厳しいポジション争いは想定内
得意の左足キックで新境地を切り開く
DF 42 橋本健人
2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。
アルビレックス新潟から完全移籍で青赤の一員となった橋本健人。同姓同名の橋本拳人と区別するために「ハシケン」や「ハッシー」と呼ばれるレフティは今、誰よりも勝利を渇望する状態にある。新潟でもともに戦った松橋力蔵監督の下、自慢の正確な左足キックでピッチ上に新たなエッセンスを加えることが期待されている。

新たな景色を見るため、橋本健人がFC東京に活躍の場を求めた。海外からのオファーも届くなかで下した青赤のユニフォームに袖を通す決断。J1リーグへの道を開いてくれた指揮官の下でプロ6年目のシーズンを迎えることになった。
慶應義塾大学在学中の2020シーズン、レノファ山口FCでJFA・Jリーグ特別指定選手として公式戦にデビュー。そこから横浜FC、徳島ヴォルティスで経験を積み、2024シーズンには松橋力蔵監督が率いるアルビレックス新潟へ移籍し、キャリア初となる国内トップリーグに挑戦した。
2025シーズンは新潟でJ1リーグ27試合に出場するなど主力として戦ったが、チームは無念のJ2リーグ降格。歯車がうまく噛み合わず、半年間に渡って勝利から遠ざかる苦しい時間が続いた。それでも自分自身に矢印を向け、真摯にサッカーと向き合う時間を過ごした。
「年間を通して本当にきつかった。今までのサッカー人生で一番と言っていいくらいの苦しさを感じながらサッカーをやっていた。そんななかでも自分の特長を出していけるように、改めて左足のキックに向き合った期間でもありました」
青赤で待ち受ける厳しいポジション争いも想定内だ。移籍の決め手となったのは、日本代表や海外でプレーしてきた強烈なライバルたちの存在だった。長友佑都、室屋成、バングーナガンデ佳史扶らとの競争に身を投じることに迷いはなかった。「ここでの競争に勝ったら、必然的に自分の価値は上がっていくと思う」。強い覚悟を持って首都クラブの門を叩いた。
「すごい選手がいることは分かっている。そこで自分の良さを出しながら切磋琢磨していきたい。お手本となる部分は全部盗んで、ここでもっと成長したい。特に長友さんからは練習から家に帰るまでの生活や立ち居振る舞いをしっかり学びたい」
最大の特長は左足から繰り出される良質のクロスと攻撃を活性化させるラストパスだ。他の選手とは一線を画す武器で、“力蔵トーキョー”が掲げるサッカーに新たなエッセンスを加える。
「攻撃における左足のフィード、縦パス、背後へのパスは自分の特長だと思います。長いレンジでも、すぐに味方を見つけられる視野の広さは他の選手とは違うところ。チームとして優勝を目標にしているし、東京に来たからには勝たないといけない」
まずはライバルたちとの競争が待っている。新潟で半年間も勝利から遠ざかり、誰よりも結果を渇望している橋本健人が、青赤の一員として勝負のシーズンに臨む。
(文中敬称略)
Text by 上原拓真(FOOTBALL ZONE編集部)

