り替えや運動量、球際の強さには自信がありましたけど、それを結果で証明できて良かった」と自らの大きな決断を正解へと昇華させた。

その躍動が認められ、昨年6月にはFIFAワールドカップ26のアジア最終予選で初めての日本代表入り。大阪で行われたインドネシア戦で初キャップを記録すると、7月のEAFF E-1サッカー選手権では日本代表として全3試合に出場。秋にはチリで行われたFIFA U-20ワールドカップに臨み、年末からはオフ返上でU-23日本代表の活動に参加するなど、各年代の日本代表とチームを行き来する忙しい日々を過ごした。

自分に求めるものも、周りに求められるものも基準が上がってきた。日本代表に入ったことで「周りからの見られ方が変わって、期待されている部分も少なからず増えた」という。現在は「そのなかで何とか頑張っているところなので、自分の置かれた状況を楽しみながら、過度なプレッシャーを真に受けずにサッカーを楽しみたい」とも語る。

今年1月のU23アジアカップではアジアを相手に強烈な存在感を見せた。「あのレベルではしっかり実力が発揮できると確信できましたし、日本代表でも自分が攻守において中心となってやれた自覚はあるので、その手応えはかなりあります」と自身が振り返るとおり、同年代では完全に抜けた存在になりつつある。

だが、年齢は関係ない。ピッチに立てば条件は同じ。なぜなら目標とするべき高みは別にあるからだ。めざすは今夏のFIFAワールドカップ26での日本代表メンバー入り。そのためには戻ってきた青赤で圧倒的なインパクトを残す必要がある。キャンプを積み上げてきた松橋力蔵監督のチームに新しく入っていくというハンデはあるが、一方でU23アジアカップを戦い抜いてきた試合勘とコンディションはチームの誰よりも研ぎ澄まされている。そこは龍之介自身も「アドバンテージになる」と自信を口にする。東京での結果が、自らの未来を切り拓く。それは誰よりも彼自身が理解している。

「ワールドカップに出るためにもっともっと成長したいですし、今まで積み上げてきたもの、岡山で成長したすべてを東京で見せたい。攻撃でゴールにつなげていくプレーだったり、敵をはがしていくドリブルだったり、フィニッシュの役割も担いたい。攻撃に関するプレーを全部やっていきたいと思っています。得点とアシストで絶対的な違いを出して、ワールドカップに行きたい」

1年間の武者修行で手にした成長と自信を武器に臨むハーフシーズン、佐藤龍之介が魅せるパフォーマンスが周囲の期待を超えてくる可能性は十分にあるだろう。

まずはJリーグで圧倒的な存在になる。その先には果てしなく大きな未来が広がっているはずだ。

(文中敬称略)

Text by 青山知雄