無限の可能性を秘めたストライカーが
トップチーム昇格で見据える未来
FW 55 尾谷ディヴァインチネドゥ
2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。
2024シーズン、広島の地で豪快なヘディングシュートを叩き込み、強烈なインパクトを残した尾谷ディヴァインチネドゥ。FC東京U-18在籍中の17歳で決めた公式戦初ゴールから約1シーズン半、正式にトップチームへの昇格が決まり、プロとしての道を歩み始めた。無限の可能性を秘めたストライカーが思い描く自身のキャリアマップ、そして彼が直近で見据える目標とは。

その男、規格外につき──。
無限の可能性を秘めた尾谷ディヴァインチネドゥが、プロの扉を開いた。圧倒的な身体能力を誇る才能の一端は、2シーズン前に行われたサンフレッチェ広島とのJリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド第2戦のゴールで証明している。
そんな底なしのストライカーが、ふとした瞬間にプロになったことを実感したという。
「あの時はお客様気分もあった。でも、今はチームの一員として見られ方が違っていると思う。今までトップチームの練習に参加している時は、U-18のロッカーを使っていたけど、今年1月からトップのロッカーを使うようになって、改めてプロになったんだなと感じた」
そう初々しくプロとしての自覚と責任を語る尾谷は、「フィジカルの強さを活かした前線でのボールキープでは誰にも負けるつもりはない」と言う。並外れた跳躍力やスピードで、沖縄糸満キャンプの練習試合ではスタンドからどよめきが起こるプレーも見せていた。
一方で、「連続性とプレーに(調子の)波があるところは直さないといけない。自分の力を発揮するためにもコミュニケーションは欠かせない。自分はそれが得意なほうではないけど、良いプレーをするためにもいろいろな人に話しかけていきたい」と言葉にする。そうした課題ともまっすぐに向き合っている。
「トップの選手は波が少ない。ベテランの選手が誰よりも早く来てストレッチをしているところも間近で見た。そういうルーティンワークもこれから学んでいきたい。あとは(キャンプ最終日のヴィッセル神戸との練習試合で)権田(修一)選手から『振りが大きくて読みやすいから、自分のシュートを見返して振りを小さくすればもっとゴールが入るよ』とアドバイスをもらったので、そこはもっと練習していきたい」
学びや気付きの先に描くキャリアプランを「今シーズンはできるだけ多くの試合に出て、2026/27シーズンの開幕からスタメンを勝ち獲ることが理想。いずれは海外で挑戦したい」とイメージする。
その過程において視野に入れるのは、1年後にアゼルバイジャンとウズベキスタンの2か国で開催されるFIFA U-20ワールドカップ出場。同世代にはすでに海外へと羽ばたいていったライバルたちもいて「今のままでは(U-20ワールドカップには)行けない」と強い危機感も口にする。
「目標にしているU-20ワールドカップで活躍できれば、翌年のロサンゼルスオリンピックへと必然とつながる。東京で活躍して、まずはそこに出たい。東京には素晴らしい選手がたくさんいるけど、そのなかでも自分の特長や武器は通用するという自信がある。ネガティブな気持ちになると、良いプレーはできない。常に前向きな気持ちを持ち続けることができれば、チャンスは少なからずあると思っている」
ポテンシャルの底は誰にも見えない。青赤から世界へ飛び出すために、規格外な尾谷ディヴァインチネドゥは自らの才能と向き合い続ける。
その深遠の先に行き着いた時、世界を驚かせる点取り屋が産声を上げる。そんな成長譚が、青赤で始まろうとしている。
(文中敬称略)
Text by 馬場康平(フリーライター)

