COLUMN 2026.2.03

PLAYERS FILE 2026
YAMAGUCHI TAIYO

右肩上がりに成長を感じたルーキーイヤー
味スタで得意の左足を輝かせる

FW 88 山口太陽

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

負傷で出遅れながら手応えをつかんだルーキーイヤーを経て、プロ2シーズン目の山口太陽が新シーズンに臨む。リーグ戦デビューと世代別代表選出を経験した彼がめざすのは、自らのストロングポイントを発揮した上でのさらなる活躍。昨シーズン味わったプロの壁を乗り越え、得意の左足で明確な結果を残していこうと覚悟を固めている。


誰よりも自分に期待していたプロ1年目の2025シーズン。山口太陽は沖縄の地で好スタートを切っていた。チーム初の対外試合となった練習試合で名桜大学を相手に2得点。しかし、キャンプ後半に軽傷で別メニューとなったあと、JFA/JリーグポストユースマッチにおけるU-22 Jリーグ選抜の活動中に負傷。右足関節前距腓靭帯損傷・踵腓靭帯損傷・三角靭帯損傷で約全治8週間と診断されてしまう。

この出遅れが響いた。徐々にメンバーが固まっていく春先にアピールできなかったことで、チームの一員となっていくまでに一定の時間を要してしまった。

「夏過ぎくらいからどんどん自分の成長を感じて、結果も残せるようになりました。終盤戦はもっと出場時間が欲しいとは思っていたんですが、2試合だけというちょっと悔しいシーズンになりました」

8月10日の2025明治安田J1リーグ第25節の鹿島アントラーズ戦で初のベンチ入りを果たすと、第34節のサンフレッチェ広島戦で念願のJリーグ初出場。第36節FC町田ゼルビア戦では国立競技場のピッチを踏んだ。右肩上がりにコンディションを上げたことでつかんだ結果だが、それ以上の何かを成せなかったことに、先輩たちの壁の厚さを感じたシーズン後半戦でもあった。

「プロになる人たちには何かしらの武器がある。ならば、僕も自分の強みを発揮すれば試合に出られるのだろうと。タイプは様々でもみんな間違いなく質は高くて、そこでどう自分が戦っていくかを常に考えていました」

FC東京U-18では常に試合に出場し、高さも強さも決定力もある大砲として前線にそびえ立っていた。しかしトップチームでは各々が尖った強みを持っていて突出することは難しくなる。「若手がチームに入っていくには、どこかのポイントで起用してもらえるように強みを出していかないといけない」という結論に辿り着くことは自明だった。

導き出した結論はよりゴール前の嗅覚を磨くことだ。「ゴール前へ飛び込むプレーで、そのチャンスを嗅ぎ分ける感覚には負けないものがあると思っています」と話し、クロスに入っていくのか、スルーパスに飛び出すのか、ゴール前の得点を奪えるポジションに入り続ける能力が特有のストロングポイントになる。

その力を大きな舞台で見せようとする気概は整っている。決戦の緊張感が漂った町田戦で、練習試合では感じられないファン・サポーターの熱量を全身に受け、緊張に優るプロとしての責任感を痛感した。

昨年11月にはU-22日本代表としてイングランド遠征にも参加し、日常の基準を高める必要があることも肌で感じた。「めざすべき場所」という国立競技場、そして味の素スタジアムで自慢の左足を叩き込む──。

その目標に向けて、背番号88は日々太陽のごとく輝きを増していこうとしている。

(文中敬称略)

Text by 後藤 勝(フリーライター)