昇格に王手なるか…
前日行われた試合で3位・大分が負けていれば、この日「昇格」の可能性があった東京。しかし、現実は逆で、大分が勝ったため「昇格」は最終節に持ち越され、暫定順位ではあるが大分が2位に浮上、東京は3位に転落した。「大分のことは気にならない」と言ったら嘘になるが、とにかく我々は勝てば良かった。この日の仙台戦で「90分勝(=勝点3)」もしくは「Vゴール勝(=勝点2)」を収めれば2位を維持でき、「昇格に王手」となる。そして次週行われる新潟との最終決戦でこれまでの怨念を晴らす快勝で締めくくれば「昇格」は決まる。他力ではなく、自力で「昇格」を勝ち取れることを忘れてはならない。自分たちのサッカーをすれば結果はついてくる。信じて戦うのだ!
アマラオ強行出場!
残り2試合、土壇場にきて大分に追い付かれもう後がない東京は、エース・アマラオを先発で起用、勝負に出た。アマラオは、ナビスコカップの鹿島戦で負傷した左足首がまだ完治しておらず、痛み止めの注射を打っての強行出場となった。前節の大宮戦では途中出場ながら前線の基点としてチームを牽引し、エースとしての存在感を強烈にアピール。精神的支柱としても、やはりアマラオの存在は不可欠であった。ホームゲーム最終戦、この駒沢陸上競技場に集まった7,325人(リーグ戦最多!)のファンのためにも負けるわけにはいかなかった。
怒涛の攻撃で仙台を圧倒するが…
何としても先制点が欲しい東京は、キックオフ直後から猛ダッシュをかけた。1分、左サイドの奥原がアウミールとのワンツーできれいに突破すると、加賀見も豊富な運動量で前へ前へと突進。10分には左サイドを華麗なフェイントで崩した奥原から中央で待ち構える加賀見へ絶妙のグラウンダーパスが通り、加賀見はワントラップから鋭くシュートを放つがボールは大きくバーの上へ。続く14分、今度は左サイドバックの藤山が鋭い読みのインターセプトから前線のアウミールへ。アウミールは振り向きざまに左足で強烈なシュートを放つが、相手キーパーのファインセーブに阻まれた。一方の仙台は、ゲームメーカーのパウロ・エンリケが累積警告で欠場したため中盤に厚みが出ず、ボランチのニクソンとベテラン・越後が中盤でボールをキープし、早めに前線の選手にボールを配給した。前線にはJ1での経験も豊富なテクニシャン・阿部が左サイドでくさびに入り、センターでは平が堅実なポストプレーを見せる。この二人のツートップはスピードもあり注意が必要であったが、この日の東京のDF陣に忠告は不要であった。サンドロ、小峯を中心に厳しいマーキングを見せ、仙台のツートップにほとんど前を向かせず、裏へ出たボールにも一歩早く体を入れてマイボールに。が、1度だけ大ピンチを迎える。19分、一瞬のスキから左サイドでフリーになった越後へボールが渡るとすかさずシュート。キーパー・鈴木が前へ落としたところを詰めていた平が拾うと、ゴール正面にフリーで走り込むニクソンへ。ニクソンはキーパーもいない”おいしいゴール”に丁寧に打ったつもりだったが外してしまった。救われた東京は、再び猛攻を開始する。仙台DFの中央には190cmのドゥバイッチがアマラオを密着マークし、単純なクロスを放り込んだだけでは跳ね返されるため、サイドを深くえぐってからのクロスが効果的であった。東京は右サイドから由紀彦が積極的に突破を図り、深い位置からクロスを上げるとアマラオは全てのボールに競り勝った。20分、25分、26分、35分と立て続けに仙台ゴールに惜しいシュートを放った東京は43分、カウンターから由紀彦が右サイド深く突破し、鋭いクロスを上げるとゴール正面でフリーで待ち構える加賀見へ。次の瞬間、誰もがゴールシーンを想像したが、加賀見が確実に決めようとヘッドで叩いたボールは大きくバウンドしバーを大きく越した。普段であれば、難なく決められる完璧な形を決められない東京。大量得点になってもおかしくない圧倒的な展開ながら、”1点”がどうしても入らない。前半は0-0のまま終了し、勝負は後半に持ち越された。
見えない敵との戦い…
後半に入り、疲れの見えた奥原に代わり鏑木を投入した東京は、前半同様仙台陣内に激しく攻め込んだ。が、悪夢はその直後に訪れる。3分、カウンターから左サイドで平にドリブルされ中央へグラウンダーパスが出ると、これを走り込んだ中島が約30mのミドルシュート!左から来たボールを右足でダイレクトに打った難しいシュートは、キーパー・鈴木の懸命のセービングも届かずゴールネットに突き刺さった。試合後、仙台の清水監督が「まぐれ」と認めるほど運のいいゴールで、防戦一方の仙台が先制した。一刻も早く同点に追い付きたい東京は、気を取りなおして再び猛攻に転じた。9分、左からのCKにアマラオが豪快に合わせたが惜しくもキーパーにキャッチされる。続く11分、右サイドから由紀彦が素晴らしいクロスを上げると、これもアマラオが完璧なヘッドで狙ったがキーパーのファインセーブに阻まれた。23分、後ろから出た浮いたボールに加賀見が抜け出しキーパーと1対1に。決定的なチャンスだったが、出てきたキーパーの鼻先を越すループシュートはこれまたバーを越しノーゴール。「どうして入らないんだッ!!」 刻々と時間が過ぎ、一層激しく攻める東京は必然的に重心が前にかかり、時折仙台のカウンターにあうが、DFラインに残る小峯が体を張った気迫のプレーで防ぐ。35分には、右サイドで由紀彦が見事なドリブル突破からCKのチャンスを掴むと、アマラオが豪快なヘッド一発!? が、ボールは無情にもバーに直撃してしまう。残り10分をきると、DFサンドロも攻撃参加して総攻撃を試みる東京。終了間際の44分には、左からのCKをアマラオがヘッドで狙うが、これまたキーパーの真正面に。ロスタイムに入り、何度となくCKのチャンスを掴むが結局決まらず、無情のタイムアップ。シュート数23対10という数字が物語るように、完全なワンサイドゲームとしながら、”運”に見放された東京。東京は狙いどおりの形から何度も決定機を作ったが結局決められず、逆に仙台はワンチャンスをいとも簡単に決めた…。これがサッカーなのか…。”プレッシャー”という、またしても見えない敵に敗れてしまったのか…。この結果、ついに10/3(第29節)から守ってきた2位の座を土壇場で大分に明渡すことになった東京。9/25(第28節)に大分との直接対決に勝ち、その時点の勝点差「12」を逆転されるとは、誰が予想したであろうか? しかし、可能性が「ゼロ」になったわけではない。確かに「自力昇格」はなくなったが、何が起こるのかわからないのがスポーツの世界。次週、11/21の最終戦は、アウェーで仇敵・新潟との決戦。東京が「昇格」する条件は、大分が最終戦(vs山形)で引分ける(→この場合、東京は90分で勝てば「昇格」)か、負ける(→この場合、東京はVゴールor90分で勝てば「昇格」)しかない。東京は今季3試合全て完封負けを喫している新潟にキッチリ借りを返すとともに、「昇格」も必ず手中にする。11月21日、全ての力を結集して総力戦で望む!
【監督コメント】
<仙台・清水監督>
とにかくこれまで勝てなかった東京に勝てたことが嬉しい。チーム力に差があるのは十分承知で、カウンターを狙っていた。それが功を奏した結果になったが、選手は最後まで集中を切らさずによく耐えてくれた。
<東京・大熊監督>
緊張なのか、運なのか、決定機をあれだけ外すことになるとは思わなかった。とにかく「1点」が遠かった。アマラオや加賀見のシュートなど、チームとしてやろうとしていたことは出来ていた。「昇格」の可能性が全く無くなったわけではない。最後の最後まで諦めずに戦い、新潟戦では必ず勝ちたい。
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